電気設備の技術基準の解釈の解説

第137条(添架通信線及びこれに直接接続する通信線の施設)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.188–191

〔解 説〕 本条は、添架通信線及びこれに直接接続する通信線の施設方法等を規定したものである。

第1項

第1項第一号は、作業者の安全や断線等による跳ね上り等の危険を考慮し、添架通信線と低圧架空電線、高圧架空電線及び特別高圧架空電線との離隔距離を定めている。しかし、添架通信線は架空電線路と施設者が同じであって、電線の引張強さ又は絶縁耐力などの制限が設けられているので、共架の場合よりも離隔距離を小さくしている(→)。
また、光ファイバケーブルは、絶縁物であるため、その絶縁効力は絶縁電線と同等以上であるが、条文構成上、添架通信用第1種ケーブル以上の絶縁効力のあるものの中に含まれる。
なお、S57基準では、低圧架空引込線と添架通信線との離隔距離を、添架通信線に絶縁性能の優れている添架通信用第2種ケーブルを使用すれば保安上の問題が少ないため、0.3mから0.15mに緩和した。
電力線に絶縁電線又はケーブルを使用する場合には、低高圧架空電線と他の工作物とが接近又は交差する場合と同様、裸線の場合に比べ離隔距離を緩和している。
第二号において、通信線は電力線に比べて細く強度が小さいので、断線接触による危険を考慮して、通信線は原則として架空電線路の下に施設することを規定しているが、架空地線を利用して施設する光ファイバケーブルにあっては、雷による危険もなく、また、ちょう架用線としての架空地線に対しては、において引張強さに対する安全率等が規定されており、断線の可能性が少ないため、除外している。また、H9解釈で、無線用アンテナが架空電線の上に設置される場合等、今後新たな施設形態の出現により架空電線の上に支持物の長さ方向に施設される通信線を施設せざるを得ない場合が発生することが考えられるため、この通信線を架空電線と接触するおそれがないように支持物又は腕金類に堅ろうに施設する場合についても、除外している。
第三号は、S43基準において、高圧引下げ線と添架通信線との離隔について明確な規定がなかったので、これに関する規定が加えられたものである。また、H18解釈では、低圧架空電線路における機械器具に附属する電線の取扱いについての検討を行い、保安レベルを考慮して高圧架空電線路又は特別高圧架空電線路の支持物に施設する機械器具に附属する電線と同等に扱うことが妥当であると判断されたことから、低圧架空電線路の支持物に施設する機械器具に附属する電線についても新たに対象に加えることとした。
解説137.1図
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第四号は、添架通信線路の垂直部分の施設方法について第五号イの規定を準用したもので、架空電線路の垂直部分と同一支持物に施設することを避け、同一の支持物に施設する場合は、①両者の垂直部分相互を1m以上離す、②支持物を挟んで施設する、③両垂直部分にケーブルを使用し直接接触することのないよう支持物又は腕金類に堅ろうに取り付けることを規定している。

第2項

第2項は、添架通信線に直接接続する通信線の種類について規定したものである。添架通信線は、一般の弱電流電線と異なり、長区間にわたり強電流電線と同一支持物に施設され危険度が大きい。また、添架通信線に直接接続されている通信線(絶縁変圧器、中継線輪又は電気信号を光信号に変換する装置等を介して結合するものは含まれない。→解説139.1図)についても、電気的には添架通信線そのものと全く同じで異常な高圧が誘起されている場合がある。架空通信線については、前条で通信線の強度を規定しているので、断線等による心配は少ないが、架空通信線以外の通信線にあっては、人が触れる可能性があるので、絶縁性に対し、絶縁電線(→)、通信用ケーブル以外のケーブル、光ファイバケーブル、添架通信用第1種ケーブル以上の絶縁効力を有する通信線又は添架通信用第1種ケーブル若しくは添架通信用第2種ケーブルを使用することとした。一般の通信用ケーブルが使用できないのは、耐圧の保証がないためである。H9解釈では、自主保安の観点から、通信線用の保安装置の設置義務はなくなったが、今後も誘導作用による危険電圧並びに雷及び電力線との混触等による危険電圧に対して十分配慮する必要がある。

第3項

第3項は、特別高圧架空電線路添架通信線に直接接続する通信線が建造物などと接近する場合の規定で、交差する場合と同様、これを高圧架空電線と同等に取り扱うこととし、それぞれ高圧架空電線路の各条文に準じて施設すべきことを定めている。この接近する場合の規定は、交差する場合の規定より厳しくなっている点がある。これは、交差することはやむを得ないものがあるが、接近することは避けることができるものであり、また、接近状態が長い区間にわたる場合は危険性が高いという考え方に基づくものである。光ファイバケーブルについても、金属線のちょう架用線によりちょう架する場合が多く、ちょう架用線と電線との接触を考慮し、同様の扱いとしている。

第4項

第4項は、特別高圧架空電線路添架通信線又はこれに直接接続する通信線が、他の工作物と交差する場合について規定している。特別高圧架空電線路添架通信線(光ファイバケーブルを除き、普通60~70kV級までが限度である。)又はこれに直接接続する通信線は、光ファイバケーブルを除き、誘導によって高い電圧を有している場合があり、その取扱いは特別高圧架空電線路の電圧、線路定数その他によりかなり大幅な相違があるが、だいたい高圧電線と同様としている(→解説)。したがって、からまでの規定を準用すればよいが、添架通信線を架設する支持物については、特別高圧電線路の支持物(→)であるので、本項で規定する必要はなく、また、一律に高圧電線と同様な取扱いとすることも好ましくないので、特に関係の深い対象物と接近又は交差(→解説)する場合について規定している。
本項に規定していない事項については、高圧電線並みとして前述の関係各項を準用することが望ましい。並びに及びの規定により施設する架空弱電流電線には、本章に掲げる電力保安通信線も含まれることになるが、本項に規定されている電力保安通信線に対しては離隔距離と及び第4項並びに、第6項及び第9項並びに第四号及び第六号以外は、それぞれ及び第七号で適用除外されている。
第一号イは、通信線の絶縁効力又は引張強さについて規定している。高圧電線並みといっても、通信線が誘導によって有している電圧は比較的低いので、絶縁電線以上の絶縁効力のものであれば、その絶縁効果が認められている。また、引張強さ8.01kN以上又は直径5mm以上の硬銅線であることとされているのは、断線しない電線という意味である。よって、絶縁効力又は断線しない引張強さを有すればよいとしている。
ロは、通信線と索道又は他の架空弱電流電線等との離隔距離を規定している。ただし、架空通信線のうち支持物から屋内に引き込む部分、すなわち架空通信引込線は、引き込むべき建造物との関係で架空通信線の引込線でない部分と同一の離隔距離を確保することは困難な場合が多いので、規制が緩和されている。
ハを図示すれば、解説137.2図のとおりである。
解説137.2図
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第二号は、他の特別高圧架空電線との交差の場合の規定で、第一号イの断線を防止するための規定と同様である。なお、金属線が間に介在するというのは、通信線が断線し、跳ね上がった場合に混触する危険がほとんどないということを意味しており、この場合の金属線は必ずしも接地工事の施されたものでなくてもよい(→解説137.3図)。
第三号は、特別高圧の電車線等と交差する場合の規定で、の高圧架空電線と特別高圧の電車線等との交差の場合に準じて施設することとしている。

第5項

第5項は、添架通信線又はこれに直接接続する通信線に使用する通信用ケーブルは、絶縁性能と耐電圧性能が要求されるので、一般の通信用ケーブルと区別し「添架通信用第1種ケーブル及び第2種ケーブル」として、その要件を規定している。なお、添架通信用第1種ケーブル及び第2種ケーブルの絶縁体及び外装における引張強度及び伸びの試験は、R7解釈より、民間規格評価機関として日本電気技術規格委員会に承認された規格リストと関連づけられ、当該機関の公開ページに掲載されている。詳細は第二号イの解説を参照されたい。
解説137.3図
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公式資料該当頁: p.188–191

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

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