電気設備の技術基準の解釈の解説

第76条(低高圧架空電線と架空弱電流電線路等との接近又は交差)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.125–126

〔解 説〕 本条は、低高圧架空電線と架空弱電流電線又は架空光ファイバケーブルとが接近(第二十一号)又は交差する場合の規定である。低高圧架空電線と架空弱電流電線等のようなものとの接近又は交差は、線と線との関係であるから、上方における第1次接近、第2次接近、下方における接近、上交差、下交差が考えられる。なお、低圧架空電線と高圧架空電線とが同一支持物に施設される場合(一般に併架という。)、低高圧架空電線と一般弱電流電線等とが同一支持物に施設される場合(一般に共架という。)、低高圧架空電線と電力保安通信線とが同一支持物に施設される場合(一般に添架という。→第134条)については、接近する場合に含まれていない。交差についても同様である。
架空電線と架空弱電流電線等とが接近又は交差する場合、この解釈の規定の対象となるのは架空電線である。なお、既設架空電線路に架空弱電流電線等が接近してきた場合において、この解釈に示す離隔距離を確保するため、何らかの措置を講じる場合に必要な経費の負担については、両者が協議して決定すべきであることを電気事業法第41条に定めている。架空弱電流電線等は、一般に総務大臣の監督のもとに有線電気通信設備令等に基づきその保安の維持がなされており、条文の中に「架空弱電流電線路等の管理者の承諾」とあるのは、その関係によるものである。弱電流電線及び光ファイバケーブルについては、省令第1条の解説を参照されたい。

第1項

第1項は、接近又は交差する場合の離隔距離について示している。第2項は接近状態(第十一号)にある場合、第3項は架空弱電流電線等の下方で接近する場合、第4項は架空弱電流電線等と交差する場合について示している。
なお、76-1表の「絶縁電線と同等以上の絶縁効力のある」とは、絶縁体に使用する絶縁物が電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈別表第十二が引用する日本産業規格JIS C 3010(2019)「電線及び電気温床線の安全に関する要求事項」の附属書CF(引張強度及び伸び)に規定する試験(第二号イ)を行ったとき、これに適合し、絶縁体の厚さ、絶縁抵抗、絶縁効力等が低圧絶縁電線の性能()又は規格(、第5条)に適合するようなもの(金属線等の導電性物質を有する光ファイバケーブルであって同等の性能又は規格に適合するものを含む。)と解してよい。

第2項

第2項では、低高圧架空電線が架空弱電流電線等と接近状態に施設される場合であって、架空電線が高圧架空電線のときは高圧保安工事()によるものとすることを示している。ただし、電力保安通信線が高圧又は特別高圧架空電線路の添架通信線又はこれに直接接続する通信線(絶縁変圧器、中継線輪等を介して結合するものを含まない。)である場合は、高圧保安工事によらなくてよいことが示されている。

第3項

第3項は、低高圧架空電線を架空弱電流電線等の下方に施設する場合には、原則として架空弱電流電線路等の支持物の地表上の高さに相当する距離以内に施設しないこととしている。この場合の接近限界を解説76.1図に示す。ただし、低圧架空電線については、技術上やむを得ない場合であって、かつ、第1項の規定により施設する場合は、接近限界以内に接近することができる。高圧架空電線については、技術上やむを得ない場合であって、かつ、第1項の規定により施設するほか、第二号により、架空弱電流電線路の支持物が強化されている場合又は第三号により、架空電線と架空弱電流電線等との水平距離が2.5m以上であって、かつ、架空弱電流電線等の支持物の倒壊のとき双方が接触するおそれがない場合(解説76.1図の点面の部分)は接近境界線以内に施設することができる。一般に架空電線が架空弱電流電線等の下方に施設されるということはまれなことである。
解説76.1図
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第三号は、架空弱電流電線等の跳ね上りや支持物の倒壊により危険のおそれがないように施設することを示している。

第4項

第4項は、低高圧架空電線が架空弱電流電線等の上で交差する場合には、第2項に準じて施設することを示している。
また、一般にはほとんどないが、技術上やむを得ない場合において、第3項第一号又は第二号に該当する場合は、低高圧架空電線を架空弱電流電線等の下に交差して施設することを認めている。

公式資料該当頁: p.125–126

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

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