電気設備の技術基準の解釈の解説

第3条(電線の規格の共通事項)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.9–10

〔解 説〕 本条は、電線の規格の共通事項を示している。省令第1条(用語の定義)で述べているように、電線とは、強電流電気の伝送を目的とした電気導体(裸電線)、絶縁物で被覆した電気導体(絶縁電線、平形導体合成樹脂絶縁電線、多心型電線及びコード)又は絶縁物で被覆した上を保護被覆した導体(ケーブル、キャブタイヤケーブル)である。電気工作物として使用できる電線の種類及びその規格は、第1章第2節でまとめて示している。したがって、第1章第2節の各条項を満足している電線は、送電線路、配電線路、電気使用場所における配線等に使用できる。
第4条から第11条までの各条文では、電線の具体的な性能及び規格を示している。これらの条文では、性能と規格を規定しているものがあるが、これについては、制定文で「この解釈において、性能を規定しているものと規格を規定しているものとを併記して記載しているものは、いずれかの要件を満たすことにより、当該省令を満足することを示したものである。」と説明しているとおりである。これらの条文の性能を規定している部分は、H9解釈により新たに設けられたものであり、電線に求められる必要性能を示している。電線の必要性能は、
a.熱的性能
b.電気的性能
c.機械的性能
に大別されるが、機械的性能は、電線の施設条件に依存するため、施設条文の規定に委ねている。そのため、本節では熱的性能、電気的性能を示し、例外的に電線種別を定義する必要がある場合(例えば、キャブタイヤケーブル)に、機械的性能を示している。
なお、第5条以下で個別に示されている電線の規格については、同時に、本条も満足することが求められる。例えば、第10条の高圧ケーブルは多心の場合、本条第二号により色分けその他の方法により線心の識別ができることが求められる。
S47告示では、全般的に次の観点から電線関係の規格の改正及び整備がなされた。
a.電線をそれぞれの単品規制から種別規制、すなわち同一構造を有するものの一括規定とした条文構成とする。
b.aの条文構成とするなかで、導体、絶縁体及び外装の材料の組合せを自由にし、それらの使用可能な材料の種類を増やす。
c.使用実績の少なくなった電線を廃止する。
d.別表の絶縁抵抗、外装の厚さ等の値を個々の数値から計算式に変更し、さらに素線の引張強さ・伸び、絶縁体の厚さ等の値は導体の太さがパラメータとなっているが、この場合、従来は標準寸法のものだけが示されていたが、あらゆるサイズの電線に適用できるように導体の太さのパラメータに幅をもたせ、いわゆる保安上の最低基準として従来の標準規格的な要素のものを減らす。
e.本文に表をとり入れるなど平明化をはかるとともに、別表全体を整理統合する。
ここで、電線に関する共通事項のうち、この解釈におけるケーブルの扱いについて概念的に述べる。
一般にケーブルと言えば、通信用ケーブルも含まれているものと理解される。しかし、電線として低圧の電路に使用するものについては第9条、高圧の電路に使用するものについては第10条で満足すべき性能が規定されているため、一般には通信用ケーブルが使えない。接地線に使用するものについては、接地線が省令第1条第六号での定義上の電線ではないので、第17条第1項第三号ハにおいては特に「ケーブル(通信用ケーブルを除く。)」と表現している。また、一般に低圧ケーブルというのは、使用電圧が低圧の電路の電線に使用することができるケーブルという意味で、使用電圧が高圧及び特別高圧の電路に使用できるケーブルを低圧ケーブルとして低圧電路に使用しても支障はない。これは、高圧ケーブルと特別高圧ケーブルの関係についても同様である。

公式資料該当頁: p.9–10

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

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