電気設備の技術基準の解釈の解説
第10条(高圧ケーブル)
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第1項
〔解 説〕 本条は、高圧ケーブルに求められる性能及び具体的な規格を示している。規格については、本条第2項、第3項、第4項又は第6項と同時に、第3条も満足する必要がある。本条では、高圧ケーブルとして、鉛被ケーブル、アルミ被ケーブル、ビニル外装ケーブル、ポリエチレン外装ケーブル、クロロプレン外装ケーブル及びCDケーブルの6種のほか、電力保安通信線複合鉛被ケーブル、電力保安通信線複合アルミ被ケーブル、電力保安通信線複合クロロプレン外装ケーブル、電力保安通信線複合ビニル外装ケーブル及び電力保安通信線複合ポリエチレン外装ケーブルの複合ケーブルについても具体的な規格を示している。また、これらのケーブルに保護被覆を施したものも高圧ケーブルに含めている。
なお、複合ケーブルは、強電流電線に弱電流電線を沿わせた場合、電磁誘導により弱電流電線に常時電圧が誘起し、弱電流電線であっても非常に危険であるため、弱電流電線の使用は、電気の知識を十分に有する人が管理する電力保安通信線に限定している。
第1項ただし書では、特殊なケーブル、すなわち太陽電池発電設備用直流ケーブル(→第46条第1項ただし書、第2項ただし書及び第154条の2ただし書)、事業用の配電線に使用される半導電性外装ちょう架用高圧ケーブル(→第65条第2項)
及び飛行場における滑走路灯、誘導路灯その他の標識灯などに接続する飛行場標識灯用高圧ケーブル(→第188条第2項)
については、それぞれ使用場所を限定して使用目的に応じたケーブルの規格を示しているので、本条の対象外としている。また、海底等の水底電線路に使用する水底ケーブル(→第127条)についても、本条の対象外としてはいないものの、同様に使用場所を限定して使用目的に応じた規格を別途示している。
第1項各号では、複合ケーブル以外の高圧ケーブルの性能を規定している。
第一号は、第5条第1項第一号と同様の趣旨で、電線の熱的性能を定めている。
第二号は、高圧ケーブルの基本構造を示している。高電圧になると静電誘導により人体に危険を及ぼすので、これを防止し、かつ、ケーブル内の電圧を一様にして絶縁物の劣化を防止するため遮へい層を設ける必要があるが、外装が金属である場合(鉛被ケーブル及びアルミ被ケーブル)は、金属製の外装(鉛及びアルミ)がその役目をするのでこれを設ける必要はない。高圧水底ケーブルは外装、遮へい層を有しないものとすることができるとしているが、これは、鉄線がい装等による保護が認められていることと使用場所が水底であるため周囲の水により遮へいされるためである。
第三号は、完成品の絶縁性能を示している。
第2項
第2項は、第1項に示す性能を満足する高圧ケーブルのうち、絶縁体に絶縁紙を使用する鉛被ケーブル、アルミ被ケーブルの規格規定、第3項は、第1項に示す性能を満足する高圧ケーブルのうち、鉛被ケーブル、アルミ被ケーブルで第2項に規定するもの以外のもの、並びに、ビニル外装ケーブル、ポリエチレン外装ケーブル及びクロロプレン外装ケーブルの規格規定である。第3項の絶縁体及び外装における引張強度及び伸びの試験は、R7解釈より、民間規格評価機関として日本電気技術規格委員会に承認された規格リストと関連づけられ、当該機関の公開ページに掲載されている。詳細は第5条第2項第二号イの解説を参照されたい。
第一号は、導体について規定しているが、外装等がゴム系である場合は、遮へい体が加硫の際に腐食することを防ぐため、それらにすず若しくは鉛又はそれらの合金のめっきを施すことが必要とされる。
第二号は、絶縁体についての規定である。高圧ケーブルになると、絶縁物の導体に接する部分には、一般には半導電層が設けられ、導体に接する部分の電位傾度を緩やかにして、ケーブル内でのコロナ現象等の発生を防止するが、この半導電層の厚さは絶縁体の中に含めて考えることができる。
第3項
第3項第三号は、遮へいについての規定である。S47基準で遮へいに軟銅線横巻き方式を認めた。これは遮へい体の可とう性を損うことなく、遮へい効果が従来の軟銅テープを重ね巻きしたものと同等であること、またアメリカでも多くの実績を持っていることによるものである。また、被覆状金属体は電気用品安全法でも認められており遮へい効果も軟銅テープ方式と同等以上であることにより追加したものである。
第2項第三号及び第3項第四号は、外装について規定している。外装の厚さは、鉛被ケーブル及びアルミ被ケーブル(ともに紙絶縁のものを除く。)にあっては、低圧ケーブルのそれと全く同一の計算式により定められる。
第4項
第4項は、第1項に示す性能を満足する高圧ケーブルのうち、CDケーブルの規格規定である。
CDケーブルは、導体及び絶縁体はクロロプレン外装ケーブル、ビニル外装ケーブルなどと変わるところがないが、外装に相当する部分がダクトとなっており、このダクトと線心との間が空隙となっている。第四号イのダクトにおける引張強度及び伸びの試験の試料形状(ダンベル状)は、R7解釈より、民間規格評価機関として日本電気技術規格委員会に承認された規格リストと関連づけられ、当該機関の公開ページに掲載されている。詳細は第5条第2項第二号イの解説を参照されたい。このケーブルは、アメリカにおいて高度なプラスチック絶縁材料技術を基に開発されたもので、その簡易な埋設工法と埋設費のコスト低減を大きな特徴としてアメリカ全土に広く使用されている。なお、CDの呼称はCombineduct(管路付き)の頭文字である。
CDケーブルは、第120条第4項第二号で、コンクリート製のトラフなしで直接埋設できることが示されている。したがって、ダクトの規格は、土冠1.2mの静土圧及びその上を20tトラック2台が平行して同時通過する際の動荷重の2.5倍(安全率)の荷重に耐え、かつ、線心に損傷を与えることのないように規定されている。
第5項
第5項は、複合ケーブルの性能を示している。
使用電圧が異なる低圧、高圧、弱電流電線が同一の外装によって被覆される複合ケーブルは、S61基準で、高圧と弱電流電線とが同一の外装によって被覆されるものが規格化されたが、特高と高圧又は低圧、高圧と低圧、低圧と弱電流電線とが同一の外装によって被覆されるものは、まだ規格化されていないので本解釈に例示されていない。
複合ケーブルは、一般の高圧ケーブルの外装の中に添架通信用第2種ケーブルを入れた内蔵型のものと、高圧ケーブルに添架通信用第2種ケーブルを束ねた上に保護被覆を施した外付型のものがある(→解説10.1図)。
解説10.1図
第一号は、第5条第1項第一号と同様の趣旨で、電線の熱的性能を定めている。
第二号では、複合ケーブルの基本構造として、イに外付型を、ロに内蔵型をそれぞれ示している。ケーブル外装の外に通信線を配置したものが外付型であり、外装の内に配置したものが内蔵型である。高圧ケーブルの構造自体は第1項と同じである。
第三号では、イに電力線心の絶縁性能が、ロに通信線心の絶縁性能が示されている。
第6項
第6項は、第5項に示す性能を満足する複合ケーブルの規格規定である。第二号ニの外装における引張強度及び伸びの試験は、R7解釈より、民間規格評価機関として日本電気技術規格委員会に承認された規格リストと関連づけられ、当該機関の公開ページに掲載されている。詳細は第5条第2項第二号イの解説を参照されたい。