電気設備の技術基準の解釈の解説

第75条(低高圧架空電線と電車線等又は電車線等の支持物との接近又は交差)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.123–125

〔解 説〕 本条は、低高圧架空電線と電車線等が接近又は交差する場合の施設方法について示している。

第1項

第1項は、低高圧架空電線と低圧若しくは高圧の電車線等又は電車線等の支持物との離隔距離(解説)について示している。
第3項ただし書については、第74条の解説を参照されたい。

第5項

第5項は、低高圧架空電線が特別高圧の電車線等の側方又は下方に接近する場合の施設方法について示している。
第二号ロの「電車線等の支持物の倒壊等の際に、電車線等が架空電線に接触するおそれがない」とは、第76条の架空弱電流電線等との接近と同様に考えてよい(→解説76.1図)。
第三号は、イ及びロの規定に基づき施設する場合には、架空電線と電車線等との水平距離を3m未満とすることを認めている。工事方法の例を解説75.1図に示す。
解説75.1図
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旧工規の条文では、接近又は交差する場合は、電圧の高い方から規制することを原則としており、特別高圧の電車線は22kV又は25kVの特別高圧の電圧を使用していることから、特別高圧の電車線を主体として規定していた。しかし、この解釈では、専用敷地内にある電車線及びその他の電気設備は、国土交通省令により規制されることになっている関係上()、本条に関しては、従来の原則から外れて、低高圧架空電線が交流電車線の電圧により被害を受けないようにという趣旨に則して、低高圧架空電線を主体として規定している。また、低圧の交流電車線も施設されていることなどから、H23解釈で、従来の「交流電車線」を「特別高圧の電車線」に改めた。

第6項

第6項は、低高圧架空電線が特別高圧の電車線等の上方において接近する場合について示しており、前項第一号では水平距離で低高圧架空電線路の支持物の地表上の高さに相当する距離以内に接近しないこととしているが、低高圧架空電線の断線及びこれらの支持物の倒壊等の際に両者が接触するおそれがない場合又は低高圧架空電線を第二号ロにより施設する場合については、水平距離で3mまで接近することを認めている。
第二号ロ(イ)は、低圧架空電線の強度を示したもので、高圧架空電線についてはケーブルを使用する場合は第67条
第五号、ケーブル以外のものを使用する場合は第66条第1項により強度計算を行うことになっているので問題はないが、
第66条第2項各号に掲げるもの以外の低圧架空電線については、高圧架空電線と同様の設計をすることとしている。
(ハ)は、低高圧架空電線路に使用する支持物の施設について示したものである。支線の強度については、支持物の強度を分担するもの、すなわち、この解釈では低高圧架空電線路の支持物のもつべき強度については、第59条で示している想定荷重の一部を分担する場合又は第59条で示している不平均張力を負担する場合は、その耐えるべき荷重の2.5倍の引張強さを有する支線が必要である(解説)。一方、他物との接近又は交差の場合に安全性を高めるために施設する支線の強度については、この解釈では明確に示していないが、第61条第1項の解説で示している4.31kNを目安とし、支線の取付け箇所及び支線の開きについては、一般的に支持物の腕金から30°前後で施設されている。したがって、
B種柱であって、常時想定荷重に1.96kNの水平横荷重を加算した荷重に耐えるものは、支線を設けたものと同等以上の強さを有すると判断して支線を省略することができる。

第7項

第7項では、特別高圧の電車線等と低高圧架空電線とが交差する場合の施設方法について示している。この場合は、必然的に低高圧架空電線が特別高圧の電車線等の上となる。したがって、低高圧架空電線の断線又はこれらの支持物の倒壊等の際に、高圧架空電線の場合には配電用変圧器又は高圧需要家の電気設備に対して障害を与えないよう、低圧架空電線の場合には直接一般需要家に特別高圧の電気が侵入して危険を及ぼすことのないように施設する必要があることから、一般の低高圧架空電線の工事方法と比べ厳しい内容となっている。
第一号は、低高圧架空電線路の電線、腕金類、支持物、支線又は支柱に対する離隔距離を示したもので、内容は第106条第3項に準じている。
第二号イは、前項第二号ロ(ハ)と同様、交差する部分の両側の支持物に対する支線(倒壊を防止するための安全増しのもの)の施設について示したものである。なお、低高圧架空電線路が電線路の方向に対して10°以上の水平角度をなす場合は、その内側の支線の省略を認めている。
ロは、低高圧架空電線路の木柱の強度を示しており、従来は4であったが、S43基準で木柱の維持基準の安全率として定めた2という値をとった。建設時には4以上の安全率とすることが望ましい。
第三号は、低圧架空電線の場合は高圧架空電線よりも危険が大きいため、ケーブルを使用し、かつ、第67条により布設するとともに、ちょう架用線については引張強さ19.61kN以上のもの又は断面積が38mm2以上の亜鉛めっき鋼より線(、4-1表)を使用することとしている。更に、ケーブルのちょう架用線は交差する部分の両側の支持物に引き留めて施設することとしているが、これは交差部分以外の径間で断線を生じたときに支持点がしゅう動し、交差部分の弛度が大きくなり特別高圧の電車線等に接触するのを防止するためである。
第四号イ(イ)は、高圧架空電線にケーブルを使用する場合の工事方法を示している。この場合は当然、第67条の適用を受けるが、ちょう架用線については引張強さの大きなものを使用し、さらに交差する部分の両側の支持物に引き留めて施設することとしている。
(ロ)は、高圧架空電線には、ケーブルを使用する場合を除き、引張強さが14.51kN以上のもの又は断面積38mm2以上の硬銅より線を使用することとし、(ロ)(3)と相まって、断線又は垂れ下がるなどのことを防止している。(ロ)(2)では、線間短絡による断線を防止するためにケーブル以外のものを使用する高圧架空電線の線間距離を示している。
第四号ロは、漏えい電流により腕木が焼損し、電線が落下するのを防止するため、高圧架空電線路の腕木には金属製のものを使用することとしている。

公式資料該当頁: p.123–125

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

※ 本ページは公式資料そのものではありません。