電気設備の技術基準の解釈の解説

第214条(交流架空電車線等と他の工作物等との接近又は交差)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.311–313

〔解 説〕 本条は、交流の架空電車線等が建造物、道路、索道その他の工作物に対して危険を及ぼさないようにするため、架空電車線等とこれらのものとが接近し、又は交差する場合の工事方法を示したものである。

第1項

第1項第一号では、電車線等が建造物、道路又は索道の上方又は側方において、水平距離で電車線路の支持物の地表上の高さに相当する距離以内3mまで(3m未満の場合は、第二号)に接近する場合について、支持物の種類及び径間を制限している(→)。
第二号は、交流の架空電車線等が建造物、道路又は索道の上方又は側方において水平距離で3m未満に接近する場合で、イ及びロは離隔距離を規定しており、ハでは支持物の種類及び径間の制限については第三号に準じることとしている。離隔距離については、及び第3項に準じている。
索道との接近には第一号及び第二号の場合のように交流架空電車線等が索道の上方又は側方で接近する場合のほか、索道の下方において接近する場合があり、この場合は索道の支柱の倒壊等による危険を考慮しなければならないので、第三号では交流架空電車線等が索道の下方において水平距離で索道の支柱の地表上の高さに相当する距離以内に接近することを原則として禁止している。ただし、索道の支柱の倒壊等の際に、索道が交流架空電車線等と接触するおそれがない場合又は交流架空電車線等の上方に堅ろうな防護装置(→解説)を設ける場合には、水平距離で3mまで接近することを認めている。

第2項

第2項は、の規定に準じたもので、その工事方法を図示すれば解説214.1図のとおりである。
解説214.1図
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第3項

第3項は、交流の架空電車線等が道路橋、鉄道橋、線路橋、水路橋又は水道橋等の下に施設される場合について規定している。第一号では、原則として架空電車線等と橋りょう等との離隔距離を0.3m以上とすることとし、ただし書で既設の橋りょう等の下に架空電車線等を施設する場合に電車線のレール面上の高さとの関係から0.3m以上の離隔距離をとり難い場合があるので、このような工事上やむを得ない場合は、使用電圧が22kV以下のものに限り最小絶縁間隔の0.25mまで制限を緩和している。第二号は、誘導による危険電圧の発生を防止するため、橋げた等の金属製部分にD種接地工事(→)を施すこととしている。第三号は、人の通行する橋等において橋等の上から人が交流の架空電車線等に触れるおそれがある場合に、例えば解説214.2図に示すような装置及び危険表示札の設置を要求している。

第4項

第4項は、交流の架空電車線等と前各項に明記されていない工作物とが接近し又は交差する場合の離隔距離を規定しているが、特別高圧架空電線との接近、交差については及びに規定されている(交流の架空電車線等は他の工作物に該当する。)ので、本項においては特別高圧架空電線を対象外としている。離隔距離の数値については、特別高圧架空電線路の場合に準じている。
解説214.2図
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第5項の離隔距離については、一般の特別高圧架空電線と同様、風による植物の揺れ(倒壊のおそれがある場合は倒壊)も考慮して離隔距離をとらなければならない(→解説)。また、離隔距離は、ちょう架線、ブラケット等交流の架空電車線に接続するもの(交流の架空電車線等)からの距離であるので注意を要する。
第6項の架空電線の危険電圧を防止する方法としては、交流の架空電車線と架空電線との間に遮へい線を施設すること、低圧架空電線の場合には並行する部分の1線が必ず接地(B種接地工事による接地又はの引込口の接地)されているようにすること、高圧架空電線の場合には、その電路の中性点に接地工事を施すこと等の方法がある。三相交流低圧の電車線は電圧が低いので問題にならないと考えられる。
また、特別高圧の交流単線式電車線と接近し又は並行して施設される金属体には、静電誘導及び電磁誘導作用により危険電圧が発生するおそれがある。したがって、第7項ではこれらの金属体の危険を防止するため、橋の金属製らん干等人が触れるおそれがある金属製のものには、D種接地工事を施すこととしている。この場合、金属体に発生する電圧が危険電圧であるか否かの判定は、電圧値(完全絶縁体においては電車線等と20m離隔した位置において静電誘導により約500Vの電圧を生じる。)及び誘導電荷、すなわち人が触れたときに流れる電流値を考慮して行い、特に公衆の触れるおそれがあるものについては、十分に安全を図る必要がある。接地工事を施さない場合でも大地との間の電気抵抗が100Ω以下のものは、D種接地工事を施したものとみなされる(→)。
なお本条は、に該当する電車線及びレールについては、鉄道営業法、軌道法又は鉄道事業法の相当規定によることとして適用除外されている。

公式資料該当頁: p.311–313

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

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