電気設備の技術基準の解釈の解説
第213条(交流電車線等から弱電流電線路への通信障害の防止)
経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.311
〔解 説〕 交流式電気鉄道(交流単線式電気鉄道)はレールが帰路となっているため、平常運転の場合でも送電線の地絡事故時と同様な状態となっており、また、電車線電流は高調波を含んだ交流であるので、近接通信線に対して人命や機器に与える危険、電話の雑音、電信の妨害等のような誘導障害が問題となる。
これらの障害を防止するため、本条は交流式電気鉄道のき電線路、電車線路若しくは架空絶縁帰線又は交流電車線路相互を接続する電線路と弱電流電線路との距離を十分に離すか、帰線のレール近接部分及び大地を流れる電流を制限するか、その他障害防止上有効な方法で施設することを規定している(→第52条、第124条)。帰線のレール近接部分及び大地を流れる電流を制限する方法としては、吸上変圧器を使用して架空絶縁帰線(負き電線)に電流を吸い上げる方法又は単巻変圧器を使用して架空絶縁電線(き電線)に電流を流す方法等が行われている(→第52条)。
なお、特別高圧架空電線路(き電線路を含む。)では架空電話線路に対する静電誘導電流の計算式を定め、誘導電流の限度を定めている(→第52条)。
また、既設の弱電流電線のみでなく、後から施設される弱電流電線に対しても規制が及ぶので、後からできる弱電流電線に対して通信上の誘導障害を及ぼす場合は、これを防止するために何らかの措置を講じる必要があるが、この場合の費用負担及び対策については電気事業法第41条により当事者間で協議することになる。なお、三相交流低圧電車線路は、ほとんど問題にはならない。