電気設備の技術基準の解釈の解説
第215条(交流架空電車線等と架空弱電流電線等との接近又は交差)
経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.313–314
〔解 説〕 本条は、交流の架空電車線等が架空弱電流電線等と接近し、又は交差する場合の架空弱電流電線等に対する障害を防止するための規定であるが、架空電線路の支持物に施設する電力保安通信線との接近、交差については、第137条第4項で規定しているので、本条における架空弱電流電線等には架空電線路の支持物に施設する電力保安通信線は含まれていない。ここで交流電車線等というのは、交流電車線のほか、ちょう架線、ブラケット、スパン線のうち電車線電圧(20kV又は25kV)で充電されている部分を一括して指している(→第1条第八号)。しかし、これらのものでもがいしで絶縁され電車線電圧が加わっていない部分は含んでいない。また、本条における架空弱電流電線等には、アンテナも含まれている(→第76条、第77条)。
第1項
第1項では、原則として水平距離で交流の架空電車線路又は架空弱電流電線路等の支持物の地表上の高さに相当する距離以内に接近することを禁止し(一般に、誘導障害のため、このように接近することはほとんどない。)、ただし書で架空電車線等又は架空弱電流電線等の切断若しくはその支持物の倒壊等の際に両者が接触するおそれがない場合に限り、水平距離で3mまで接近することを認めている。
第2項
第2項では交流の架空電車線等と架空弱電流電線等とが交差する場合は必然的に交流電車線等が架空弱電流電線等の下となるので、第106条第4項に準じて第2項では交流電車線等と架空弱電流電線等との交差を原則として禁止している。
しかし、土地の状況によっては交差する弱電流電線等を地中ケーブルとすることが極めて困難な場合があるので、工事上やむを得ない場合には、第一号から第四号の規定により施設することとしている。
第一号で架空弱電流電線の種類をポリエチレン絶縁ビニル外装の通信用ケーブルに限っているのは、比較的絶縁強度が大きいので、万一混触事故が生じても弱電側の被害を最小限度に止めるためであり、また、断面積が38mm2で引張強さが29.45kNの金属線からなるより線とは、第2種亜鉛めっき鋼より線(→4-1表)又はこれと同等以上の耐食性のある金属線を意味しているのであるから、断面積38mm2以上の第2種亜鉛めっき鋼より線も使用することができる(→解説215.1図)。
交流の架空電車線路と立体交差している陸橋の上に施設する架空弱電流電線等は、本条の適用は受けないが、架空弱電流電線等の陸橋の張り出し幅は第100条第9項第七号の規定に準じることが望ましい。
なお本条は、第2条に該当する電車線及びレールについては、鉄道営業法、軌道法又は鉄道事業法の相当規定に定めるところによることとして適用除外されている。しかし、工場内の試験用交流電車線などでは適用される。
三相交流低圧の新交通システムでは、架空弱電流電線等には通常通信ケーブルが用いられているので、ほとんどの場合離隔距離は0.3m(→76-1表)以上保てばよく、実態上ほとんど問題ないと考えられる。
解説215.1図