電気設備の技術基準の解釈の解説
第207条(直流架空電車線等と架空弱電流電線等との接近又は交差)
経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.299
〔解 説〕 本条は、電車線が他の工作物に対して障害を及ぼさないようにするための規定である。電車線も低高圧架空電線や特殊場所の低高圧配線と同じように建造物等やその他の工作物(→第71条から第78条)と相対関係を有するものであるから、これらに準じて施設し、これらの条項をそのまま準用すればよいわけであるが、電車線は架空電線に比べるとその構造上から接近又は交差のケースが自ずから限定されてくるので、本条では、これら不必要なケースを除いて実際起こり得る必要なケースのみについて規定している。
実際起こり得るケースとして本条に規定されている事項は、対象を架空弱電流電線等のみとし、しかも架空弱電流電線等が電車線の上方で接近し、又は上で交差する場合についての障害防止施設に限定している。したがって、電車線路の支持物等の強度の規定はなく{き電線と電車線とが支持物を共用するときは、その支持物は電車線路のものであり、同時に、き電線路のものであるから、当然、き電線路(第71条から第78条等に規定する架空電線路に含まれる。)の支持物としての制限を受ける。}、また、常態における離隔距離の規定もなく(接近するときは懸念するような距離に近づくことはなく、交差するときは電線とも交差することになるので、実際には支障はない。)、全て事故時における混触防止(光ファイバケーブルの場合にはちょう架線に電気が侵入することの防止)について規定している。
第一号は接近する場合及び45°以下の水平角度で交差する場合の規定で、イは水平・垂直距離を、ロは線種を示している。ハは垂直距離6m以上の場合の線種を示している。従前は架空弱電流電線の太さを規制していたが、現在は引張強さが所定以上あれば直径に対する規制はない。ニは、H9解釈で保護網保護線を削除{近年設備がないため(→旧省令第262条の2、第262条の3)}したことに伴って6mの離隔が必要になる。ただし、交流式電気鉄道の上部横断の条件(→第215条第2項)と同一の施工方法を行えば2mとすることができる。
なお、電車線又はその支持物と低圧、高圧及び特別高圧架空電線との離隔距離については、それぞれ第75条、第100条及び第106条に規定されているので、それらを参照する必要がある。また、特に明記しない限り「弱電流電線等」には、電力保安通信用添架電話線も含まれるが、実際の運用に当たっては、特別高圧電線路に添架するものは高圧線並みと考えて、第137条に準じて施設すればよい。
なお本条は、第2条に該当する専用敷地内に施設された電気設備については、鉄道営業法、軌道法又は鉄道事業法の相当規定に定めるところによることとして適用除外されている。