電気設備の技術基準の解釈の解説

第179条(トンネル等の電気設備の施設)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.258–259

第1項

〔解 説〕 第1項は、常時人が通行するトンネル(人の通行を目的としたトンネル)内の配線について規定している。
第一号では、常時人が通行するトンネルでは、人や家畜に対する感電の危険を防止するため、使用場所の工事としては、使用電圧を低圧のみに限定している。第二号では、トンネル内は湿気及び水気等が多いので、合成樹脂管工事(防湿装置を施すこと。)、金属管工事(防湿装置を施すこと。)及びケーブル工事により施設することとしている。がいし引き工事の場合は、電線に人が触れるおそれがないようにするため、これを路面上2.5m以上の高さに保持することを示している。
第三号は、この種のトンネルは、特に人や家畜との関係が深いので、トンネル内の事故発生に備えるとともに、保守点検が容易に行えるようにトンネル入口に専用の開閉器を設置することを示している。

第2項

第2項は、鉱山その他の坑道内の配線について規定している。鉱山等で昭和24年8月より施行された鉱山保安法の適用を受ける電気工作物(昭和24.8.26─通商産業省告示第53号)は、この解釈の適用を受けるが、鉱山保安法に基づく取締り規制(この解釈の規定を準用しているものが多い。)の適用も受ける。
鉱山その他の坑道は、前項で述べたトンネル等よりもはるかに小さく、場所が狭いから配線を安全な箇所に施設することは一般に困難とされる。また、坑道内はかなり水気、湿気も多く、充電部分に接触するととても危険である。したがって、坑道内等では、原則として電線自身が丈夫な外装を有し、かつ、耐湿性を有するものを使用することとしている。
第二号は、低圧配線は、屋内の低圧ケーブル工事(→及び第2項)に準じて施設することを原則としている(に規定する建造物の電気配線用パイプシャフト内にケーブルを垂直につり下げて施設する方法は準用できない。)。しかし、ロで使用電圧が300V以下であって、石又は坑木等と接触しないようにがいし引き工事により施設できる場合は、太さ1.6mm以上の絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線、引込用ビニル絶縁電線及び引込用ポリエチレン絶縁電線は使用できない。)の使用も認めている。
第三号は、高圧配線は、屋内の高圧ケーブル工事(→第三号)に準じて施設することを規定している。
なお、前号と同様、の準用に係る部分は除かれている。
第四号は、坑道内の事故発生に備えるとともに、保守点検が容易に行えるようにするため、坑道入口で電路の開閉ができるよう開閉器の設置を規定している。
なお、鉱山その他の坑道内には鉱石の種類や取り扱う品物によって爆発性のガス又は微粉の発生するおそれがある場所があるので、このような所には、それぞれ屋内の特殊場所の工事方法に準じて施設し、危険のおそれがないようにする必要がある。

第3項

第3項は、トンネル等に施設する高圧の配線と他の高圧の配線等が接近又は交差する場合について規定している。トンネルや坑道内では、狭い場所に他の配線、水管(排水用など)、空気管(排気用など)、通信ケーブル、ガス管等多くの金属体が存在するので、電線はこれらのものに漏電の危険を及ぼさないように施設する必要がある。この場合における相互の離隔距離は、それぞれ屋内配線に準じる必要がある。鉄道営業法、軌道法又は鉄道事業法の適用を受ける、いわゆる鉄道又は軌道専用のトンネル内については、本項の適用が除かれている(→解説)。
高圧の場合には、の規定に準じて施設することとし、ケーブル工事のときは、実際問題として狭い坑道内等で一定の離隔距離をとることは困難であり、工事上やむを得ない場合が多いので、直接接触しなければよいこととしている。しかし、できる限り離隔距離をとることが望ましい。
なお、低圧の場合には、の規定により施設することとなる。この場合、ケーブル工事の場合であっても、他の金属管に接触して施設することは好ましくないから、できる限り避けるべきである。

第4項

第4項は、トンネル等に施設する低圧の電球線等について規定している。トンネルや坑道内は一般に高温多湿であるので、電球線又は移動電線は、防湿構造のものとする必要がある。なお、トンネル等に施設する高圧の移動電線はの規定により施設することとなる。
第一号及び第二号は、及びの湿気の多い場所又は水気のある場所の工事に準じて施設することを規定している。キャブタイヤケーブルは摩耗に対し比較的強いので、岩石上を引き回すような場合に適している。なお、では、使用電圧が300Vを超える低圧の移動電線には、キャブタイヤケーブル(1種キャブタイヤケーブル、ビニルキャブタイヤケーブル及び耐燃性ポリオレフィンキャブタイヤケーブルを除く。)で断面積が0.75mm2以上の太さのものを使用することが規定されている。
第三号は、鉱山の坑内等では特に外傷を受けるおそれがあるので、このような場合には、に規定されている金属可とう電線管に収め、又は強じんな編組で覆うことを規定している(→)。
なお、トンネル等では特別高圧の移動電線の施設を禁止している(→)。

公式資料該当頁: p.258–259

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

※ 本ページは公式資料そのものではありません。