電気設備の技術基準の解釈の解説

第160条(金属可とう電線管工事)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.221–222

〔解 説〕 金属可とう電線管工事は、工場等において電動機へ配線する場合又は建物のエキスパンション部分等に配線する場合に採用される工事方法である。可とう電線管には1種金属製可とう電線管(フレキシブルコンジットと呼ばれている。)と2種金属製可とう電線管(プリカチューブと呼ばれている。)があり、そのうち1種金属製可とう電線管は外的衝撃や荷重に対してはあまり丈夫でないので、倉庫等における重量物の圧力がかかるおそれがある箇所又は通路の付近等のように機械的衝撃を受けるおそれがある箇所には施設しないこととしている。

第1項

第1項は、配線の施設方法についての規定である。
第一号は、使用電線に関する規定であるが、第一号の場合と同様である。また、第二号及び第三号についてもそれぞれ第二号及び第三号と同様なので、説明は省略する。

第2項

第2項は、金属可とう電線管の仕様について定めている。可とう電線管には、金属製のものでは1種金属製可とう電線管、2種金属製可とう電線管等があり、非金属製のものではポリエチレン製のものがあるが、後者は合成樹脂管工事として取り扱っているので(→解説)、本項では金属製のもののみの使用を認めている。第一号は、電気用品安全法の適用を受けるものを使用することを示している。これは、金属可とう電線管及びその附属品(レジューサーを除く。)
は電気用品安全法の適用を受けるものであり、電気用品安全法により、電線管以外の用途を目的として作られたものについては使用を禁止されているためである。
第二号は、可とう電線管工事に2種金属製可とう電線管を使用する場合は、施設場所及び使用電圧に制限を受けないが、1種金属製可とう電線管を使用する場合は、施設場所が乾燥した場所であって、展開した場所又は点検できる隠ぺい場所に限られ、さらに、使用電圧が300Vを超える場合は電動機に接続する部分で可とう性を必要とする部分に限られている。
2種金属製可とう電線管は、1種金属製可とう電線管に比べ、機械的強度及び耐水性能が優れているので、隠ぺい工事(コンクリート内の埋め込み配線等)として使用することが認められている。
ハは、1種金属製可とう電線管については、外傷に対する機械的な強度、可とう性及び導電性を考慮して、0.8mm以上の軟鋼片を使用することとしている。この材料を使用してできるだけ堅ろうに製作すべきことは当然のことであるが、実際には解説160.1図のように帯鋼を波型に加工して巻き付けて作るため、薄い材料を使用するにもかかわらず、比較的堅ろうな構造とすることができる。
解説160.1図
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電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈によると、最小径の最小の条片の厚さは0.5mmであるが、これは機械器具内等の一般屋内配線以外の用途に使用するものを対象としたものであって、屋内配線の可とう電線管工事には使用できないものである。
また、2種金属製可とう電線管については、最小のもの(内径10mm)で厚さ0.14mmの鉛めっきを施した鋼(外層)と厚さ0.11mmの鋼(中間層)及び0.11mmの非金属の条片(内層)を三重に組み合わせたもの(→解説160.2図)で、一つ一つの条片の厚さは薄いが、構成されたものは十分に堅ろうなものであり、外径の3倍の曲率半径で屈曲させ、屈曲部を水中に48時間浸しても管内に水が浸入しないだけの耐水性を有するものである。
解説160.2図
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第三号は、金属可とう電線管として必要な性能であるが、内面は構造上本質的に凹凸をもっているが、普通に仕上げられているならば電線の被覆を損傷することはなく、十分滑らかであると考えて差し支えない。

第3項

第3項は、金属可とう電線管の施設方法についての規定である。
第二号は、金属可とう電線管工事は、電線を保護する目的で管路を構成するものであるから、管相互や管とボックス等の接続が緩むことによって電線を損傷しないように接続の堅ろうさを求めることと、金属体相互が電気的に接続されないと接地の効果に支障があるため、電気的接続の完全さを求めるものである。途中で接続を要する場合は、金属可とう電線管用カップリングを使用して機械的に堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続する必要がある。
第三号は、電線を引き出す部分の電線の損傷防止について定めたものであり、端口には金属可とう電線管用ブッシングを使用して、電線の被覆を損傷することのないように施設することとしている。
第四号は、2種金属製可とう電線管の防湿装置についての規定であり、第三号と同様の理由で定められたものである。なお、1種金属製可とう電線管は、第2項第二号において、乾燥した場所で使用することとしている。
第五号は、金属可とう電線管のうち1種金属製可とう電線管については、金属管に比べて電気抵抗が大きく、かつ、屈曲等による電気抵抗の変化も著しく、漏電等の際に接地効果を減少させる又は過熱するなどのおそれがあるので、これを防止するため、可とう電線管の外面又は内面に裸銅線を添加又は挿入して、これと電気的に接続することを定めている。この効果を確実にするため、その両端においては、可とう電線管と裸銅線とをろう付け等で完全に接続するように定められているが、途中の部分においてもできるだけ良く接続するようにすべきである。このため内面に挿入する場合はやむを得ないとしても、外面に添わせる場合は、可とう電線管をサドル等で固定するときに、裸銅線も一緒に留めるようにすべきである。長さが短い場合は、金属可とう電線管自体の電気抵抗が小さいので、接地を施す場合でも、裸電線を挿入又は添加する必要はない。
第六号は、第四号と同様の理由で定められた規定である。
第七号は、使用電圧が300Vを超える低圧屋内配線に金属可とう電線管を使用する場合は、原則としてC種接地工事を施すこととし、接触防護措置を施す場合は、D種接地工事によることができることとしている。

公式資料該当頁: p.221–222

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

※ 本ページは公式資料そのものではありません。