電気設備の技術基準の解釈の解説
第167条(低圧配線と弱電流電線等又は管との接近又は交差)
経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.233–234
〔解 説〕 屋内、屋側、屋外又はトンネル若しくは坑道その他これらに類する場所に施設する低圧配線等の周囲には、電話線、水道管、ガス管、空気管又は蒸気管などの金属体が広範囲に施設されているが、これらに漏電した場合は種々の障害を引き起こすことになる。これを防止するためには、低圧配線とこれらのものとを離して施設するのが最も確実で簡便な方法である。このため本条では、低圧配線とこれらのものとの離隔距離を示している。
ここで種々の障害としては、例えば、電話線と混触した場合は、電話機器を損傷し、又は電話回路からの感電、漏電が容易に起こる。また、水道管、ガス管等と混触した場合は、これらが大地と良好な接続状態を保っているので、変圧器の電圧側→屋内配線→水道管(又はガス管)を通って変圧器のB種接地工事の接地極へと循環電流が流れ、したがって接地極付近に電位傾度が現われて家畜等の感電を起こすおそれがある。なお、循環電流がガス管を通る場合には、ガス管との接触部における火花放電により、ガス管に穴をあけ、ガスに引火して大事に至ること等がある。
第1項
第1項は、がいし引き工事による場合は、危険度が高いので、低圧配線の電線と弱電流電線等又は管若しくはこれらに類するものとの離隔距離は、原則として10cm以上とすることとしている。また、裸電線を使用する場合は30cm以上とすることとしているが、相互の間に絶縁性の隔壁を設け、又は電線を十分な長さの絶縁管(→第145条)に収める場合は、この規制の適用の例外としている(→解説167.1図)。
解説167.1図
第2項
第2項は、低圧配線が合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、金属線ぴ工事、金属ダクト工事、バスダクト工事、ケーブル工事、フロアダクト工事、セルラダクト工事、ライティングダクト工事又は平形保護層工事により施設されている場合で、電線そのものは損傷を受ける危険が少ないので、弱電流電線又は水管等と直接接触しなければよいわけであるが、実際の施工に当たっては、できるだけ離すことが望ましい。光ファイバケーブルであって、金属製の保護管に収めていない場合又は金属製のもので防護措置を施していない場合には、それ自体絶縁物であるため接触することを認めている。なお、本項の規定は、ケーブル工事において同一のケーブル又はキャブタイヤケーブル内の線心の一部を低圧屋内配線に使用し、一部を弱電流電線に使用することを妨げるものではないが、第8条及び第9条の規定によりケーブル又はキャブタイヤケーブルには低圧用のケーブル又はキャブタイヤケーブルを使用する必要があり、したがって弱電流電線用の線心も低圧屋内配線用の線心と同じ絶縁効力を有するものとする必要があるわけで、この場合の考え方は、第3項第二号イの考え方と同様である。
なお、平形保護層工事において、弱電流電線と交差する場合は、原則として電線を弱電流電線の下とすることが望ましいが、やむを得ず、弱電流電線の上に施設するときは、上部接地用保護層と同じものを相互の間に入れ、これを接地する施設方法がとられている。また、弱電流電線に保護層があれば、直接接触したことにはならない(→第165条解説)。
第3項
第3項は、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、金属線ぴ工事、金属ダクト工事、フロアダクト工事又はセルラダクト工事により低圧配線を施設する場合において、低圧配線と弱電流電線とを一緒に、同一の管、線ぴ若しくはダクト又はこれらの附属品、更にはプルボックスの中に収めて施設してよい場合について規定している。元来、強電流電線と弱電流電線とを一緒に施設することは混触の危険が大きくなるので禁止されているが、一緒に施設することが必要な場合もあるので、保安上の対策をとった場合は例外とされている。
第一号イ及びロは、相互間に隔壁を設け、かつ、ダクト等の金属製部分にC種接地工事を施すことを規定している。すなわち、直接の混触を避け、ダクト等の金属製部分を通しての混触については、接地工事により危険のないようにする方法である。
第二号イは、弱電流電線にも強電流電線並みの絶縁効力のあるもの(600Vゴム絶縁電線、600Vビニル絶縁電線、高圧絶縁電線、特別高圧絶縁電線、キャブタイヤケーブル又は低圧用ケーブル)を使用し、直接混触する危険性を少なくするとともに、低圧配線と弱電流電線とをとり違えて事故を生じる危険のないように電線の色分けその他容易に見分けられるような方法で、低圧配線と弱電流電線とを区別できるようにする方法である。ただし、この場合、あらゆる弱電流電線について認めているのではなく、リモコンスイッチ用の弱電流電線又は保護リレー用の弱電流電線等の「制御回路等」の弱電流電線に限られる。また、バスダクト工事のダクト内については導体が裸であるので認められない。
ロは、弱電流電線に金属製の電気的遮へい層を有する通信用ケーブルを使用し、その遮へい層にC種接地工事を施すことにより、直接の混触を避け、危険のないようにする方法である。