電気設備の技術基準の解釈の解説

第145条(メタルラス張り等の木造造営物における施設)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.198–199

〔解 説〕 木造建築物でメタルラス(鉄板を加工して網状としたもので、壁面仕上げの下地として用いられる。)、ワイヤラス(鉄線を加工して網状としたもので、壁面仕上げの下地として用いられる。)、金属板(主として亜鉛めっき鉄板又はアルミ板等で、屋内の壁若しくは天井又は屋外の壁若しくは屋根仕上げ材として用いられる。)張りのものがあり、これに合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、金属線ぴ工事、金属ダクト工事、バスダクト工事、ライティングダクト工事又はケーブル工事で低圧配線を施設する例が極めて多く、この場合、金属管等の配線材料の金属製部分、ケーブルの金属被覆等とメタルラス、ワイヤラス又は金属板とが直接接触し又はボックスその他の附属品若しくはプルボックス等を取り付けるねじとメタルラス等とが接触していると(→解説145.1図)、漏電が起こった場合に柱上変圧器のB種接地工事の接地点を通じて地絡電流がメタルラス等を通ることになり、これにより火災を起こした実例がある。
また、がいし引き工事でも、一度工事をすると半永久的にそのままとなり、長い年月の間には造営材が老朽化し、その間地震又は台風等による振動、衝撃又は雨漏りが原因で造営材が破損し、メタルラス、ワイヤラス等が露出しこれに配線が接触して前述と同様に地絡電流が流れ、火災が発生することがある。本条は、これらを防止するために規定された条項であり、その防止方法は、地絡電流がメタルラス等に流入することのないようにすることである。
解説145.1図
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第1項

第1項は、がいし引き工事により配線を施設する場合の工事方法を規定している。
第一号は、メタルラス張り、ワイヤラス張り又は金属板張りの木造造営物にがいし引き工事により低圧又は高圧の配線を施設する場合は、造営材の破損、がいしのバインド線の脱落等が原因で、露出したメタルラス、ワイヤラス等と接触して漏電事故となるおそれがあるので、これを防止するため、低高圧配線を施設する部分のメタルラス、ワイヤラス又は金属板の上面を木板、合成樹脂板等で覆い、電線がこれらに直接接触しないように施設することを規定している。
この場合、低高圧配線の直下にあるメタルラス、ワイヤラス又は金属板はもちろんのこと、その配線の側面及び上方にあるものも規制の対象となるので注意を要する。
第二号は、メタルラス張り、ワイヤラス張り又は金属板張りを貫通するがいし引き工事の電線は、絶縁管が破損し、電線の被覆が劣化すると、造営材が金属製であるため接触した場合の漏えい電流が大きくなり、危険であることから、堅ろうな絶縁管(例えば、陶磁器製のもの又は硬質ビニル製のものならば合成樹脂製電線管並みのもの)等を使用することを規定している。
なお、この絶縁管の材質、構造の「難燃性及び耐水性のある堅ろうな絶縁管」とは、陶磁器製、特殊ガラス製、硬質ビニル製等であることを意味し、木、竹、ゴム及びファイバー等で製作したものは使用できない。

第2項

第2項は、合成樹脂管工事、金属管工事及び金属線ぴ工事等の工事により屋内配線、屋側配線又は屋外配線を施設する場合の工事方法を規定している。
第一号は、電線の被覆が損傷した場合、1次的に充電されるおそれがある金属部分がイからヘまでにそれぞれ示されており、これらのものとメタルラス等とは前述の目的を達成するため電気的に接続されないようにすることを定めている。
例えば、金属管等とメタルラス等との間に木板を取り付ける方法(漆喰壁でメタルラス等が覆われている場合は、差し支えない。)、サドルで取り付ける部分の金属管等にビニルテープ若しくはガラス繊維テープ等を巻きつける方法又は金属管等を取り付ける箇所のメタルラス等をあらかじめ十分切り抜いておく方法等がある。
一般にこの解釈では、金属管工事における接地工事の施工などについては、短小な金属管を施設する場合で感電等の危険が少ないと考えられるときは、接地工事を省略することが認められているが、本条におけるメタルラス等と金属管等との絶縁については、短小な金属管等を施設する場合においても、本条の規定による施工方法の省略は認められていない。
第二号は、金属管等の工事によってメタルラス張りの造営材を貫通する場合には、特に漏電事故を起こすおそれが多いので、その工事方法について明確に規定している。

第3項

第3項は、屋内、屋側又は屋外において、木造の造営物に張られたメタルラス、ワイヤラス又は金属板と機械器具の金属製部分とが接触していると、機器の絶縁が劣化した場合にメタルラス、ワイヤラス又は金属板等に通電し、そのために火災等を起こすおそれがあるので、このような危険を防止するため、相互に接触しないように施設することとしている。

公式資料該当頁: p.198–199

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

※ 本ページは公式資料そのものではありません。