電気設備の技術基準の解釈の解説
第8条(キャブタイヤケーブル)
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第1項
〔解 説〕 本条は、キャブタイヤケーブルに求められる性能及び具体的な規格を示している。規格については、本条第2項と同時に、第3条も満足する必要がある。電気用品安全法との関係は、第5条解説に示したとおりである。
キャブタイヤケーブルは、主として鉱山、工場、農場等で使用される移動用電気機器及びこれに類する用途に使用される機械器具に接続されるもので、耐摩耗性、耐衝撃性、耐屈曲性に優れており、また、耐水性を有している。低圧用のキャブタイヤケーブルの種類は、外装の絶縁物の種類によって次の4種類があり、多心のものについては、その構造によって1種から4種までに分類される。(→解説8.1図)。
解説8.1図
a.キャブタイヤケーブル(電気用品安全法の適用範囲のものに限られており、外装が天然ゴム混合物のもので、1種から4種まである。)
b.クロロプレンキャブタイヤケーブル(外装がクロロプレンゴム混合物のもので、2種から4種まである。)
c.クロロスルホン化ポリエチレンキャブタイヤケーブル(外装がクロロスルホン化ポリエチレンゴム混合物のものであり、2種から4種までのものがある。)
d.耐燃性エチレンゴムキャブタイヤケーブル(外装が耐燃性エチレンゴム混合物のもので、2種及び3種がある。)
e.ビニルキャブタイヤケーブル(外装がビニル混合物のもの)
f.耐燃性ポリオレフィンキャブタイヤケーブル(外装が耐燃性ポリオレフィン混合物のもの)
このうち、1種キャブタイヤケーブルは、コードに準ずる程度の性能であって、軽易な用途に使用されるが、この解釈では屋外及び屋側の移動電線として1種キャブタイヤケーブルを使用することは認めていない。
2種キャブタイヤケーブル及び2種クロロプレンキャブタイヤケーブルは、1種と同一構造でキャブタイヤゴム質がよいものである。ビニルキャブタイヤケーブルは、2種キャブタイヤケーブルと同格の扱いであるが、同時にビニルコードと同一の使用上の制限を受ける。
3種キャブタイヤケーブル及び3種クロロプレンキャブタイヤケーブルは、キャブタイヤゴム被覆中に綿帆布補強のある丈夫なものであり、4種キャブタイヤケーブル及び4種クロロプレンキャブタイヤケーブルは、キャブタイヤゴム被覆中に綿布補強があり、さらに線心間にもゴム座床のあるきわめて丈夫なものである。そのため、水上電線路や坑道内の配線等、特に機械的強度の要求されるところに使用するキャブタイヤケーブルは、3種及び4種に限られている(→第127条、第179条)。
クロロスルホン化ポリエチレンキャブタイヤケーブルは、クロロプレンキャブタイヤケーブルとほぼ同様の性状を有するものであるが、更にこれに比べて特に耐熱性に優れるものであり、その種類には、2種、3種及び4種がある。
耐燃性エチレンゴムキャブタイヤケーブル及び耐燃性ポリオレフィンキャブタイヤケーブルは、H20解釈で新たに追加したものである。一般にEM(エコマテリアル)キャブタイヤケーブルと呼ばれており、環境に配慮し、外装及び絶縁体の材料に鉛やハロゲン元素等を含有していない電線である。耐燃性エチレンゴムキャブタイヤケーブルは、クロロプレンキャブタイヤケーブルと、耐燃性ポリオレフィンキャブタイヤケーブルは、ビニルキャブタイヤケーブルと、それぞれ同等の性能を有するものと位置づけている。
高圧用のキャブタイヤケーブルの線心構造は、解説8.1図のような2種と3種の構造のものとなる。低圧用の4種クロロプレンキャブタイヤケーブルのように線心間にゴム座床を設けたものであっても、本条の規格に適合すれば使用することができる。
高圧用の3種クロロプレンキャブタイヤケーブルは、一般に鉱山の電気パワーショベルや大型の走行クレーンなどの電源用として使用され、その使用状態が過酷であることから、線心の絶縁体はブチルゴム混合物又はエチレンプロピレンゴム混合物に限られ、各線心の絶縁体の上には半導電層を設け、更にその上に軟銅テープ又は軟銅線編組を巻き、線間短絡が生じないような構造をしている。外装は耐候性、耐オゾン性、機械的強度等に優れたクロロプレンゴム混合物又はクロロスルホン化ポリエチレンゴム混合物に限られ、その構造は低圧用の3種クロロプレンキャブタイヤケーブルと同様に、キャブタイヤゴム被覆中に綿帆布補強層のあるものである。高電圧になると、静電誘導により人体に危険を及ぼすので、これを防止するため、更にケーブル内の電圧を一様にして絶縁物の劣化を防止するため、遮へい層を設ける必要がある。
S47基準では、外装の厚さを全面的に改正した。これは従来の使用実績と保安上の全体的なバランスを考慮したとき、キャブタイヤケーブルの線心が太くなるに従ってその外装の厚さが極度に厚くなり、その可とう性が損なわれること、ガントリークレーンなどで太いものが使用されるようになったことを背景として、線心の直径が大きいものは、外装の厚さを薄くした。一方、線心の直径が小さいものは、その使用条件の過酷さを加味して、ケーブルに比べて強化した。
なお、S47基準では、鉱山などで使用実績の多い1,000V級の高圧用キャブタイヤケーブルの規格を設けた。すなわち、使用電圧が1,500V以下のものに限り遮へいについて接地線兼用の構造のものを認め、さらに絶縁体及び外装の厚さ、試験電圧なども区別した。
第1項各号では、キャブタイヤケーブルのうち、電気用品安全法の適用を受けるキャブタイヤケーブルの範囲に入らないもの、すなわち定格電圧が100V未満のもの、600Vを超えるもの、導体の公称断面積が100mm2を超えるもの及び線心数が7本を超えるものについて定めている。
第一号は、第5条第1項第一号と同様の趣旨で、電線の熱的性能を定めている。
第二号、第三号は、キャブタイヤケーブルの基本構造を定めている。
第四号では、まずイで、その外装の強度により、ビニルキャブタイヤ、耐燃性ポリオレフィンキャブタイヤ、2種、3種、4種の種類分けをしている。イの外装における引張強度及び伸びの試験は、R7解釈より、民間規格評価機関として日本電気技術規格委員会に承認された規格リストと関連づけられ、当該機関の公開ページに掲載されている。詳細は第5条第2項第二号イの解説を参照されたい。外装の強度は、「これと同等以上の機械的強度を有するもの」と規定しているとおり、機械的強度性能を示したものであり特定の材料種に限定するものではない。ロでは、3種及び4種キャブタイヤケーブルには外装中間に補強層を設けることを規定しているが、この補強層についても厚さ1mm以上の綿帆布を基準とした強度性能を示したものである。
第五号は、イ及びロで完成品の絶縁性能を、ハでキャブタイヤケーブル特有の性能として外装の耐摩耗性能をそれぞれ示している。なお、ハにおける性能は、R7解釈より、民間規格評価機関として日本電気技術規格委員会に承認された規格リストと関連づけられ、当該機関の公開ページに掲載されている。従前は電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈(20130605商局第3号)別表第一1(7) (キャブタイヤケーブル)を引用していたが、令和6年5月31日に電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈の改正により、同解釈別表第十二が引用する日本産業規格JIS C 3010(2019)「電線及び電気温床線の安全に関する要求事項」の附属書AF(キャブタイヤケーブル)に移行したため、内容の妥当性を確認した後、
JIS C 3010(2019)の附属書AFと関連付けを行った。
第2項
第2項は、第1項に示すキャブタイヤケーブルの性能を満足する規格規定である。本項各号のほか、同時に第3条も満足する必要がある。