電気設備の技術基準の解釈の解説
第61条(支線の施設方法及び支柱による代用)
経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.110–111
第1項
第1項第一号では、支線の引張強さは10.7kN以上であることとしている。これは、支線の強度は、安全率を2.5以上(第1項第二号)とし、かつ、最低4.31kNの引張強さ(第4条による引張強さを安全率で除した値)を有することとしているためである。すなわち、単位面積当たりの引張強さが0.34kN/mm2の鉄線では、直径4mmのもの3本(0.34×π×22×3=12.82kN)が必要となる。
第二号は、支線の安全率は原則として2.5以上であることを規定している。しかし、第62条及び第70条第3項により施設するものは、電線路の径間差、水平角度、引留めなどによる不平均張力を全て支線に受け持たせることが示されているが支持物自体の不平均張力の分担は考慮されていない。このような場合安全率を2.5とすることは、実際に支線が分担している荷重に対しては厳しすぎることから安全率を1.5まで下げている。
第三号は、支線をより線とした場合に必要な要件を示している。より線を使用する場合は、可とう性を考慮して3条以上の素線をより合わせたもので構成し、素線には外傷や腐食を考慮して、直径が2mm以上で単位面積当たり引張強さ0.69kN/mm2以上の金属線を使用することとしている。
第四号では、支線のうち長さ30cm程度の地際部分及び地中に埋設される部分は、特に腐食しやすいことから、耐食性のあるもの又は、亜鉛めっきを施した鉄棒・鋼より線等を使用することとしている。なお、木柱は、鉄筋コンクリート柱又は鉄柱に比べればそれ自体の耐用年数が短いので、特に鉄棒の使用は強制されていないが、この場合でも地際の部分及び地中に埋没する部分は5mm以上の太い素線を使用することが望ましい。
第五号では、支線の根かせには、鉄筋コンクリート製のもの若しくは石材等又は丸太を使用する場合もあるが、通常は打込みアンカーを用いることが多い。根かせの施設に当たっては、土壌の引揚力に抵抗する有効角度の性質等(→第58条解説)を考慮し、支線の引張荷重に十分耐えるようにすることが必要であり、一般に地下1~2m程度の深さに埋設される(→解説61.1図)。
解説61.1図 解説61.2図
第2項
第2項は、道路を横断する支線の路面上の高さを示しており、道路法の規定と整合させている。
第3項
第3項では、支線が低高圧架空電線と接触して支線に漏電することによって生じる感電や支線の地際付近の大地の電位傾度の過大による危険(→第19条解説)を生じるおそれがある場合には、上部に玉がいし等を挿入し電気的に絶縁することを示している(→解説61.2図)。低圧架空電線路の場合は、一律に玉がいしの挿入を要求すると、著しく施設箇所が増えることになるので、特に危険性が高く事故例の比較的多い「水田その他の湿地」に施設するものを対象としている。
第4項
第4項では、土地の状況によっては支柱を施設する方が都合のよい場合があるので、支線と同等以上の効力のあるような支柱を施設してもよいことを示している。