電気設備の技術基準の解釈の解説

第63条(架空電線路の径間の制限)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.112–113

〔解 説〕 本条は、高圧又は特別高圧の架空電線路の径間の制限を規定したものである。

第1項

第1項では、支持物の種類ごとにとり得る最大径間について原則を示している。長径間工事以外の箇所の最大径間の値として、木柱の場合150mとしたのは、木柱の標準径間は大略100~200m程度まであり、木柱と同じように施設するA種柱についてもこれに準じたものである(保安工事の場合の制限は100m、)。B種の鉄筋コンクリート柱又は鉄柱では、標準径間が200m程度までであることを考慮して250m(保安工事の場合の制限は150m、)を限度としたものである。鉄塔の径間は、日本電気技術規格委員会規格 JESC E2003(1998)「特別高圧架空電線路の径間の制限」を反映し、H10解釈より170,000V未満と170,000V以上の送電線に分類し、それぞれの標準径間300m、400mの2倍の値としている。

第2項

第2項では、径間が100mを超える場合は、高圧架空電線については、この解釈を通じて、一応切断することはないものとみなしている引張強さ8.01kN以上のもの又は直径5mm以上の硬銅線(解説)を使用し、木柱については、特に安全率を高くし、2.0以上とすべきことを示している(→解説59.1表)。

第3項

第3項は、長径間工事をする場合の特例で、第一号は高圧架空電線、第二号は特別高圧架空電線の引張強さ又は断面積を規定するものであって、支持物ごとの工事方法を第三号及び第四号により強化することによって、径間を延長することができることを示している。
なお、支持物の長径間箇所はできるだけ少なくすべきであるという観点から、従来その施設箇所を川越えや谷越え等単に施設箇所から制限を加えていたが、S47基準で、この省令の保安上の最低基準という立法趣旨と最近の電線路の用地取得難等を考慮して川越え・谷越えに限らず技術的・経済的に長径間とせざるを得ない箇所にも、高圧の場合には8.71kN以上のもの又は断面積22mm2以上の硬銅より線、特別高圧の場合には引張強さ21.67kN以上のより線又は断面積55mm2以上の硬銅より線を使用すればこれを認めることとした。
第三号イは、長径間工事における木柱及びA種柱の支線の施設方法を示したものであるが、所定の強さの支線()を線路方向に支持物の両側に施設することを示している。支線を線路方向の両側に設けるのは、水平縦分力の不平均張力を考慮したものである。第62条第一号の電線路の直線部分の支線は、温度変化あるいは着氷雪により生じる不平均張力による水平力に耐えればよいが、ここでは、各架渉線の想定最大張力の1/3に等しい不平均張力による水平力に耐えることとしている。したがって、一般に本号に適合する支線を施設した場合は、第62条第一号の径間差の大きい箇所の支線を兼ねることができる。
ロは、長径間工事におけるB種の鉄筋コンクリート柱又は鉄柱について規定したもので、耐張型の支持物若しくはこれと同等以上の強度を有する型式のものを使用する、又は線路方向の両側に支線を施設することを示している。この場合の径間は、500m以下としており、500mを超える長径間箇所の場合は鉄塔を使用することになる。なお、特に重要な電線路では、500m以下の径間であっても鉄塔によることが望ましい。
ハは、イ又はロについて、土地の状況その他により、その箇所に施設することが困難な場合は、原則として隣接箇所に施設し、更にやむを得ない場合は、長径間工事箇所から2径間離れた場所に施設することとしている(→解説63.1図)。
解説63.1図
解説63.1図タップで拡大
第四号は、鉄塔を用いて長径間工事をする場合の特例である。
イは、長径間工事区間の両端に耐張型の鉄塔を使用することを規定している(→解説63.1図)。
ロは、イについて、土地の状況その他により、その箇所に耐張型の鉄塔を施設することが困難な場合には、1径間又は2径間離れた場所に施設することとしている。

公式資料該当頁: p.112–113

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

※ 本ページは公式資料そのものではありません。