安全施工技術指針

第15章第1節(一般事項)

土木工事安全施工技術指針

掲載版 令和8年3月このページ 

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第1節 一般事項
1. 適用
本章は,トンネル工事のうち,NATM工法によるトンネル工事及び在来工法によるトンネル工事に適用する。
2. 工事内容の把握
およびに準ずること。
3. 事前調査における共通事項
に準ずること。
4. 事前調査における留意事項
(1) 複雑な地質構造や高い地下水位などの現場条件から,安全性に対するリスクを可能な限り把握し,低減するよう努めること。そのため,山岳トンネル工事を行うにあたって,落盤,異常出水,ガス爆発等による危険等を防止するため,次の事項について,地表面の現地踏査,ボーリング,弾性波探査等適切な方法により事前調査し,その結果を整理,記録しておくこと。
根拠: 福岡地下鉄七隈線延伸工事現場における道路陥没に関する委員会報告書
根拠: 安衛則379
根拠: 「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン」厚生労働省通達基発0326第1号(R6.3.26)
① 岩
② 地山の状態(岩質,水・地下水による影響,不連続面の間隔等)
③ ボーリングコアの状態
④ 弾性波速度
⑤ 地山強度比
⑥ 可燃性ガス,有害ガス等の有無および状態
(2)施工の安全に重大な影響を及ぼす地山条件が予測される場合は,接近した地点から調査ボーリング等を行って状態を確認すること。
(3)可燃性ガスに関する事項については,に準ずること。
5. 施工計画
(1)に準ずること。
(2)有毒ガス,可燃性ガス,地熱,酸素欠乏,防火等の対策及び緊急時対策等を含めた防災計画を定め,遵守事項は安全教育等により全作業員に周知を図ること。
(3)肌落ち防止計画を策定すること。以下の事項を含むこと。
根拠: 「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン」厚生労働省通達基発0326第1号(R6.3.26)
① 肌落ち災害防止対策4(1)の地山の事前調査結果に適応した具体的な肌落ち災害防止対策及びその留意事項に基づき必要な措置を明記すること。
② 切羽の立入禁止措置,特段の配慮を必要とする範囲及び同範囲内における措置切羽への労働者の立入りの原則禁止,特段の配慮を必要とする範囲及び同範囲内における措置を明記すること。
③ 切羽の監視切羽監視責任者による監視項目,監視方法等を明記すること。なお,監視項目は肌落ちの予兆を感知できる項目を定めるものとするが,少なくとも次の事項を含むこと。ア)切羽の変状イ)割日の発生の有無ウ)湧水の有無エ)岩盤の劣化の状態また,監視方法については,切羽で作業が行われる間は切羽を常時監視することを含むこと。なお,常時監視にデジタル技術を活用する場合,切羽監視責任者の直接目視による監視と同等以上の安全衛生水準を確保する必要がある。
④ 切羽からの退避肌落ちにより被災するおそれのある場合に直ちに請負関係の有無に関わらず,労働者以外の者も含めて,当該場所で作業に従事する者を切羽から退避させるための退避方法,切羽監視責任者による退避指示の方法等を明記すること。
⑤ その他地山の状況に応じ,追加の肌落ち災害防止対策を検討すること。
(4)肌落ち防止計画に基づいた作業の手順を明らかにした作業手順書を作成すること。
(5)事業者は,肌落ち防止計画等を作業員に確実に周知した上で,同計画等に基づき,一連の作業を適切に実施すること。
(6)粉じんに関する事項については,に準ずること。
(7)他工区との緊密な協力体制を必要とする場合には,関係者による協議組織等を設置し,相互の連絡調整を図ること。
6. 資格者の選任
(1)トンネルの掘削,覆工,酸素欠乏危険場所での作業,有機溶剤等の作業では,それぞれの作業主任者を選任し,相互の緊密な連絡を図るとともに作業の直接指揮にあたらせること。
根拠: 安衛則383の2,383の3,383の4,383の5
根拠: 酸欠則11
根拠: 有機則19,19の2
(2)事業者は,ずい道等の掘削等作業主任者に,粉じん濃度等の測定方法,測定結果を踏まえた掘削等の作業方法,換気方法の決定,呼吸用保護具の選択,試料採取機器の設置の指揮,呼吸用保護具の機能の点検,不良品の除外,使用状況の監視を行わせること。
根拠: 厚生労働省通達基発0720第2号(R2.7.20)
(3)1,000m 以上のトンネルでは,トンネル救護技術管理者を選任のうえ,救護措置の具体的な実施事項についての管理をさせること。
根拠: 安衛則24の7
(4)呼吸用保護具の適正な着用,取扱方法等に関する指導,呼吸用保護具の保守管理を行う「保護具着用管理責任者」を,作業場ごとに,衛生管理者,作業主任等の労働衛生に関する知識,経験を有する者から指名し,呼吸用保護具の適正な使用の徹底を図ること。
根拠: 厚生労働省通達基発0525第3号(R5.5.25)
7. 年少者の作業の禁止及び女性の就業制限
根拠: 労基法63,64の2
(1)満18 才未満の者には,坑内の作業をさせないこと。
(2)妊婦中の女性及び坑内で行われる業務に従事しない旨を申し出た産後1 年を経過しない女性は,坑内の作業に就かせないこと。また,上記以外の女性を坑内の作業に従事させる場合は,有害な作業に就かせないこと。
8. 山岳トンネル工事における現場管理
(1),に準ずること。
(2)切羽への労働者の立入を原則として禁止し,真に必要がある場合のみ立ち入らせるようにすること。鏡吹付け又は一次吹付け未施工区間の素掘り面直下への立入りは厳に慎むこと。また,切羽(天端)からの45 度の範囲は特段の配慮を必要とする範囲とし,範囲の明示などの立入禁止措置を講じ,可能な限り立入りを避けること。これらにやむを得ず立ち入る場合には,切羽監視責任者の監視のもと,バックプロテクターの着用等すること。また,切羽における作業はできる限り機械等で行うようにし,各種作業の遠隔化・自動化,各種センサー等の活用などの取組を積極的に進めること。
根拠: 「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン」厚生労働省通達基発0326第1号(R6.3.26)
根拠: 安衛則151の3,155,190
(3)各種作業は,施工計画を作成し,それに基づいて実施すること。
(4)掘削箇所の周辺地山の状態,可燃性ガス・酸欠空気・粉じん・有毒ガスの有無及び機械・設備等全般にわたっての点検日を定めるなど,体制を確立したうえで点検整備を行うこと。
根拠: 安衛則382,382の2,170,192,232
(5)非常時に作業員を避難させるため,必要な避難用具を適当な場所に備え,関係作業員に,その備え場所及び使用方法を周知させるとともに,定められた時期に避難及び消火の訓練を行うこと。
根拠: 安衛則389の10,389の11
(6)トンネルの作業では,雇入時健康診断,定期健康診断,特定業務従事者の健康診断,じん肺健康診断等の特殊健康診断等を適切に受診させ,作業員の健康状態を把握するとともに,有害物侵入の観察等を行い,環境状況との関連も確認し,さらに保護具の適切な使用に配慮すること。また,必要に応じて,「ずい道等建設労働者健康情報管理システム」を利用すること。
根拠: 安衛則43,44,45
根拠: じん肺法7,8,9
根拠: 参考HPhttps://www.kensaibou.or.jp/support/tunnel_system_info/employer.html
9. 救護の設備及び避難訓練
(1)坑口には,入坑者の心得,坑内作業状況,その他安全上必要な掲示を行い,作業担当責任者の名札を掲示しそれぞれの作業員数を表示しておくこと。
根拠: 安衛則24の5,24の6
(2)坑内の危険箇所,要注意箇所等には標識を掲げ,かつ常にこれを点検,整備すること。
(3)非常の場合に対処するため,あらかじめ合図,信号,警報等を定め,緊急連絡の方法,避難方法等を全作業員に周知させるとともに,規則に定める回数の訓練を行い,記録すること。
根拠: 安衛則389の11,642,642の2
10. 警報設備及び構造
(1)切羽崩壊,出水,ガス爆発,火災その他労働災害発生の急迫した危険があるときは,関係作業員にこれをすみやかに知らせ,直ちに作業を中止し,作業員を安全な場所に待避させること。
根拠: 安衛則389の7,389の8
(2)危険を知らせる設備を,次の各号の区分に応じ設け,その設置場所を関係作業員に周知させること。
根拠: 安衛則389の9
① 坑口から切羽までの距離が100m に達したとき,サイレン,非常ベルの警報用の設備
② 坑口から切羽までの距離が500m に達したとき,警報設備及び電話機等の通話装置
(3)警報設備及び通話設備は,常に有効に作動するように保持し,その電源は予備電源を備えておくこと。
根拠: 安衛則389の9
11. 浸水のおそれのあるトンネルの緊急通報体制
浸水のおそれのあるトンネルの緊急通報体制については,に準じ,必要な措置を講じること。

このページを整えている人

第3種電気主任技術者 · 第1種電気工事士 · 第2種電気工事士 他

電力設備の保全・施工管理・建設DX/AIの経験を活かして、安全施工技術指針のデータベースを整えています。 経歴はこちら

公式資料該当頁: p.105–108

出典: 「土木工事安全施工技術指針」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000052.html )を加工して作成

※ 本ページは公式資料そのものではありません。