第15章第7節(可燃性ガス対策)
土木工事安全施工技術指針
掲載版 令和8年3月このページ
国土交通省の指針PDFを確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.117–120
第7節 可燃性ガス対策
1. 事前調査における留意事項
根拠: 官技発第329号(S53.7.26)
(1)地形,地質,ボーリング等資料の他,文献資料,周辺工事実施記録等を十分検討し,可燃性ガスの発生のおそれについて判断すること。
(2)工事に先立って可燃性ガスの発生を伴う可能性のある地層,背斜及び断層など,ガスの湧出と密接に関連する地質構造を的確に把握すること。
(3)前項の目的を達成するために必要な箇所において,トンネル計画線以下の相当な深さまでボーリング調査を行うものとし,ガスの存在が認められた場合はエアーリフト,吸引等を実施してガスの誘導をはかり湧出状況(位置,湧出量)を的確に把握すること。
2. 工事中の調査・観察
根拠: 官技発第329号(S53.7.26)
(1)可燃性ガスの発生を伴う可能性のある地層を掘削する場合には,地質構造の変化を的確に把握し,可燃性ガスの予知に役立てるため,毎日切羽の地質状況を観察し,可燃性ガスの有無を調査し記録すること。
(2)坑内に可燃性ガスが検知され,ガスの発生の可能性がある場合には,先進ボーリングを実施し,地質構造とガスの状況を調査すること。なお,この際のガスの状況の調査は調査を行う深さ,方法を定めて実施すること。
(3)可燃性ガスが発生するおそれのあるときは,爆発・火災防止のため,可燃性ガスの濃度を測定する責任者を指名し,毎日作業を開始する前,震度4以上の地震の後及び可燃性ガスに関し異常を認めたとき,可燃性ガスの濃度を測定し,その結果を記録し保存すること。
根拠: 安衛則382の2
(4)可燃性ガスの測定は,切羽,坑口(排気立坑を含む。)など,可燃性ガスが発生し,又は停滞するおそれがある場所について実施すること。
3. 施工計画における留意事項
(1)可燃性ガスの発生のおそれのあるときは,引火による爆発・火災防止計画及び避難・救護等の措置を検討したうえで施工計画を立案すること。
(2)日々の計測の結果により,施工計画の変更の必要が生じた場合には,速やかに変更を行うこと。
(3)可燃性ガスの存在するトンネルでは,可燃性ガスの濃度に応じた作業内規を定め,施工計画書に記載すること。
根拠: 官技発第329号(S53.7.26)
4. 可燃性ガスの処理
根拠: 官技発第329号(S53.7.26)
根拠: 安衛則389の2の2
(1)ガス湧出の可能性の高い場合は,先進せん孔又はボーリングを行い,ガスの湧出の予知と突出の防止を行うこと。
(2)先進せん孔等の長さ,配置等は切羽の大きさ,地質状況により定め,トンネル掘削は一定の厚さの先進せん孔済地山を残しながら行うこと。
(3)多量の可燃性ガスが貯蓄されていると予測される場合は,地表からのガス抜き大口径ボーリングの実施等について検討すること。
5. 換気
根拠: 官技発第329号(S53.7.26)
(1)換気は可燃性ガスの濃度を爆発下限界の値の30%未満とするため,可燃性ガスの有効な稀釈,拡散ができるような風量の確保及び風管の配置を行うとともに必要に応じてローカルファンの設置あるいは坑内風速を一定に保つなどの対策を講じること。
(2)換気は連続して行い,特別の理由のある場合以外は止めないこと。
(3)覆工型枠部など可燃性ガスの滞留が生じやすい箇所の換気に特に留意すること。
(4)換気に用いる風路は漏風の少ない材料及び系統とすること。また,有効な換気を行うため必要に応じて立坑等の設置を検討すること。
(5)ガス湧出の可能性の高い場合は換気設備,排水設備,照明設備など保安設備には予備電源を備えること。
根拠: 安衛則389の9
(6)換気の状況は定期的に測定し,その結果は記録保存すること。
6. 警報装置
(1)ガス爆発等の非常の場合に,関係作業員に速やかに知らせるために,次の警報装置等を設置し,周知させること。
根拠: 官技発第329号(S53.7.26)
根拠: 安衛則389の9
① 出入口から切羽までの距離が100m に達したときサイレン・非常ベル等の警報装置
② 出入口から切羽までの距離が500m に達したとき警報設備及び電話機等の通話装置
(2)坑内に可燃性ガスが常時検知される場合には,切羽及び坑内の必要な場所及び間隔で定置式可燃性ガス自動警報器を設置し,定置式可燃性ガス自動警報器の指示が爆発下限界値の30%を越えた場合は,自動的に電源を遮断する装置を設けること。
根拠: 安衛則382の3
(3)警報装置及び通話装置は,常に有効に作動するよう保持しておくこと。
根拠: 安衛則389の9
7. 火源対策
(1)可燃性ガスが存在し危険な濃度に達する可能性のある場合は,使用する電気設備機器は防爆構造のものを使用すること。
根拠: 官技発第329号(S53.7.26)
(2)やむを得ず坑内で溶接,切断,その他火花あるいは火焔を発生する作業を行う場合は,十分安全が確保される濃度において,責任ある監督者の管理のもとにおいてのみ行うこと。
根拠: 安衛則389の4
(3)可燃性ガスの存在する坑内は禁煙とし,マッチ,ライターなど発火源となるものは坑内に持ち込みを禁止し,かつ出入口付近に掲示すること。
根拠: 安衛則389
(4)爆薬を使用する場合は,使用する爆薬及び爆破方法について検討すること。
8. 緊急の措置
根拠: 官技発第329号(S53.7.26)
根拠: 安衛則389の8
(1)可燃性ガスの濃度が爆発下限界値の30%以上(メタンガスの場合1.5%以上)であることを認めたときは,直ちに請負関係の有無に関わらず,労働者以外の者も含めて,当該場所で作業に従事する者の坑内への立入りを禁止し,安全な場所に退避させ,点火源となるおそれのあるものの使用を停止し,かつ通風,換気を行うこと。
(2)可燃性ガスの濃度が爆発下限界値の30%未満であることを確認するまで,関係者以外の立入禁止か当該ずい道等の内部が立入禁止であることを見やすい箇所に表示しなければならない。
(3)通風,換気を行っても,可燃性ガスの濃度が爆発下限界値の30%未満に下らない場合には,工事を一時中止し換気設備を再検討すること。
9. 避難用器具
(1)自動電源遮断装置を設けた場合は停電に対処するため,入坑者には携帯用安全電灯を携行させること。
根拠: 官技発第329号(S53.7.26)
根拠: 安衛則389の10
(2)ガス湧出の可能性の高い場合は呼吸器等の救命用具を備えること。
根拠: 安衛則389の10
10. 教育及び救護の措置
根拠: 官技発第329号(S53.7.26)
非常時における連絡,避難要領を定め,作業員に周知させるとともに,避難訓練を定められた回数実施し,記録すること。また,災害時における救護組織を設置すること。