第15章第4節(粉じん対策)
土木工事安全施工技術指針
掲載版 令和8年3月このページ
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第4節 粉じん対策
1. 施工計画における留意事項
(1)坑内(たて坑を除く。)で粉じん作業(動力及び発破を用いて行う掘削作業,作業,動力を用いる鉱物等のずり積み作業,コンクリート等吹付作業,ロックボルトの取付け作業等をいう。以下同じ。)を実施するときは,粉じん対策に係る計画を策定すること。
根拠: 厚生労働省通達基発0720第2号(R2.7.20)
根拠: 基発第0226006号(H20.2.26)
根拠: 基発1128第12号(H26.11.28)
(2)粉じん対策に係る計画は,粉じん濃度目標レベルの値,粉じんの発散を抑制するための粉じん発生源に係る措置,換気装置等(換気装置(風管及び換気ファン)及び集じん装置をいう。以下同じ。)による換気の実施等,換気の実施等の効果を確認するための粉じん濃度等の測定,防じんマスク等有効な呼吸用保護具の使用,労働衛生教育の実施,その他必要な事項を内容とすること。
根拠: 粉じん則1,6の2,6の3,6の4
2. 粉じん発生源対策
(1)せん孔を行う作業にあっては,くり粉を圧力水により孔から排出する湿式型の削岩機(発泡によりくり粉の発散を防止するものを含む。)を使用すること又はこれと同等以上の措置を講じること。
根拠: 厚生労働省通達基発0720第2号(R2.7.20)
(2)発破を行う作業にあっては,発破後,粉じんが換気により希釈され,粉じん濃度が低減されるまで,近寄ることを禁止するとともに,近寄ってはならない旨を見やすい箇所に表示すること。
根拠: 粉じん則24の2
(3)機械による掘削を行う作業にあっては,次に掲げるいずれかの措置又はこれと同等以上の措置を講じること。ただし,湿潤な土石又は岩石を掘削する作業にあっては,この限りではない。
① 湿式型の機械装置を設置すること。
② 土石又は岩石を湿潤な状態に保つための設備を設置すること。
(4)破砕・粉砕・ふるいわけを行う作業にあっては,次に掲げるいずれかの措置又はこれと同等以上の措置を講じること。ただし,水の中で土石又は岩石の破砕,粉砕等を行う作業にあっては,この限りではない。
① 密閉する設備を設置すること。
② 土石又は岩石を湿潤な状態に保つための設備を設置すること。
(5)ずり積み及びずり運搬を行う作業にあっては,土石を湿潤な状態に保つための設備を設置すること又はこれと同等以上の措置を講じること。ただし,湿潤な土石の積込み又は運搬を行う作業にあっては,この限りではない。
(6)コンクリート等の吹付作業では,次に掲げる措置を講じること。
根拠: 厚生労働省通達基発0720第2号(R2.7.20)
① 湿式型の吹付機械装置を使用すること又はこれと同等以上の措置(エアレス吹付技術を含む。)を講じること。
② 吹付コンクリートへの粉じん抑制剤(粉体急結剤,液体急結剤)の添加及びコンクリートの分割練混ぜの導入を図ること。
③ 吹付ノズルと吹付面との距離,吹付角度,吹付け圧等に関する作業標準を定め,作業員に当該作業標準に従って作業させること。
④ より本質的な対策として,遠隔吹付技術の導入を検討すること。
(7)坑内で常時使用する建設機械については,排出ガスの黒煙を浄化する装置を装着した機械を使用することに努めること。なお,レディミクストコンクリート車等外部から坑内に入ってくる車両については,排気ガスの排出を抑制する運転に努めること。
根拠: 厚生労働省通達基発0720第2号(R2.7.20)
(8)エアカーテン,移動式隔壁等,切羽等の粉じん発生源において発散した粉じんが坑内に拡散しないようにするための方法の導入を図ること。
根拠: 厚生労働省通達基発0720第2号(R2.7.20)
(9)たい積粉じんの発散を防止するため,坑内に設置した機械設備,電気設備等にたい積した粉じんを定期的に清掃すること。
(10)建設機械等の走行によるたい積粉じんの発散を少なくするため,次の事項の実施に努めること。
根拠: 厚生労働省通達基発0720第2号(R2.7.20)
① 走行路に散水すること。
② 走行路を仮舗装すること。
③ 走行速度を抑制すること。
④ 運搬途中の土石の落下防止のため過積載をしないこと。
3. 換気
(1)換気装置等の計画にあたっては,粉じん濃度(吸入性粉じん濃度)目標レベルは2mg/m3以下とすること。ただし,掘削断面積が小さいため,2mg/m3を達成するのに必要な大きさ(口径)の風管又は必要な本数の風管の設置,必要な容量の集じん装置の設置等が施工上極めて困難であるものについては可能な限り,2mg/m3に近い値を粉じん濃度目標レベルとして設定し,当該値を記録しておくこと。
根拠: 厚生労働省通達基発0720第2号(R2.7.20)
根拠: 基発第0226006号(H20.2.26)
根拠: 基発1128第12号(H26.11.28)
(2)換気装置による換気の実施にあたっては,次に掲げる事項に留意し,換気を行うこと。
① 換気装置は,トンネルの規模,施工方法,施工条件等を考慮した上で,坑内の空気を強制的に換気するのに効果的な換気方式のものを選定すること。
② 送気口(換気装置の送気管又は局所換気ファンによって清浄な空気を坑内に送り込む口のことをいう。以下同じ。)及び吸気口(換気装置の排気管によって坑内の汚染された空気を吸い込む口のことをいう。以下同じ。)は,有効な換気を行うのに適正な位置に設けること。また,切羽の進行に応じて速やかに風管を延長することが望ましい。
③ 換気ファンは,風管の長さ,風管の断面積等を考慮した上で,十分な換気能力を有しているものであること。
④ 換気装置の送気量及び排気量のバランスが適正であること。
⑤ 粉じんを含む空気が坑内で循環又は滞留しないように努めること。
⑥ 坑外に排気された粉じんを含む空気が再び坑内に流入しないこと。
⑦ 風管の曲線部は,圧力損失を小さくするため,できるだけ緩やかな曲がりとすること。
(3)事業者は,次に掲げる事項に留意し,集じん装置による集じんを行うこと。
① 集じん装置は,トンネル等の規模等を考慮した上,十分な処理容量を有しているもので,粉じんを効率よく捕集し,かつ,レスピラブル(吸入性)粉じんを含めた粉じんを清浄化する処理能力を有しているものであること。
② 集じん装置は,粉じんの発生源,換気装置の送気口の位置を考慮し,発散した粉じんを速やかに集じんすることができる位置に設けること。なお,集じん装置への有効な吸込み気流を作るため,局所換気ファン,隔壁,エアカーテン等を設置することが望ましいこと。また,局所集じん機の導入を図ること。
③ 集じん装置にたい積した粉じんを清掃する場合には,粉じんを発散させないようにすること。
(4)換気装置等の管理は,以下の通りとすること。
① 換気装置等については,半月以内ごとに1 回,定期に,定められた事項について点検を行い,異常を認めたときは,直ちに補修その他の措置を講じること。
② 換気装置等の点検を行ったときは,定められた事項を記録し,これを3 年間保存すること。
4. 粉じん濃度等の測定及び評価
根拠: 労働省通達基発0720第2号(R2.7.20)
根拠: 粉じん則6の3
(1)粉じん作業を行う坑内作業場(ずい道等の内部において,ずい道等の建設の作業を行うものに限る。)について,半月以内ごとに1回,定期に,定められた測定方法に従って測定を行うこと。
(2)空気中の粉じん濃度の測定を行ったときは,その都度,速やかに,次により当該測定の結果の評価を行うこと。
① 空気中の粉じん濃度の測定結果の評価は,評価値と粉じん濃度目標レベルとを比較して,評価値が粉じん濃度目標レベルを超えるか否かにより行うこと。
② 空気中の粉じん濃度の測定結果の評価値は,各測定値を算術平均して求めること。
(3)空気中の粉じん濃度の測定を行い,評価値が粉じん濃度目標レベルを超える場合には,設備,作業工程又は作業方法の点検を行い,その結果に基づき換気装置の風量の増加のほか,より効果的な換気方式への変更,集じん装置による集じんの実施,作業工程又は作業方法の改善,風管の設置方法の改善,粉じん抑制剤の使用等,作業環境を改善するための必要な措置を講じること。空気中の粉じん濃度等の測定等を行ったときは,その都度,定められた事項を記録して,これを7 年間保存すること。記録した事項は,朝礼等で使用する掲示板等,常時各作業場の見やすい場所に掲示し,又は備え付ける等定められた方法により,労働者に周知させること。
根拠: 粉じん則6の4
5. 呼吸用保護具
(1)粉じん作業が坑内で行われているときは,坑内作業で従事するすべての作業員に防じんマスク,防じん機能を有する電動ファン付呼吸用保護具又は防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具であって粉じん機能を有するもの等有効な呼吸用保護具を使用させること。なお,作業の内容及び粉じん濃度等の測定結果に応じて,当該作業に従事する労働者に有効な防じん機能を有する電動ファン付呼吸用保護具又は防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具であって粉じん機能を有するものを使用させること。
根拠: 厚生労働省通達基発0720第2号(R2.7.20)
(2)坑内の粉じん作業のうち,次に掲げる作業に労働者を従事させる場合は,粉じん濃度等の測定の結果に応じて,有効な防じん機能を有する電動ファン付呼吸用保護具又は防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具であって粉じん機能を有するものを使用させること。
根拠: 粉じん則27
① 動力を用いて掘削する場所における作業
② 動力を用いて積み込み,又は積み卸す場所における作業
③ コンクリート等を吹き付ける場所における作業
(3)呼吸用保護具の選択,使用及び保守管理に関する方法並びに呼吸用保護具のフィルタの交換の基準を定めること。また,フィルタの交換日等を記録する台帳を整備し,当該台帳については,3 年間保存することが望ましいこと。
(4)呼吸用保護具を使用する際には,作業員に顔面への密着性について確認させること。
(5)呼吸用保護具については,同時に就業する作業員の人数と同数以上を備え,常時有効かつ清潔に保持すること。
6. 教育
(1)坑内の特定粉じん作業に従事する作業員に対し,粉じん障害防止規則に基づく特別教育を行うこと。これら労働衛生教育を行ったときは,受講者の記録を作成し,3 年間保存すること。なお,特定粉じん作業以外の粉じん作業に従事する作業員についても,特別教育に準じた教育を実施すること。
根拠: 厚生労働省通達基発0720第2号(R2.7.20)
(2)坑内の作業に従事する作業員に対し,呼吸用保護具の適正な使用に関する教育を行うこと。
根拠: 粉じん則22