電気設備の技術基準の解釈の解説
第191条(電気集じん装置等の施設)
経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.275–276
第1項
〔解 説〕 電気集じん応用装置(コットレル)は、産業界で広く利用されており、また、家庭用電気機械器具(例えば、空気清浄器)にも利用されている。しかし、家庭用電気機械器具に該当するようなものは、テレビと同じように特別高圧部分が機器の外部に出ていないので、本条の適用を受けない。
第一号は、事故時、点検時等に電路を区分するためのものである。
第二号は、第22条の規定の考え方と同じで、高電圧であり、かつ、危険性が高いため設けられた規定である。ただし書は、電気集じん応用装置は、電圧は高いが電流は微小で、地絡した場合に流れる電流は最大で3mA程度であり、触れても電撃がないというものもある。したがって、このようなものであれば、万一触れても危険はないので例外としている。
第三号は、電気集じん応用装置用変圧器については、第16条第1項で特殊な変圧器としてその適用が除かれているので、本項で改めて規定しているものである。
第四号は、第二号と同じ考えであるが、電源室(電源装置のある部屋)と電気集じん応用装置のある部屋とが様々な理由から離れていることがある。本号は、このような場合の途中の配線工事の方法を規定したものである。なお、大型電気集じん応用装置は、しばしば電源室と別の棟に施設されることがあるが、このような場合、電源室から電気集じん応用装置の施設される場所に至る電線は、電源室内の電線は別として、人の出入りする場所はケーブル工事によることとし、人が直接ケーブルに触れるおそれがないような高所(2.5m以上)に施設し、又は適当な防護措置を講じる必要がある。
第五号は、整流器回路の静電容量等により残留電荷が大きく、1次側電路を遮断しても、すぐに作業に取りかかれないような場合には、1次側電路の開閉器とインターロックされた放電装置を設け、又は接地棒をその近くに備えつけておいて容易に放電させることができるように施設することを規定している。
第六号は、電気集じん応用装置並びにこれに電気を供給する整流器及び配線を屋内に施設することを原則としている。
しかし、大型の電気集じん応用装置は屋内に施設することが困難な場合が多く、また、電源室から電気集じん応用装置のある場所に至る配線が屋外に施設される場合が多いことから、ただし書において、電気集じん応用装置及び整流器から電気集じん装置に至る配線を屋側又は屋外に施設することを認めている。
イでは、電気集じん装置の露出した充電部分は、接触防護措置を施すこととしている。ロでは、整流器から電気集じん装置に至る電線にケーブルを使用し、電線路の電線と同様に施設することとしている。
第七号は、一般に特別高圧電気設備は充電状態では放電を伴うことが多いので、第175条から第178条に規定する危険な場所には施設できないことになっているが、静電塗装装置はその目的上、当然シンナー等を取り扱う場所で扱われることになるので、これを例外としている。そのため静電塗装装置は、短絡しても着火するだけのエネルギーのある火花を発するおそれのないものでなければならず、当然高温となる部分を有していないことが必要条件とされ、したがって電源装置などをその場所に施設しないことにしている。
第八号は、可搬型の静電塗装装置のように充電部分に人が触れれば、ただちに電圧が下がって危険のおそれがないようなものについてのみ、移動電線の使用を認めている。
第2項
第2項は、石油精製用不純物除去装置を施設する場合について、第1項に準じて施設することを基本として、さらに追加事項を規定したものである。
石油精製用不純物除去装置とは、石油精製において用いられている脱塩装置(電極間に直流又は交流の特別高圧電圧を印加することにより、原油中に含まれている塩を溶解した水分などの分離・沈降を促進させるために設ける装置)、電気凝集装置(電極間に直流の特別高圧電圧を印加することにより、燃料油中に含まれている中和エステルや硫酸及びその中和のための苛性ソーダを除去するために設ける装置)、電気触媒分離装置(ガラスビーズを充填した電極間に特別高圧電圧を印加することによって不均一な電場を形成し、その電場内の微粒子に生ずる誘電永動力を利用して微粒子を分離する装置)等が該当する。
石油精製用不純物除去装置は、石油精製過程で用いられる施設であるため、第176条に規定する可燃性ガス又は引火性物質の蒸気が漏れ又は滞留し、電気設備が点火源となり爆発するおそれがある場所に施設される。一方、第176条に規定する場所には、原則として特別高圧の電気機械を施設しないこととしているが、本条の規定により施設される場合は、この限りではないこととしている。
第二号では、変圧器から整流器に至る電線及び整流器から石油精製用不純物除去装置に至る電線は、ケーブルを使用し、ケーブルが損傷を受けるおそれがある場所に施設される場合は、適当な防護装置を施すこととし、これら防護装置等の金属体には、A種接地工事を施すこととしている。
第三号は、槽内のガスに露出した充電部分が接しないように施設することを示している。これは、槽内の液相部から充電部分が露出すると、露出充電部分間の絶縁が保てず、アークにより槽内の可燃性ガスに着火するおそれがあるため、これを防止するための措置を講じることを規定したものである。
第四号では、第1項第一号に準じて石油精製用不純物除去装置に電気を供給するための変圧器の一次側に開閉器を施設することを規定しているが、さらに専用の過電流遮断器を施設することとしている。