電気設備の技術基準の解釈の解説
第177条(危険物等の存在する場所の施設)
経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.255–257
第1項
第一号における工事方法は、次のとおりである。なお、管灯回路の低圧配線も含むことに注意されたい。
配線工事方法の種類としては、合成樹脂管工事(CD管を使用するものを除く。)、金属管工事又はケーブル工事に限られている。危険場所における点火源となるおそれのある電気設備は最小限のものとすべきであることから、金属ダクト工事のように多くの電線を収めることを目的とする工事方法及びバスダクト工事のように大電流を通すことを目的とした工事方法は、認められていない。
ハのケーブル工事による場合(→第175条第1項第一号イ(ロ))は、ケーブル又はキャブタイヤケーブルを、管、とい等の防護装置に収めて施設する必要がある。ただし、ケーブルが鋼帯がい装を有するもの又はMIケーブル(→第175条解説)を使用する場合は、必ずしも防護装置に収めなくてもよい。
電動機の端子と金属管との橋渡しをする部分を金属可とう電線管工事による場合は、できるだけ短小とすることが望ましい。その工事方法は一般規定(→第160条)によることとなる。
第二号では、移動電線は危険場所内で施設することをできるだけ避けることが望ましいが、やむを得ない場合は、1種キャブタイヤケーブル以外の比較的丈夫なものの使用を認めている。途中に接続点を設けてはいけないこと、損傷を受けるおそれがあるような場所を避けて施設すること等は、第175条及び第176条の場合と同様である(→第175条第1項第一号ロ)。
第三号は、電気機械器具についての規定であり、事故時以外の場合でも火花やアークを発するもの(開閉器、回転機の整流子等)や温度が著しく上昇するもの(電熱器等)は、危険物に触れた場合、これに着火又は発火させる危険があることから、これらのものは全閉構造とすることにより危険物と触れ難くし、又は危険物から離して施設することが必要であることを示している。
第2項
第2項は、火薬類の製造所、貯蔵所(火薬庫を除く。)及び取扱所に施設する電気設備について規定している。
「火薬類を製造する場所」は、火薬類取締法施行規則第1条に定義されている危険工室のほか、建物内の火薬類を運搬する廊下等火薬類が存在し得る場所がこれに該当する。危険工室等と隔壁等により分離され、火薬類が存在し得ない、火薬類を取り扱わない機械室や電気室等は含まれない。
「火薬類が存在する場所」は、火薬類製造所の火薬類一時置場(製造工程上火薬類の半製品を一時保管する建物)、火薬類の消費現場の火薬取扱所等が、これに該当する。
以上、いずれの場合も局部的にとらえればよく、同一建物の中に、火薬類の存在する場所があればその建物全体の電気設備を本項の規定により施設しなければならないということではない。
また、本項は「火薬類を製造する場所」及び「火薬類が存在する場所」について規定しているものであり、火薬類製造所の中の火薬類の原料を製造又は取り扱う建物であって、火薬類を製造する建物とは別棟の建物は、本項の適用を受けないが、火薬類の原料であるアルミニウム粉を取り扱うような場所は第175条第一号の規定が、硫黄などを取り扱うような場所では前項の規定が適用される。なお、火薬庫については第178条で規定されているので、本条の適用からは除外している。
工事方法については、前項の規定が準用されるほか、第二号で電気機械器具は全閉型のものを使用することが定められている。「全閉型」とは、電灯器具であればグローブ付きのものを指し、開閉器又はコンセント類では金属箱内に取り付けた、いわゆる閉鎖型と呼ばれるものがこれに相当する。
第三号は、火薬製造所では火薬類の乾燥、包装に電熱器具の使用が認められているが、電熱器具はその構造及び機能上全閉型とすることが困難であることから、発熱体には充電部分が露出していないものを使用し、熱媒体の過熱や液面の低下などの際には電源を遮断する装置を施設することを定めている。
第3項
第3項では、特別高圧の電気設備は危険度が高いので、危険物等の存在する場所に施設することを禁止している。