電気設備の技術基準の解釈の解説
第111条(高圧屋側電線路の施設)
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〔解 説〕 本条は、屋側に施設される高圧電線路の要件及びその施設方法を示している。
第1項
第1項では、屋側に電線路を施設することを容認している場合を示している。高圧屋側電線路は、低圧屋側電線路より更に保安上の考慮が必要な電線路であるから、低圧屋側電線路の場合と同様、その施設範囲を限定し(→第110.1図)、技術上やむを得ない場合にのみ施設できる。したがって、ケーブル工事のみとし、隠ぺい場所の工事はできないこととしている。
また、都市過密地域において、地中化を推進しているが、事故時における復旧時間の問題などから、複数の電線路から受送電するように需要場所に開閉器箱を設け、開閉器箱から需要家に引込む方式をとることがある。この開閉器箱は地上に設置することが原則であるが、既設のビル等でスペースがなく、やむを得ない場合に開閉器箱を屋上に施設する場合がある(→第132条解説)。
開閉器箱は、事故時に開閉器を切り替える必要があることから、一般的に電力会社の保守員等がいつでも現地に行くことができる状態になっており、それが難しい場合には電力会社の技術員駐在所等において遠隔制御できる施設となっている。
第2項
第2項は、高圧屋側電線路の工事方法を示している。高圧屋側電線路の施設は、ケーブル工事のみとし、隠ぺい場所には施設できないこととしている。第四号では、ケーブルに外傷保護の点から接触防護措置(→第1条第三十六号)を施すことを示し、第五号では、ケーブルの支持点間隔は他の場所におけるケーブル工事と同様2m(垂直に取り付ける場合は、6m)とし、支持点では外装等の被覆を損傷しないように施設することを示している。なお、S61基準で垂直に取り付ける場合を6mとした。これは屋内のケーブル工事と整合させたものである。第六号は、S51基準で追加されたもので、ケーブルをちょう架用線にちょう架して施設する場合は、架空ケーブル工事に準じて施設することを示している。第七号は、ケーブル工事における金属製部分の接地工事を示したもので、高圧機械器具の外箱等の接地は全てA種接地工事によることとしている(→第29条)ことに鑑み、原則としてA種接地工事を施すべきことを示している。ただし、防食措置を施したもの(→第123条解説)又は金属製部分の大地との抵抗が10Ω以下の場合はA種接地工事を施したものと同等とみなして接地工事を施設しなくてもよい。メタルラス張り又はワイヤラス張りなどの木造造営物に施設する場合は、第145条第2項に準じて施設する必要がある。
第3項、第4項
第3項及び第4項は、他の工作物との離隔距離を定めたもので、高圧屋側電線を除く他の屋側電線、弱電流電線等、水管又はガス管が施設されている造営物に高圧屋側電線路を施設する場合は、それらと0.15m以上離す必要がある。S57基準では高圧屋側電線を除くこととしたが、これはS51基準で、相互間の離隔距離をとらなくてもよいこととした高圧屋内ケーブルについて、その後の実績及び密接布設時における隣接ケーブルへの事故波及の検討を行った結果、屋側電線路についても支障がないことが確認されたためである。架空電線、屋上電線及び上記のもの以外との離隔距離は0.3m以上とすることとしている。ただし、第5項で他の工作物との間に耐火性の堅ろうな隔壁を設け又は管に収めて施設する場合は、離隔をとらなくてもよいことを示している。架空電線及び屋上電線との離隔距離については、それぞれ架空電線及び屋上電線の条文で示されている。