電気設備の技術基準の解釈の解説

第132条(屋内に施設する電線路)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.182–184

〔解 説〕 本条は、屋内(→第143条解説)を貫通して施設される電線路の要件と、その電線路のうち屋内に施設される部分の施設方法を示している。

第1項

第1項では、屋内に電線路を施設することを容認している場合を示している。電線路は、人身に対する安全確保の観点から、また、一般的に事故時の供給支障の影響が配線と比較して大きいことから、人が居住し活動する屋内を避けて施設することが望ましい。
しかし、工場の構内等では、例えば解説132.1図 (a) のように構内だけに施設する電線路として電気室からB棟までの電線路を施設しようとする場合に、途中にあるA棟を迂回すると電線路の全長がかなり長くなり、また、迂回することで他の電線路や他の工作物と接近することが多くなるため、A棟を貫通して施設した方が経済的にも保安上からも望ましい場合がある。解説132.1図 (b) のような1構内専用の電線路についても同様である。
第一号は、当該電線路が1構内等の中だけに施設される場合を示したものである。近年、同一の開発者により、人工地盤(地下駐車場などに使用される場合が多い。)上に複数の建物が構築される場合がある。また、一つの建物の中に複数の受電者が存在する場合がある。これらの場合、電気を供給するためには、やむを得ず受電する者の構内以外の屋内を通過せざるを得ない場合がある。よって、「同一基礎構造物に構築された複数の建物」及び「構造的に一体化した1つの建物」を合わせて「1構内等」としている(→解説132.2図)。
第二号は、当該電線路が1構内等の専用電線路である場合(→解説132.1図(b))を示したものである。
第三号は、地中電線路により電気を供給する場合、事故時の復旧時間の短縮等を目的とし、屋外に施設された複数の電線路から送受電可能なように電線路を施設する(π引込み等)場合について示している。
なお、解説132.1図 (a) 中破線の部分は、C棟が300V以下でA棟(定格電流15A以下の過電流遮断器で保護されている場合)からの長さが15m以下である場合(→第147条第一号)にあっては、屋外配線であって本条の範ちゅうではない。
第175条から第178条までに示している場所を除外しているのは、これらの場所が危険な場所であり、電気工作物はなるべく施設しないようにする必要がある場所であるからである。たとえ施設の安全度を上げたとしても、それは事故の確率を減らすだけのことであり、危険であることに変わりはない。
解説132.1図
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解説132.2図
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第2項

第2項では、屋内に施設する電線路の施設方法を示している。なお、低圧電線路の引込口には、第147条により、屋内の引込口に近い箇所に区分開閉器を施設することとしている。
屋内電線路の電線がケーブルであるような場合は、途中での分岐、接続は避け、受電所等の当該電線路の引出口に専用の開閉器及び過電流遮断器を施設することが普通であり、また、屋内に施設される電線路の電線は、配線と違い人が触れるおそれのない所に施設するのが普通であって、感電等の際に区分開閉器を開くという必要もないので、受電所に専用のものを施設すれば十分である。この場合、受電所から当該電線路に至る間で他の電気使用場所に分岐する線路の分岐点より負荷側に開閉器及び遮断器を施設することとしている。これは、電気使用場所が異なれば、その区分も独立して行えるようにした方が保安上便利であり、事故を少なくすることになるからである(→解説132.1図)。この場合の遮断器は、屋内電線路の電線を過電流から保護するため、その定格電流はその電線の許容電流以下とすることとしている。
屋内に施設される電線路の工事方法は、屋内配線の幹線(→第148条)に準じて施設すればよく、使用電圧が低圧の場合は第一号、高圧の場合は第二号、特別高圧の場合は第三号にそれぞれ示している。低圧の場合の工事方法において、屋内配線の場合と違う点は、金属線ぴ工事、ライティングダクト工事及び平形保護層工事のように末端の配線に用いられる軽易な工事が採用できないことである。なお、従来低圧の場合にはバスダクト工事が認められていなかったが、屋外用バスダクトが出現し、屋側電線路にバスダクト工事が認められたことに伴い、屋内電線路にもバスダクト工事が認められた。また、団地等高層ビルの400V配線などの垂直配線として、パイプシャフト内に垂直ちょう架ケーブルが施設されるようになったため、S61基準で、低圧屋内電線路のパイプシャフト内直配線における垂直ちょう架ケーブルの使用を認めた。
第四号は、第一号から第三号までによらなくて良い場合を示している。
イは、H9解釈において、ケーブルシャフト等は相当な強度を有しているため、これを電線路専用のスペースとして使用する場合には、地中電線路の暗きょ式相当として、ケーブルを管に収める必要がない等、条件を緩和した。
ロは、免震建築物の免震層に特別高圧電線路を施設する場合に、地震発生時の変位を吸収する部分で第三号(同号で参照している第169条第1項第三号)又はイの要件を満たすことが難しい場合があることから、日本電気技術規格委員会規格 JESC E2017(2014)「免震建築物における特別高圧電線路の施設」の技術的規定により、暗きょ相当の要件で施設すれば良いことを示しているもので、H20解釈で追加され、R6解釈より、民間規格評価機関として日本電気技術規格委員会に承認された規格リストと関連づけられ、当該機関の公開ページにて掲載されている。
第五号は、H13解釈で日本電気技術規格委員会規格 JESC E2009(1999)「地中電線と地中弱電流電線を直接屋内に引込む場合の相互の離隔距離」を引用し新たに定めた規定で、地中電線と地中弱電流電線等を直接屋内に引き込む場合、地中からの引込口付近については、屋内であっても施設条件等が地中と同等と解して差し支えないことから、相互の離隔距離について地中部分の規定である第125条を準用することを認めたものである。

第3項

第3項は、住宅の屋内を通過する電線路の施設方法を示しており、電線路の対地電圧は150Vを超え300V以下とすることができる。ただし、この場合の工事方法は安全度の高い合成樹脂管工事、金属管工事又はケーブル工事に限定され、住宅の居住者がこの電線に触れるおそれがないように、隠ぺい場所に施設することとしている。

公式資料該当頁: p.182–184

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

※ 本ページは公式資料そのものではありません。