電気設備の技術基準の解釈の解説

第182条(出退表示灯回路の施設)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.261–263

〔解 説〕 前条の小勢力回路は、電磁開閉器の操作回路又はベル等の電路であって、その使用が短時間であるのに対し、出退表示灯は、その使用が長時間である。しかもビルが大型になり、大人数を収容するようになるに従って、出退表示灯の1表示器に取り付けられる電灯の数が増加し、また1操作スイッチで点滅する灯数も多くなり、操作スイッチから多数の表示器に至る配線が複雑になってきて、一般の屋内配線では、その施設が困難であることから、本条では、最大使用電圧が60V以下であり、かつ、定格電流が5A以下の過電流遮断器で保護された回路について、一般の低圧配線の例外として示している。
出退表示灯回路の範囲は、小勢力回路の範囲を超え最大使用電圧60V以下で最大使用電流5A以下である。なお、出退表示灯回路は「出退表示灯その他これに類する装置に接続する電路」とあるように出退表示灯ばかりでなく、ある程度広義にとらえてよい。しかし、出退表示灯などが小勢力回路の範囲内で施設される場合は、その出退表示灯などの回路は本条を適用せず、前条を適用する。
本条で規定している出退表示灯回路は、あくまでも強電流回路としてとらえているが、出退表示灯回路の電線と他の強電流回路の電線との関係においては、出退表示灯回路は弱電流並みとする必要があるので、この解釈で「弱電流電線」というときは出退表示灯回路の電線も含まれる(→)。
なお、小勢力回路は、前条において交流回路であることを明示しているが、出退表示灯回路は最大使用電圧60V以下のものであり、かつ、定格電流が5A以下の過電流遮断器で保護することと規定されているので、直流回路もこれに相当するものであれば本条を適用する。しかし、の「電線」の解説で述べているような弱電流回路は除かれる。
第二号イは、変圧器に単巻変圧器を使用すると、事故時に2次側電路の対地電圧が1次側と同じ電圧となり、危険度を増大するおそれがあるので、絶縁変圧器を施設することとしている。
ハは、変圧器が解説182.1図のように複数の出退表示灯回路の共通の電源となることが多く、変圧器の容量も大きくなることから、電気用品安全法の適用を受けない定格容量が500VAを超える変圧器の絶縁耐力について規定している。
解説182.1図
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第三号は、絶縁変圧器の2次側電路の事故時にその電路の保護を確実にするため各極に過電流遮断器を施設することとしている。解説182.1図は絶縁変圧器と出退表示灯回路とが近接している場合、解説182.2図は絶縁変圧器と出退表示灯回路とが離れている場合の過電流遮断器の施設箇所を示している。
解説182.2図
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第四号は、電線を造営材に取り付けて施設する場合の電線の太さ及び種類並びに電線の保護について規定しており、その他の工事方法については小勢力回路(→前条第1項第三号ハからヘ)と同様に施設することとしている。
イでは、電線の種類は、小勢力回路の電線と同様である(→前条第1項第三号ロ解説)が、ケーブル及び通信用ケーブルについても電線の太さを規定している。ケーブルは、クロロプレン外装ケーブル、ビニル外装ケーブル及びポリエチレン外装ケーブルを使用する場合の線心の太さについては、それぞれの規格(別表第4)では最小直径0.8mmのものしかないので、直径0.8mm以上のものとしている。
通信用ケーブルは5対以上の多心のものが多く、機械的強度については問題にならないが、出退表示灯回路には、小勢力回路と異なり長時間電流が流され、電線が細いと電線の導体抵抗により発熱して、絶縁の劣化又は他に障害を与えることになり、また、出退表示灯回路が5Aの過電流遮断器に保護されていることなどの理由から、直径0.65mm以上のものを使用することとしている。
ロでは、電線の損傷により、感電による死傷のおそれはないにしても、小勢力回路に比べて電流が大きいことから火災にならないとはいえないので、電線を全線にわたり防護することを規定している。なお、ここでは電線を合成樹脂管等に収めることとしているが、から及びに規定されている線ぴ工事、合成樹脂管工事等により施設することという意味ではない。
なお、出退表示灯回路の電線を、地中に施設する場合は前条第1項第四号に、地上に施設する場合は前条第1項第五号に、架空で施設する場合は前条第1項第六号に、移動電線の場合は前条第1項第七号に準じて施設することとしているので、前条の解説を参照されたい。
また、出退表示灯回路を爆燃性粉じんのある場所、ガス蒸気のある場所、燃えやすい物質のある場所、火薬類のある場所に施設する場合は、前条第2項が準用され、低圧配線並みの工事が必要である。

公式資料該当頁: p.261–263

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

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