電気設備の技術基準の解釈の解説
第113条(低圧屋上電線路の施設)
経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.161–162
〔解 説〕 本条は、屋上に施設される低圧電線路の要件と施設方法を示している。
第1項
第1項では、屋上に電線路を施設することを容認している場合を示している(→解説110.1図)。
第2項
第2項では、屋上電線路の工事は、ケーブルを使用する方法、絶縁電線をがいしで固定する方法及びバスダクトによる方法に限定している。S61基準で、絶縁電線の工事の場合とケーブル工事の場合とを分けて示した。また、H11解釈で、バスダクト工事による場合を新たに追加した。
第一号の絶縁電線を用いる工事方法では、屋上電線路に使用できる電線を引張強さ2.30kN以上の絶縁電線又は直径2.6mm以上の硬銅線の絶縁電線とし、屋側電線の直径2mmの軟銅線より強度を大きくとっている(→第110条第2項)。
絶縁電線を使用する屋上電線は、通称「うま」と言われる支持柱又は支持台を設け、これにがいしを用いて電線を取り付けるのが普通であるが、この場合、電線の支持点間の距離は電線の振れ、緩み等を考慮し15m以下とすることとし、電線とそれを施設する造営材との離隔は2m(電線が高圧絶縁電線又は特別高圧絶縁電線の場合は、1m)以上とすればよいこととした。屋上に人が出入りすることができるような場所等については、施設しないことが望ましいが、やむを得ない場合は十分な離隔距離をとることとした。
第二号は、ケーブル工事について示している。ケーブルを使用する場合は、イでは、架空ケーブル工事(→第67条)に準じて施設し、造営材との離隔距離は1mとしたが、屋上に人が出入りすることができるような場所等については、前号と同様に離隔距離を2m以上とすることが望ましい。ロでは、ケーブルを管、トラフ等に収めて施設し、管又はトラフを造営材に堅ろうに取り付ける工事方法を示しており、この場合、第164条第1項第四号及び第五号に準じて接地を施すこととしている。
一般的に、堅ろうな管又はトラフとしては、鉄筋コンクリート製の管又はトラフのほか、厚さが1.2mm以上の金属製の管又はトラフなどが考えられる。また、トラフのふたを取扱者以外の者が容易に開けることができると危険であるので、ふたを開けるのに必要な工具を特殊なものとし、又はふたに施錠装置を施すなどにより、容易にふたを開けることができないように施設することとしている。
ハは、ケーブルを造営材に堅ろうに取り付けたラック(親げたとはしご状に設けられた子げたによって構成されている一種の支持台)(→解説113.1図)に施設するとともに、取扱者以外の者が立ち入らないように施設する(さく若しくはへいを設け又は屋上を立入り禁止にするなど)、ラックの取付け高さを確保して施設する、又はラックにカバーを設けて施設するなどの簡易接触防護措置(→第1条第三十七号)を施す工事方法を示しているもので、H20解釈で追加された。
また、簡易接触防護措置を施す場合であっても、重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがある箇所に施設する場合にあっては、第164条第1項第二号に準じて、ケーブルに圧力が加わらないようラックに綱板製のカバー等を設けるなど、適当な防護装置を設けることとした。
その他、接地工事については、第164条第1項第四号及び第五号に準じて施設することとした。
解説113.1図
第三号は、バスダクト工事については日本電気技術規格委員会規格 JESC E6001(2011)「バスダクト工事による低圧屋上電線路の施設」に適合する場合に施設できることを示しているもので、H11解釈で追加された。バスダクトによる低圧屋上電線路は、バスダクト工事(→第163条)に準じて施設し、木造以外の造営物に施設するとともに、バスダクトに簡易接触防護措置を施すこととしている。また、使用するバスダクトは、屋外用バスダクトであって、防水性能(IPX4:防まつ形)であることが必要である。なお、バスダクトと他の工作物との最小離隔距離は0.3mとした。R4解釈より、民間規格評価機関として日本電気技術規格委員会に承認された規格リストと関連づけられ、当該機関の公開ページにて掲載されている。
第3項
第3項では、他の工作物との離隔距離を示しており、その考え方は架空電線路の場合と同様である。架空電線及び高圧屋上電線との離隔距離に関しては、それぞれ架空電線、高圧屋上電線の条文で示されている。また、低圧架空電線との離隔距離は第78条による必要がある。