電気設備の技術基準の解釈の解説

第67条(低高圧架空電線路の架空ケーブルによる施設)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.116–117

〔解 説〕 本条は、架空電線にケーブルを使用する工事は、ケーブル以外の電線を使用する場合と施工方法に大きな差異があるため、S34工規で規定されたものである。架空ケーブル工事に使用するケーブルは、低圧用のものは第9条に、高圧用のものは第10条に規定されているケーブル(第65条第2項、第3項に示すものを除く。)を使用する必要がある。
第一号及び第二号は、低高圧架空電線にケーブルを使用する場合の施設方法を示している。本条では、張力をかける構造となっていないケーブルを対象としており、ケーブル自体に過度に張力をかけて施設することはケーブルの構造上よくないので、メッセンジャーワイヤを使ってちょう架することを示している。したがって、合成樹脂系のケーブル等であって、ケーブル自体が安全に直接ちょう架できるものについては、本条から除かれる。
メッセンジャーワイヤを使用してちょう架する場合は、いわゆるカテナリー式でハンガを使用する。ハンガの間隔は、低圧では特に示していないが、高圧では50cm以下としている。
ひょうたん型ケーブル(→解説67.1図)、又はラッシングタイプケーブル(→解説67.2図、解説67.3図)等、メッセンジャーワイヤ付きケーブルを使用するときは、カテナリー式でちょう架(→解説67.4図)しなくてもよく、ちょう架用線の太さについても、十分な強度をもつ細い線を使用することが考えられるので、引張強さが5.93kN以上のもの又は断面積22mm2以上の亜鉛めっき鉄より線であるならば使用できることとしている。例えば、直径が2.6mmの第1種普通亜鉛めっき鋼線(単位断面積当たりの引張強さ1,230N/mm2、)であれば、引張強さは1,230×1.3×1.3×π=6,530N(6.53kN)となり、5.93kN以上なので使用できる。
ホは、外装に半導電性のビニル又はポリエチレンを使用し、かつ、金属製のラッシングテープ等を併用することにより高圧ケーブルの金属製遮へい層を省略したちょう架用ケーブル(、第3項)について示している。この架空ケーブルは、ちょう架用線とケーブルを保持する金属テープが半導電性外装のアース及びケーブル事故時の故障電流の通路となるため、工事方法はちょう架用線とケーブルを接触させ、その上に金属テープをらせん状に巻き付ける方法に限定し、その巻き付け間隔も6cm以下としている。
なお、ラッシングテープの厚さ及びその幅については、特に示していないが、短絡時の電磁力や振動・摩擦にも十分な強度と耐久性を有する必要があり、アルミテープを使用する場合においては、厚さ1.0mm程度以上、幅10mm程度以上とするのが一般的である。
解説67.1図 解説67.2図
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解説67.3図 解説67.4図
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第三号では、ちょう架用線の強度を示している。なお、ちょう架用線自体は、第4条に示す金属線が適用されることは支線の場合と同様である。
第四号では、ちょう架用線には、ケーブルの被覆の損傷により、ちょう架用線が充電される場合の危険防止のため、D種接地工事を施す必要があることを示している。ただし書は、ちょう架用線に絶縁電線を使用する場合には、接地を行ったのと同等の効果があることから、S57基準で、このような場合には使用電圧が低圧のものに限り接地工事を省略できることとした。なお、ただし書の「これと同等以上の絶縁効力のあるもの」とは、ちょう架用線を絶縁物でコーティングしたものを使用することを考慮したものである。
第五号は、高圧架空電線に用いるちょう架用線について規定している。第三号では、ちょう架用線は引張強さが5.93kN以上のもの又は断面積22mm2以上の亜鉛めっき鉄より線であることとしており、細いケーブルではこれでもよいが、高圧用の太いケーブルになるとケーブルに加わる風圧が大きくなるので、必要な強さを計算(解説)する必要があり、ちょう架用線自体の重量及び風圧荷重に、ケーブルの重量(氷雪の附着も考慮すること。)及びケーブルに加わる風圧荷重(氷雪の附着も考慮すること。)を加えた全荷重に対し、ちょう架用線の安全率が2.5以上となるように施設することを示している。

公式資料該当頁: p.116–117

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

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