電気設備の技術基準の解釈の解説

第68条(低高圧架空電線の高さ)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.117–119

〔解 説〕 本条は、低高圧架空電線の高さについて示している。
低高圧架空電線{屋側電線路、屋内電線路に隣接する1径間の電線、架空引込線及び連接引込線の架空部分を除く。()}の地表上等からの高さは、地上の人畜又は造営物に対する危険や交通上の障害を及ぼさないことが最も大切な条件である。したがって、鉄道横断部分では列車に対する建築限界その他の関係、一般道路では貨物自動車の積荷の高さ、道路沿いその他の場所では人畜及び造営物に対する危険について考慮して、高さを定めている。
なお、この解釈における架空電線路の地表上の高さは、原則として電線からの垂直距離を指している。対象となる地表面が、山の山腹若しくは谷間のような平面でない場合、又はアーケードと一体化したような場合(→解説68.1図)等の離隔距離については、日本電気技術規格委員会規格 JESC E0004(2017)「配電規程(低圧及び高圧)」((一社)日本電気協会電気技術規程 JEAC 7001-2017)を参照されたい。また、アーケード上部には消火作業用のための通路などが施設されるので、この上方に関しては、少なくとも横断歩道橋上に準じた離隔をとることが望ましい。
解説68.1図
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第1項

第1項は、一般的な低高圧架空電線の地表上等の高さを示している。鉄道や軌道を横断する場合は従来6mであったが、国土交通省の規定が5.5mになっていることから、S40基準でこれに合わせることとした。鉄道又は軌道を横断する場合の電線の高さは、レール面上から計算するが、施工軌面とレール面では、50cm程度の差があるので、施工軌面からの高さとしては、6m程度になる。この値は車両限界からも支障がないものである。なお、電気鉄道の場合は電車線のちょう架線などとの離隔距離についても考慮する必要がある。
S43基準では、低高圧架空電線が横断歩道橋の上に施設される場合の高さについて明確に示されていなかったため、新たに規定した。横断歩道橋は、人が専用に通るものであるから、架空電線の高さについて一般の道路と区別して規定している。この高さについては、横断歩道橋をスキーのような長いものをかついで通ることなども考慮して決定した。また、横断歩道橋の階段も歩行の用にのみ供されるものであることから、横断歩道橋の一部として取り扱われる(→解説68.2図)。屋根のある横断歩道橋では、路面上からの高さは問題ではなく屋根との離隔距離を第78条で規定する値以上とする必要がある。なお、横断歩道橋の側面との離隔距離については、第72条が適用される(→解説72.1図)。
解説68.2図
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S47基準では、低圧屋外照明用架空電線路の施設に関する特例緩和を廃止したことに伴い、道路以外の場所における屋外照明灯専用の架空電線は、これまでの施設条件であった「絶縁電線若しくはケーブルを使用し、対地電圧が150V以下で交通に支障がない場合に限り、その高さを4mに緩和する」特例を追加した。この場合において、従来は3mであったが、引込線等の高さなどの相対的な関係から4mとした。
68-1表の「車両の往来がまれであるもの」とは、あいまいな表現ではあるが、耕うん機、荷馬車程度が通過する農道など、交通のはげしくない道路を指す。また、「歩行の用にのみ供される部分」とは、歩道と車道の区分がある道路の歩道部分又は歩行者専用道路など、車両が通行しない道路を指す。道路における電線の高さは、貨物自動車の積荷等の高さを考慮して規定されているため、車両が通行しない「歩行の用にのみ供される部分」については、かっこ内でこれを道路から除いている。

第2項

第2項は、水面上に施設する場合の架空電線の高さを水上交通に危険を及ぼさないように適当な高さに保持させることを示している。船舶等のように水面上における最大高さが定まらないものについては、水深その他の状況から航行が予想される船舶の最大高さを考慮して架空電線の高さを決定する。海峡や河川に架空電線を施設する場合は、海峡が航路及びその周辺の海域に該当する場合は、海上交通安全法の規定により海上保安庁長官の許可が必要であり、また、河川に施設する場合は、河川法の規定により河川管理者の許可が必要である。したがって、これらの管理者と協議の上、船舶の航行等に危険を及ぼさない高さとすることにより、安全を確保することができる。なお、海峡については、海域等により適用を受ける法令が異なるため、事前に最寄りの管区海上保安部警備救難部航行安全課又は各海上保安管署に問い合わせられたい。

第3項

第3項は、高圧架空電線の積雪上の高さについて規定しているが、積雪の状況は施設される地方により異なり、一律に規定することが困難であるので、前項と同様、明確には示していない。

公式資料該当頁: p.117–119

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

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