第4条(風車)
発電用風力設備に関する技術基準を定める省令及びその解釈に関する逐条解説
掲載版 令和6年10月1日このページ
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① 省令第4条は風車に対する必要な施設要件を規定したものである。ここで言う「施設」するとは、設計及び施工要件に加え、設計時の要求性能を運転中常に維持することも含まれる。その為、継続的に保守管理を行うことにより、風車の健全性を確認することが必要である。なお、発電用風力設備は、風車及びその支持物から構成されるが、風車とその支持物との接合部は、風車に含まれるものと考える。ただし、当該接合部については、地震荷重など支持物の実状に基づいた荷重に対しても安全な構造とすることが必要である。なお、風車の選定に当たっては、第三者認証機関による型式認証等により風車の構造上の安全性について事前に確認することが必要である。なお、国が実施する実証研究等においては第三者認証機関によるプロトタイプ認証での構造上の安全性を確認することができる。
② 省令第4条第一号及び解釈第3条は、負荷を遮断したときに到達する最大速度に対しても、風車が構造上安全であることを規定したものである。ここで言う最大速度には、カットアウト風速での通常停止の際の回転速度はもちろんのこと、非常調速装置が作動した場合の、無拘束状態により昇速した場合の最大回転速度が含まれる。すなわち、風車の回転部と、風車の回転及び停止の影響を受ける装置について、最大回転速度とその場合に生じる遠心力に対しても安全な構造とすることが必要である。なお、非常調速装置とは、風車の運転中に定格の回転速度を著しく超えた過回転その他の異常(発電機の内部故障等)による危害の発生を防止するため、その異常が発生した場合に風車に作用する風力エネルギーを自動的に抑制し、風車を停止するための装置をいう。
まず、解釈第4条第1項第一号では、突風及び台風等の強風による風圧荷重のうち最大のもの(終局荷重)について規定している。次に、解釈第4条第1項第二号では、風車が風速及び風向の時間的変化により生ずる荷重変動(疲労荷重)について規定している。
解釈第4条第2項の現地風条件のうち、通常風については現地実測データをもとに、極値風については気象の推算値を基に評価することが必要である。
現地実測データの観測期間は1年以上とする。観測高さはハブ高さの2/3以上が望ましいが、観測が困難な場合は、鉛直ライダー等の精度が検証されたリモートセンシング機器を利用した観測データと組み合わせることも可能である。
また、洋上の通常風においては、精度が検証されたリモートセンシング機器のみでの観測でもよい。なお、リモートセンシング機器を用いる場合には、その観測データと物理的に取得した観測データとの相関確認が必要である。また、リモートセンシング機器の欠測データは、陸上において物理的に取得した観測データからMCP(Measure-Correlate-Predict)法により補完してもよい。
解釈第4条第3項では、突風や台風等の強風による終局荷重と、風の変動に伴う疲労荷重に対し、風車が構造上安全であることを規定している。このうち終局荷重に対しては、固定翼か可動翼かに関わらず、通常想定される台風等の暴風時において、故障や常用・非常用電源の喪失によりヨー制御が不能になる等、風車の回転面の制御ができない際に、風車の受風面積が最大の方向から受ける風圧にも耐えうる構造とすることが必要である。また、疲労荷重に対しては、特にボルト接合部や溶接部に疲労が生じやすいため、その累積疲労にも耐えうる構造とすることが必要である。
なお、省令第4条第一号及び第二号並びに解釈第3条第3項及び第4条第4項の「構造上の安全」に関して、風車のブレード損傷、破損等により技術基準不適合を発生させないためにも、定期点検の他、通常の点検においても次に掲げるガイドラインを参照することが望ましい。
(参照ガイドライン)
一般社団法人日本風力発電協会発行 「風力発電設備 ブレード点検および補修ガイドライン」(JWPA G0001)
また、解釈第4条第4項ではブレード等が損傷や劣化等を生じても構造上安全であることを要求している。特に洋上に風車を設置する場合においては厳しい腐食環境下にあるため、環境条件や耐用年数等を考慮して対策を講じ、風車が構造上安全であることが必要である。
④ 省令第4条第三号及び解釈第5条は、風車の運転中に風車の強度に影響を及ぼすような風車とその支持物が共振した場合には、風車の回転部を自動的に停止する装置を施設する等して、風車に損傷を与えるような振動を回避するような措置を講ずることを規定したものである。
⑤ 省令第4条第四号及び解釈第6条は、風車が運転しうる最大風速を超えた場合の通常停止のみならず、意図的に回転部を固定できるよう施設した風車において、取扱者が点検や異常発生等を理由に回転部を固定した場合の停止についても、その停止後、取扱者の意図に反して風車が起動し、運転状態にならないよう風車を施設することを規定したものである。
⑥ 省令第4条第五号は、風車が植物、造営物、その他の工作物に接触しないように周辺の状況及び風車の構造を考慮して風車を施設することを規定したものである。
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