電気設備の技術基準の解釈の解説

第14条(低圧電路の絶縁性能)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.23–24

〔解 説〕 電路絶縁の原則(→省令第5条)により電路は大地から絶縁しなければならないが、この場合、電気設備の絶縁性に関する信頼度の判定が必要である。その判定方法として、現在一般に行われている方法には、絶縁抵抗試験と絶縁耐力試験がある。絶縁抵抗試験は、絶縁抵抗計などでその絶縁抵抗を測定する方法であるが、この試験方法では省令で定めている絶縁のレベルについて、必ずしもその目的を完全に達し得るとはいえない。絶縁のレベルの判定は、絶縁耐力試験における電圧値と時間によることが最も理想的である。しかし、絶縁抵抗試験による方法は、低圧の配線、電気使用機械器具の電路や電線路に関してはその測定が簡単であり、漏電による火災事故の防止に十分な目安となるものであるので、一般的にこれによる方法が採られている。

第1項

第1項は、省令第58条の解釈として、電気使用場所における低圧電路の絶縁性能について規定している。省令第58条は、いわゆる電気使用場所の屋内配線、屋外配線の絶縁抵抗値を定めているもので、電路絶縁の原則から除外した部分()、第16条で規定する変圧器、回転機、整流器、燃料電池、太陽電池モジュール、器具等の電路は、対象外である。
また、遊戯用電車内の電路及びこれに電気を供給する接触電線(→第189条)、直流式電気鉄道用電車線(→第205条)、鋼索鉄道の電車線(→第217条)は、それぞれの条文において特別の規定があるので、いずれも本条の対象から除かれている。
第一号は、省令58条によることとしている。
第二号は、一般家庭では停電して行う屋内配線等の絶縁抵抗測定が困難になってきたため、停電せずに絶縁性能を判定する漏えい電流(I0)による絶縁性能基準を明確にしたものである。漏れ電流計により測定する「漏えい電流測定」は、①対地絶縁抵抗による電流(I0r)の他に対地静電容量による電流(I0C)が含まれること、②接地側電線の絶縁状態が確認できないこと等により、必ずしも絶縁抵抗値に換算できない。しかし、対地静電容量による電流の影響を含めた漏えい電流が1mA以下の場合は、対地絶縁抵抗による電流は基本的にこの値より小さくなり、省令第58条で定める絶縁抵抗値の基準と同等以上の絶縁性能を有しているものとみなすことができる。
また、「令和2年度電気設備技術基準関連規格等調査」において、対地静電容量による電流を除去した値が1mA 以下の場合は、省令第58 条で定める絶縁抵抗値の基準と同等の絶縁性能を有しているものと判断することの妥当性が確認された。これらの値は、低圧電路に1mA程度の漏えい電流があっても人体に対する感電の危険はなく(人体に通じる電流を零から漸次増していくと1mA前後ではじめて感じる。)、この程度の漏れ電流では、仮にこれが1箇所に集中したとしても過去の経験に照らして火災の発生はほとんど考えられないという理由に基づいて定められたものである。
解説14.1図
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解説14.2図
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第2項

第2項は、発電所や蓄電所、変電所など電気使用場所以外の場所における低圧電路についても、絶縁性能の判定に絶縁抵抗試験による方法が適用できることを示したものである。

公式資料該当頁: p.23–24

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

※ 本ページは公式資料そのものではありません。