電気設備の技術基準の解釈の解説
第189条(遊戯用電車の施設)
経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.273–274
〔解 説〕 遊戯用電車とは、人の輸送を目的としない一回りして同じ場所に帰って来るものを対象としているので、遊園地間を結ぶような構外にわたって施設されるものは遊戯用電車として扱われず、本条の規定を適用することができないので、第6章の電気鉄道等の規定によることとなる。
本条の適用の対象となる電気設備は、「遊戯用電車内の電路及びこれに電気を供給するために使用する電気設備」として、一つの装置という考え方で成り立っている。定義だけでは、電気設備のどの部分から本条の対象となるかは明確でないが、通常、交流40V以下又は直流60V以下の電気に変成する装置から遊戯用電車までがその対象となる。
第一号イは、遊戯用電車内の電路は取扱者以外の者が容易に触れるおそれがないように施設することを規定している。
ロは、遊戯用電車内に昇圧用変圧器を設置する場合は、次号ロと同様の趣旨で変圧器の2次電圧を150V以下としている。
これらの変圧器に単巻変圧器を使用すると電路の地絡事故等に際し、危険度を増大するおそれがあるので、(イ)でこれを使用しないよう規定している。ハは、電車内の配線は一般の屋内配線と異なり、その構造上常に振動を受け、また、車台周りの配線は風雨やじんあいにさらされているので、劣化しやすい状態にあり、電車内の電路の絶縁低下は漏電の原因となり乗客はもちろん、乗務員にも危険を及ぼすおそれがある。したがって、電路の絶縁を常に良好な状態に保持することとしており、その絶縁抵抗は使用電圧に対する漏えい電流が定格電流の1/5,000以下となるよう規定している。
電路の絶縁抵抗をその漏れ電流の割合で規定したのは、絶縁抵抗の測定は、主回路と補助回路等に分けてその機器を含めて測定されるため、一律に絶縁抵抗値によることが困難であるからである。なお、絶縁抵抗試験は、一般にはメガーで測定し、その値と電路の使用電圧から漏れ電流を逆算する方法が採用されている。
第二号イは、遊戯用電車に電気を供給する電路の使用電圧は直流にあっては60V以下、交流にあっては40V以下としている。ここで直流電圧と交流電圧とで差異があるのは、危険度の問題であり、詳細については省令第2条及び第16条の解説を参照されたい。ロでは、交流40V以下又は直流60V以下の電圧に電気を変成するために使用する変圧器の1次側線間電圧は300V以下であることとしている。これは万一変圧器に事故を生じた場合の危険をできるだけ少なくするためである。
ハは、遊戯用電車に関する電気設備に事故を生じた際に、他の回路と独立に遮断できるように専用の開閉器を設置することとしている。
第三号は、レール及び接触電線は、人が容易に立ち入らないようにさく等を設けた場所に施設することとしている。
第四号は、電路の一部として使用するレールの継目は溶接又はボンドにより電気的に接続することとしている。その趣旨は、レールの継目は、これを継目板とボンドで接続するだけでは電気抵抗が大きく、このままレールを帰線として使用すると、電力損失や電圧降下が大きく、甚だしい場合は安定した電車の運転を困難にし、また、帰線から大地への漏れ電流を増加させて付近の金属製地中管路の電食の原因ともなるので、レールを溶接する場合を除き、レール電流に相応した断面積を有する適当な種類、型式のボンドでレールを接続すべきことを規定している。
第五号は、変圧器、整流器等とレール及び接触電線とを接続する電線や接触電線相互を接続する電線の工事方法についての規定であり、使用電圧も低く、かつ、施設場所及び工事方法がまちまちであるのでケーブル工事による場合のほかは、簡易接触防護措置を施すこととしている。