電気設備の技術基準の解釈の解説

第107条(35,000V以下の特別高圧架空電線と低高圧架空電線等との併架又は共架)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.156–157

〔解 説〕 本条は、35kV以下の特別高圧架空電線と低高圧架空電線等との併架又は共架について規定している。

第1項

第1項は、35kV以下の特別高圧架空電線に低高圧架空電線を併架する場合について規定している。特別高圧架空電線路の支持物に低高圧架空電線を施設することは、混触による危険のほか、特別高圧架空電線路の事故時に異常電圧が低高圧架空電線側に侵入するおそれや、静電誘導等による障害を生じるおそれなどがあるので、できるだけ施設すべきではないが、やむを得ない場合は本条により施設方法の強化を図ることで施設を認めている。施設に当たっては、第一号から第三号までに示すように、特別高圧電線路の構造を特に堅固にするとともに、両者間の離隔距離を確保し、併架電線には混触の際に備えて保安対策を講じることとしている。
なお、第86条の規定に基づき特別高圧架空電線にケーブルを使用する場合は、併架する相手の低高圧架空電線が絶縁電線又はケーブルの場合に限り、特別高圧架空電線を低高圧架空電線の下に施設することができ、また、相互の離隔距離も1.2mから0.5mまで減ずることができる。
第三号ロは、特別高圧架空電線がケーブルである場合又は特別高圧架空電線が特別高圧絶縁電線であって、かつ、電線路を市街地等における施設並みに強化した場合(→ハ(イ)、(ロ))を除き、特別高圧架空電線と低高圧架空電線とが万一混触した場合に危険であるため、併架される低高圧架空電線に保安対策を施したものを使用することを示している。
(イ)については、同一支持物に施設される部分に接地工事を施す必要があることを示している。従来は、その併架部分の両端と低圧電線が引き込み又は引き出される関係発・蓄・変電所との両方に施設することを要求していた。現在は(ロ)の場合とのバランスから、そこまでは要求していないが、危険性を考えると従来どおり施設することが望ましい。(ハ)では、高圧架空電線の場合は、第25条第1項に定める放電装置を施設することを示している。この場合も、低圧架空電線の場合と同様、併架部分の両端と関係発・蓄・変電所の引込口又は引出口に施設することが望ましい。(ニ)
の「直流単線式電気鉄道用架空電線その他の大地から絶縁されていない電路」とは、直流単線式電気鉄道用のき電線、電車線又は架空絶縁帰線のようなものをいう。(ホ)は、特別高圧架空電線路の支持物に施設する低圧の電気機械器具に供給する低圧架空電線とその支持物に施設されている特別高圧架空電線との併架の場合の施設方法を示したものである。

第2項

第2項は、35kV以下の特別高圧架空電線と低高圧の電車線とを併架する場合の規定であり、詳細については、第104条の解説を参照されたい。

第3項

第3項は、35kV以下の特別高圧架空電線と架空弱電流電線等とを共架する場合の規定であり、35kV以下の特別高圧架空電線と架空弱電流電線との共架についてはS47基準で、光ファイバケーブルとの共架についてはS60基準で追加された。
なお、電力保安通信線と特別高圧架空電線とが同一支持物に施設される場合(一般に添架という。)については、第136条、第137条及び第138条によりその施設方法が示されており、電気鉄道用専用敷地内に施設する電気鉄道用の通信線については、国土交通省令で規制することになっているので、本条からは除いている。規定の内容は、第一号から第四号において、低高圧架空電線を併架する35kVを超え100kV未満の特別高圧架空電線()並みの保安を要求し、
第六号及び第七号において、高圧架空電線と架空弱電流電線等を共架する場合()と同様に規定している。
第五号は、誘導障害防止の観点からの規定であり、省令第27条により架空弱電流電線への誘導障害がなければ問題はないが、ここでは特に弱電流電線が電気的遮へい層を有する通信用ケーブルであることとしている。なお、S57基準では、特別高圧架空電線に特別高圧絶縁電線を使用し、かつ、特別高圧架空電線路を市街地における施設並みに強化し、弱電流電線路の管理者の承諾を得た場合には、金属製の電気的遮へい層を有する通信用ケーブル以外のものの使用を認めた。
第六号及び第七号については、第81条の解説を参照されたい。
第八号は、35kV以下の特別高圧架空電線と架空弱電流電線等との共架において、架空弱電流電線等が支持物に多く施設されると、架空弱電流電線等の上に施設された電線又は電気機械器具を保守又は修理する場合に、支障を及ぼすおそれがあるため、S60基準で新たに規定したものである(解説)。

公式資料該当頁: p.156–157

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

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