電気設備の技術基準の解釈の解説
第104条(35,000Vを超える特別高圧架空電線と低高圧架空電線等との併架)
経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.154–155
〔解 説〕 特別高圧架空電線路の支持物に低高圧架空電線を施設することは、混触による危険のほか、特別高圧架空電線路の事故時に異常電圧が低高圧架空電線側に侵入するおそれや、静電誘導等による障害を生じるおそれなどがあるので、できるだけ施設すべきではないが、やむを得ない場合は本条により施設方法の強化を図ることで施設を認めている。ただし、100kV以上の特別高圧架空電線路には、第3項に規定する低圧架空電線を除き、施設しないこととしている。
第1項
第1項は、35kVを超え100kV未満の特別高圧架空電線と低高圧架空電線を併架する場合についての規定であり、特別高圧架空電線を第2種特別高圧保安工事(→第95条)により施設することなど、特別高圧架空電線が低高圧架空電線と第2次接近状態に施設される場合と同程度の施設とすることとしている。
なお、特別高圧架空電線にケーブルを使用する場合については、従来、使用電圧が35kV以下の特別高圧架空電線についてのみ規定していたが、35kVを超える架空ケーブルであっても、それ以下のケーブルと基本的特性は変わるものではなく、60kVを超える実績も既に出てきており、今後も適用の増加が見込まれることから、H9解釈で追加した。
第2項
第2項は、低圧架空電線が次項の航空障害灯などの低圧電気機械器具に接続するものである場合を除き、低圧架空電線と100kV以上の特別高圧架空電線路とを併架して施設しないこととしている。
第3項
第3項は、特別高圧架空電線路の支持物に施設する低圧の電気機械器具に供給する低圧架空電線とその支持物に施設されている特別高圧架空電線との併架の場合の施設方法を示したものである。
なお、35kVを超える特別高圧架空電線にケーブルを使用する場合は、第1項の解説と同様の理由から、H9解釈で離隔距離を減ずることができることとした。
第4項の特別高圧架空電線と直流電車線とを併架することは、従来、特別高圧架空電線と鉄道との接近という形でとらえていたが、特別高圧架空電線の使用電圧も高くなってきたため、S38工規で新たに規定した。施設方法は、特別高圧架空電線と低高圧架空電線との併架の場合と全く同様であるので、第1項及び第2項をそのまま準用している。直流電車線の多くは単線式であり、したがって、第1項第三号ロ(ニ)に該当するものがほとんどである。また、直流電車線は、第205条の規定により低圧の場合でも直径7mm以上の電線を使用することとなる(高圧電車線については、全て専用敷地内に施設されるため、その太さをこの解釈では定めていないが、国土交通省令では85mm2以上と定めている。)ので、第1項第三号の要求も自然に満たされることになる。また、使用電圧が35kVを超え100kV未満の特別高圧架空電線と直流電車線との併架については、第1項を準用することになるが、特別高圧架空電線と鉄道との接近に係る制約(→第98条第2項)
があるため、直流電車線としての特有な問題は特別高圧架空電線と直流電車線との離隔距離だけ(単線式電気鉄道でない場合は、混触による危険防止施設も必要であるが、その例はほとんどないと言える。)ということになる。電気鉄道の専用敷地内に施設され、かつ、国土交通省令によって規制を受ける電気設備については、本省令第3条の規定により適用除外している。しかし、電力会社の送電線については国土交通省令の適用を受けないので、この条文による必要がある。