電技解釈第156条(低圧屋内配線の施設場所による工事の種類)。湿気の多い場所でも使える工事を、156-1表で選ぶ。

点検できない隠ぺいでも使える4工事。低圧屋内配線の場所と156-1表

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この記事は電技解釈第156条(低圧屋内配線の施設場所による工事の種類)のうち、156-1表の工事種類と場所を扱います。CD管は第158条、粉じん・ガス・危険物・火薬庫は第175条から第178条です。施工の判断は、条文の本文を確認してください。

この記事でわかること


  • 合成樹脂管(CD管を除く)・金属管・2種金属可とう・ケーブルは、156-1表では場所の制限がない
  • がいし引きは、点検できない隠ぺい場所には施設できない
  • CD管は第158条。粉じん・ガス・危険物・火薬庫は第175条から第178条。156-1表の対象外

こんな人におすすめ


  • 第二種の筆記で、点検できない隠ぺい場所に使える工事を確認したい
  • CD管やがいし引きのひっかけを、156-1表の前に整理したい
  • 低圧屋内配線の工事種類を、場所から選びたい

はじめに

低圧の屋内配線では、場所と電圧に応じて、使える工事の種類が決まります。根拠は電技解釈第156条です。

合成樹脂管工事(CD管を除く)、金属管工事、2種金属可とう電線管工事、ケーブル工事は、156-1表では施設場所の制限がありません。がいし引き工事は、点検できない隠ぺい場所には施設できません。

第156条は、第172条第1項と、第175条から第178条までの場所を除き、156-1表に規定する工事のいずれかによる、とします。

解説では、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事及びケーブル工事は、施設場所及び使用電圧の制限を受けないで施設できる、としています。制限を受けない金属可とうは 2種です。1種は第160条第2項第二号です。ケーブル工事も、電線の種類によって第164条で制限を受けます。

CD管は、156-1表ではなく第158条第3項第七号です。直接コンクリートに埋め込むか、専用の不燃性又は自消性のある難燃性の管又はダクトに収める、とします。

第二種電気工事士の筆記でも、同じ表が ○× で並びます。この記事では、電技解釈第156条のうち、156-1表の工事種類と場所を扱います。CD管と 1種の制限は、表の○のあとに残る条件として見ます。

156-1表。工事と場所

想定シーン: 一般の場所の低圧屋内配線に、どの工事を使ってよいかを決める

起点は施設場所です。電技解釈第156条は、第172条第1項と、第175条から第178条までに規定する場所を除き、156-1表に規定する工事のいずれかにより施設すること、とします。

施設場所の区分(電技解釈第1条)
区分定義
展開した場所点検できない隠ぺい場所及び点検できる隠ぺい場所以外の場所
点検できる隠ぺい場所点検口がある天井裏、戸棚又は押入れ等、容易に電気設備に接近し、又は電気設備を点検できる隠ぺい場所
点検できない隠ぺい場所天井ふところ、壁内又はコンクリート床内等、工作物を破壊しなければ電気設備に接近し、又は電気設備を点検できない場所

定義は電技解釈第1条第二十九号から第三十一号です。乾燥した場所は、湿気の多い場所及び水気のある場所以外の場所です。156-1表の「湿気」は、湿気の多い場所又は水気のある場所です。

条件156-1表
合成樹脂管(CD管を除く)・金属管・2種金属可とう・ケーブル場所の制限なし
がいし引き工事点検できない隠ぺい場所にはない
金属線ぴ工事・ライティングダクト工事乾燥した場所の 300V 以下
金属ダクト工事乾燥した場所(300V超過も可)

がいし引きがどこで落ちるか、フロアダクトがどこで出るかは、次の抜粋です。

156-1表の抜粋(○は施設できる。乾燥の列は300V以下)
工事展開・乾燥点検できる隠ぺい・乾燥点検できない隠ぺい・乾燥点検できない隠ぺい・湿気
がいし引き工事
合成樹脂管工事
金属管工事
金属可とう電線管工事
金属線ぴ工事
金属ダクト工事
バスダクト工事
ケーブル工事
フロアダクト工事
セルラダクト工事
ライティングダクト工事
平形保護層工事

300V 超過と、展開した場所の湿気は、156-1表を開いてください。表の○でも、金属可とうで制限を受けないのは 2種です。1種は第160条第2項第二号です。CD管は第158条第3項第七号です。ケーブルの種類は第164条です。

この場所で使える工事は

想定シーン: 点検できない隠ぺい場所で、湿気の多い場所に低圧屋内配線を施設する。使用できる工事はどれでしょうか?

この問題で見るもの

場所
点検できない隠ぺい場所。湿気の多い場所です。
156-1表。この欄に○がある工事だけ使えます。
  1. まず、第156条の対象かを確認する

    第156条本文は、第172条第1項と、第175条から第178条までに規定する場所を除きます。ショウウィンドー等、粉じんの多い場所、可燃性ガス等、危険物等、火薬庫でなければ、156-1表を使います。

    この問題は一般の隠ぺい場所なので、156-1表の対象です。

  2. 156-1表の欄に当てはめる

    点検できない隠ぺい場所の、湿気の多い場所又は水気のある場所の欄です。この欄にあるのは、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、ケーブル工事です。がいし引き工事、金属線ぴ工事、金属ダクト工事、バスダクト工事、ライティングダクト工事はこの欄にありません。

  3. 表の○でも、種別に制限がないかを見る

    使える工事は、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、ケーブル工事です。

    金属可とう電線管工事なら、制限を受けないのは 2種です。1種は第160条第2項第二号で、展開した場所又は点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所などに限られるので、この問題の場所には使えません。合成樹脂管の CD管は、第158条第3項第七号の施設方法に当たるときだけです。

この問題の欄
工事点検できない隠ぺい・湿気
合成樹脂管工事
金属管工事
金属可とう電線管工事(2種)
ケーブル工事
がいし引き工事
バスダクト工事

色の列がこの問題です。展開した場所の湿気の多い場所の 300V 以下なら、がいし引き工事とバスダクト工事も ○ です。点検できない隠ぺいでは外れます。

よくある勘違い

次の3つは筆記試験でも現場施工でもよく間違えてしまう注意ポイントです。

  • CD管を、合成樹脂管の○に混ぜない

    156-1表の合成樹脂管工事は、場所の制限がありません。CD管を除く旨は、表には書いてありません。

    CD管は第158条第3項第七号です。直接コンクリートに埋め込むか、専用の不燃性又は自消性のある難燃性の管又はダクトに収める、とします。木造の天井裏や壁内に、CD管をそのまま伸ばさないでください。

  • がいし引きを、隠ぺいの奥まで伸ばさない

    がいし引き工事は、展開した場所と、点検できる隠ぺい場所にはあります。点検できない隠ぺい場所の欄にはありません。

    解説では、他の工事に比べて十分安全とはいい難いので、点検できない隠ぺい場所には施設しない、としています。

  • 金属可とう電線管の 1種と 2種を混ぜない

    156-1表の金属可とう電線管工事は、場所の制限がありません。解説では、その「制限を受けない」は 2種金属製可とう電線管を使うときです。

    1種は、展開した場所又は点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所であること、など第160条第2項第二号です。表の○だけ見て 1種を湿気のある隠ぺいに使わないでください。

危険場所は第175条から第178条

この記事で扱っているのは、一般の場所の 156-1表です。粉じんの多い場所、可燃性ガス等の存在する場所、危険物等の存在する場所、火薬庫は、電技解釈第175条から第178条で、156-1表の対象ではありません。ショウウィンドー等は第172条第1項です。

関連する条文
内容該当条筆記試験内容
一般の場所の工事種類第156条(156-1表合成樹脂管(CD管を除く)・金属管・2種金属可とう・ケーブルは場所の制限なし
粉じんの多い場所第175条156-1表の対象外
可燃性ガス等・危険物等第176条・第177条156-1表の対象外
火薬庫第178条156-1表の対象外

よくある質問

Q点検できない隠ぺい場所でも使える工事は?

電技解釈156-1表では、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、ケーブル工事です。乾燥した場所の300V以下なら、フロアダクト工事とセルラダクト工事もあります。金属可とうは2種に限ります。CD管は第158条第3項第七号です。がいし引き工事はこの欄にありません。

QCD管は天井裏に施設できる?

合成樹脂管工事として、CD管を木造の天井裏や壁内にそのまま施設することはできません。電技解釈第158条第3項第七号は、CD管を直接コンクリートに埋め込むか、専用の不燃性又は自消性のある難燃性の管又はダクトに収めて施設すること、とします。156-1表の合成樹脂管工事の○は、この制限を外しません。

Q点検できない隠ぺい場所に、がいし引き工事はできる?

できません。解説では、がいし引き工事は他の工事に比べて十分安全とはいい難いので、点検できない隠ぺい場所には施設しない、としています。156-1表でも、点検できない隠ぺい場所の欄にがいし引き工事はありません。

Q金属可とう電線管工事は、どこでもよいか?

156-1表では、金属可とう電線管工事は場所の制限がありません。ただし解説では、制限を受けないのは2種金属製可とう電線管を使うときです。1種金属製可とう電線管は、第160条第2項第二号で、展開した場所又は点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所などに限られます。

Q湿気の多い場所でも使える工事は?

電技解釈156-1表では、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、ケーブル工事は、展開した場所でも隠ぺい場所でも、湿気の多い場所又は水気のある場所に施設できます。展開した場所の300V以下では、がいし引き工事とバスダクト工事も使えます。点検できる隠ぺい場所の湿気では、がいし引き工事もあります。バスダクト工事はありません。

Q粉じんの多い場所も、156-1表で選ぶ?

選びません。第156条本文は、第175条から第178条までに規定する場所を除いています。粉じんの多い場所は第175条、可燃性ガス等は第176条、危険物等は第177条、火薬庫は第178条です。

おわりに

まずは、問題文の場所が展開か隠ぺいか、乾燥か湿気かを見て、156-1表の欄に当てはめると理解が深まります。表の○のあとに、CD管と 1種が残っていないかも見てください。

NeuroQuest では、第二種電気工事士の記事と過去問を、電技解釈を根拠にしてお届けします。幹線の太さも、あわせてご覧ください。

この記事を書いた人

第3種電気主任技術者 · 第1種電気工事士 · 第2種電気工事士 · 二級電気施工管理技士 · 二級土木施工管理技士 · 測量士補

電力設備の保全・施工管理を経て、このガイドを書いています。 経歴はこちら