電気設備の技術基準の解釈の解説

第87条(特別高圧架空電線の高さ)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.132–133

第1項

〔解 説〕 本条は、特別高圧架空電線の地表上、横断歩道橋の路面上、レール面上、水面上及び積雪面上の高さを示したもので、第1項では特別高圧架空電線路の電圧を35kV以下、第2項では35kVを超え160kV以下、160kVを超えるものに分け、高さを規定している。ここで低高圧架空電線路の場合に定めているものと同様、電圧の大小とは無関係な最低の地表上の高さが必要であるが、電圧が高くなればそれ以上の高さが必要となる。この電圧と地表上の高さとの関係については、アメリカのNational Electrical Safety Code、ドイツのVDEなどの基準を参照し、かつ、旧工規に規定されていた値を勘案した。電圧の段階については実情を加味し、更に、最小絶縁間隔+5mの範囲に入るよう160kVを境としたものであり(→解説87.1図)、この値はあくまでも最低の値で、実際の送電線路建設に際しての地表上の高さは、地表上の電界強度、工作物等との離隔距離などを考慮し、各々の地点により最終的に定まるものである。
解説87.1図
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横断歩道橋路面上の高さについては、S43基準では一般道路箇所と同等の高さとするよう定められていたが、S47基準で使用電圧が35kV以下においてケーブルを使用する場合の規定を、S57基準で特別高圧絶縁電線を使用する場合の規定を、H9解釈で使用電圧が35kV超過160kV以下においてケーブルを使用する場合の規定を追加したもので、その基本的な考え方については低高圧架空電線の場合と同様である(解説)。
一方、架空電線路は様々な地域を通過するため、その高さは単純に電圧のみで決められない場合がある。第3項の水面上の規定等もその例である。なお、35kV以下の場合の地表上の高さを5mに緩和しているのは、この解釈では、35kVを電圧の1つの危険段階としているので、経費節減の点から特殊箇所を除いて認めたものである。

第3項

第3項は、水面上に施設する場合の架空電線の高さを水上交通に危険を及ぼさないように適当な高さに保持させることを示している。船舶等のように水面上における最大高さが定まらないものについては、水深その他の状況から航行が予想される船舶の最大高さを考慮して架空電線の高さを決定する。海峡や河川に架空電線を施設する場合は、海峡が航路及びその周辺の海域に該当する場合は、海上交通安全法の規定により海上保安庁長官の許可が必要であり、また、河川に施設する場合は、河川法の規定により河川管理者の許可が必要である。したがって、これらの管理者と協議の上、船舶の航行等に危険を及ぼさない高さとすることにより、安全を確保することができる。なお、海峡については、海域等により適用を受ける法令が異なるため、事前に最寄りの管区海上保安部警備救難部航行安全課又は各海上保安管署に問い合わせられたい。

第4項

第4項では、氷雪の多い地方では地表上の高さを地表上にとるか積雪面上にとるかで相当の差異が生じるので、積雪面上を人又は車両が通行する場合に支障が生じないような高さをとることを規定している。しかし、相当な量の積雪がある上を大型の車両が通行することはほとんど考えられないので、交通が頻繁でない場合は、最大積雪面上3~4mの高さをとれば特に危険とはいえない。なお、市街地における地表上の高さは、第88条に示している。
架空電線路の設計に当たっては、この地表上の高さが、支持物の高さを直接的に決定することとなる。すなわち地表上の高さの制限と弛度()から、支持物の最下段の電線取付け点が決定される。一般に、この際の弛度は高温季荷重により、また、気温は最高温度を考えることにしている。

公式資料該当頁: p.132–133

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

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