電気設備の技術基準の解釈の解説
第82条(低圧架空電線路の施設の特例)
経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.130–131
〔解 説〕 本条は、低圧架空電線路の施設の特例について示している。
第1項
第1項では、農事用低圧架空電線路について、使用電圧が300V以下であって、各号により施設する場合は、電線の引張強さ及び地上高の緩和が可能であることを示している。農事用低圧架空電線路は、灌漑排水、脱穀調整等短期間に使用するものであって、その設備の利用率が低く、これに一般的な施設基準を要求することは経済上困難な場合が少なくない。さらに、一般の人及び家畜の往来も少なく、使用期間も短期間であることと相まって人及び家畜に危害を与えるおそれが少ないので、本条では、他の工作物との接近又は交差等において特に問題のない場合における農事用低圧架空電線路の施設について、一方においてできるだけ諸条件を緩和するとともに、他方において経済負担をあまり増加させない範囲で条件を付加している。
第一号は、施設場所の制限、第二号及び第三号は、第65条第1項の電線の引張強さ及び第68条の地表上の高さについて示している。すなわち、絶縁電線の引張強さ2.3kNを1.38kNに、絶縁電線の太さ2.6mmを2mmに、地表上の高さ4mを3mまでとしている。しかし、第四号で木柱の最小末口を9cm以上とすること、第五号でその最大径間を30m以下とすること、第六号で専用の開閉器及び過電流遮断器を施設することとしているように、一般には示されていない点についても条件を付加している。第六号の開閉器については、農事用低圧電線路を使用する期間が非常に短く、その期間中でも連続使用することが少ないので、必要に応じて開閉できるように各極に開閉器を施設することを示している。
第2項
第2項は、自家用電気工作物設置者の構内など一般公衆が自由に立ち入ることがない場所の300V以下の構内低圧架空電線路の施設方法の緩和について示している。
第一号は、構内低圧架空電線路が建造物の上部、幅5mを超えるような道路(→第1条第二十五号)、横断歩道橋などと交差する場合及び構内低圧架空電線路の支持物の高さに相当する水平距離以内にこれらのものが接近する場合を除き、一般の工事方法のうち第65条第1項第二号の電線の引張強さ及び第78条第1項の他の工作物との離隔距離を緩和している。
第二号は、第65条の電線の引張強さを緩和している。一般架空電線の引張強さ2.3kN以上の絶縁電線又は直径2.6mm以上の硬銅線の絶縁電線に対して、引張強さ1.38kN以上の絶縁電線又は直径2mm以上の硬銅線の絶縁電線が使用でき、さらに、径間が10m以下の場合は引張強さ0.62kN以上の絶縁電線又は直径2mm以上の軟銅線の絶縁電線が使用できる。
第三号は、構内電線路として30m以下の径間の場合は緩和できることを示している。
第四号は、第78条で示している造営物の上部造営材の上方との離隔距離を第78条に比べ緩和している。なお、S57基準で電線に特別高圧絶縁電線を使用する場合を追加した。
第3項
第3項は、構内低圧架空電線の高さを緩和している。
第一号は幅5m以下の道路横断で、一般の場合(→第68条)の地表上6mを4mに緩和し、第二号は道路沿い等の場合で、一般の場合の地表上5mを3mに緩和している。