電気設備の技術基準の解釈の解説
第79条(低高圧架空電線と植物との接近)
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〔解 説〕 本条は、低高圧架空電線と植物との接近について規定している。低高圧架空配電線路は、樹木と接触して地絡事故や断線事故を起こさないよう、H9解釈で平時吹いている風等を考慮した上で、植物に接触しないように施設することとした。また、樹木との接触に対して十分な絶縁性能及び耐摩耗性を有する防護具に電線を収める場合や、防護具に収めた場合と同等の絶縁性能及び耐摩耗性を有する電線を使用する場合には、これを緩和できることとした。
第一号では、離隔を緩和できる防護具について規定している。防護具は解説79.1図 (a)のように絶縁耐力及び耐摩耗性を有する摩耗検知層とその上部に摩耗層を施した構造とし、樹木が防護具に接触しても直接電線には接触しないよう電線を覆うことができることとしている。摩耗検知層は、摩耗層と異なる色にするなど、摩耗層が摩耗した際に識別可能な構造としている。
また、摩耗層が摩耗して摩耗検知層が露出した状態で、ロの(イ)、(ロ)の防護具としての耐圧試験に適合するとともに、民間規格評価機関として日本電気技術規格委員会が承認した規格である「ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法」の「適用」の欄に規定する摩耗試験で、荷重24.5Nにより試験を行ったとき、回転数500回転で防護具に穴が開かないこととしている。径間40m、年間平均風速4m/sの場合における電線と樹木の接触による摩耗量を解析した結果、この荷重24.5N回転数500回転の摩耗量は、約13年間以上の摩耗量に相当しており、これだけの耐摩耗性を有していれば、摩耗層が摩耗して摩耗検知層が露出しても点検、改修するまでに充分な期間があることになる。
解説79.1図
第二号では、離隔を緩和できる電線について規定している。電線は解説79.1図 (b)のように、絶縁電線(→第3条、第5条)の上部に、絶縁耐力及び耐摩耗性を有する摩耗検知層と摩耗層を施した構造とし、一様な厚さに被覆したものとしている。また、第一号で規定している防護具同様、摩耗検知層が露出した状態での耐圧性能についても規定しており、
第5条第1項第四号の絶縁電線の耐圧試験を、解説79.1表の右欄に掲げる絶縁電線の試験電圧と防護具の試験電圧を加えた試験電圧で行い、これに耐えることとしている。耐摩耗性能についても、第一号の防護具と同等の性能を有することとしている。
〔解説79.1表〕
第三号は、H23解釈で追加したものであり、高圧の架空電線にケーブルを使用する場合には、第一号に規定する防護具のほか、日本電気技術規格委員会 JESC E2020(2016)「耐摩耗性能を有する『ケーブル用防護具』の構造及び試験方法」に適合する防護具に収めて施設すれば、離隔距離を緩和できることを示している。ケーブルは、それ自体が高い絶縁性能を有しており、また、万一絶縁破壊により地絡を生じた場合についても、遮へい層により保護できることから、JESC規格では、防護具の構造、材料及び耐摩耗性能の試験方法のみを規定している。R4解釈より、民間規格評価機関として日本電気技術規格委員会に承認された規格リストと関連づけられ、当該機関の公開ページにて掲載されている。