電気設備の技術基準の解釈の解説

第196条(電気温床等の施設)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.284–285

〔解 説〕 本条では、野菜、稲等の育苗、草花、果実等の栽培又は養蚕、ふ卵、育すうなどの用途に用いられる電熱装置(これらを総称して「電気温床等」といっている。)について規定している。なお、電気用品安全法の適用を受ける電気育苗器、観賞植物用ヒーター、電気ふ卵器及び電気育すう器を使用するものは、本条の適用を受けない。また、又は第3項のフロアヒーティングに準じた施設も、この規定から除外されている。

第1項

第1項では、電気温床等には、その用途によって種々の形態のものがあるので、これらに共通な事項を規定している。
第一号は、供給電路及び発熱線の使用電圧の制限で、保安上は150V以下とすることが望ましいが、動力等他の用途の電源を利用することにより電気の多角利用ができる点などを考慮して、300V以下と規定している(したがって200V回路から供給できる。)。
第二号は、発熱線とその付属電線は電気温床線を使用することとしている。すなわち、電気温床は、電気用品安全法の適用を受けるので、その対象となるものを使用する必要がある。
第三号は、電気温床線には外装のあるものと外装のないものとがあり、一律に規定することはできないが、施設箇所又は使用電気温床線の性能に応じて、適当な方法を講じる必要がある。
第四号では、発熱線の熱による劣化又は軟化を防止するため温度を制限している。これはもちろん、実際の施設状況における温度であって、電気温床等がその本来の目的、すなわち育苗器であれば育苗のために最も適当な温度になるように設計すべきであることはもちろんであるが、発熱線の表面温度が80℃を超えないようにその設計をすべきことを示したもので、ビニル被覆の急激な劣化や軟化を招かない程度のものとして80℃(60℃以下とすることが望ましい。)としている。なお、育苗等の使用目的によって温度を自動調節する装置が設けられることが多い。
第五号は、他の工作物に対する電気的、磁気的又は熱的な障害を防止する規定である。
第六号は、万一、電気温床線の絶縁劣化等のため金属被覆又は金属製の防護装置に漏電した場合の危険を防止するために施すもので、保安の観点からは接地抵抗値は小さいほどよいが、D種接地工事でよいとしている。
第七号は、電気温床等の事故時に他の回路と独立に開路できるように専用の開閉器及び過電流遮断器を設けることを規定している。第八号は、主として第2項に該当する電気温床等で箱内に施設し、その内部に過電流遮断器を内蔵し、更に電気温床等に付属する移動電線と配線とを差込み接続器等(これにより開閉操作を行うことができる。)を用いて接続するようになっているものについて、除外している。

第2項

第2項は、発熱線を空中において、がいし引き又は金属管に収めて施設する方法について規定している。なお、樹木に直接発熱線を巻き付ける場合には第4項の規定が適用される。
第一号は、発熱線を温室内に施設する規定で、がいし引き工事(→解説)に準じた工事方法を要求しているが、発熱線相互間の間隔等を緩和している。また、育苗器、育すう器等で箱内に施設するものは、更に工事方法を緩和している。なお、「電気育苗器」等の名称で市販されているものがあるが、これは電気用品安全法の適用を受けるので、第1項において、本条の適用を除外している。
第二号は、空中において発熱線を金属管に収めて施設するもので、金属管工事(→解説)に準じた工事方法を要求している。

第3項

第3項は、発熱線をコンクリート内に施設する場合で、主として家畜小屋などの暖房用と魚の養殖用に利用される場合が多く、第一号で電気温床線を合成樹脂管(厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管を除く。)又は金属管に収め、合成樹脂管工事(→解説)又は金属管工事(→解説)に準じた工事方法を要求している。電気温床線を直接コンクリート中に埋め込むことは認められないが、フロアヒーティング用の発熱線を使用する場合には、の規定により家畜小屋の暖房又は魚の養殖用の施設ができる。
第二号は、家畜小屋では水を取り扱う場合が多く、魚の養殖では発熱線を水槽の底部のコンクリート内に施設するので、作業員の感電防止の観点から漏電遮断器又は漏電警報器を施設することを規定している。

第4項

第4項は、発熱線を地中、水中、泥中等に施設する場合の規定であり、発熱線の施設場所の明示のほか、感電防止の観点から、対地電圧が150V以下のものを地中に施設する場合を除き、漏電遮断器を設置することとした。

公式資料該当頁: p.284–285

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

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