電気設備の技術基準の解釈の解説

第128条(地上に施設する電線路)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.179–180

〔解 説〕 地上電線路とは、地中電線路の保蔵物の一部又は全部を地上に露出したものと考えることができる。地上電線路は工場構内等において、地中に施設する埋設物が多い場合に、電線路を地上に施設する方が保安上及び経済上かえって有利な場合等に用いられる。

第1項

第1項では、地上電線路の施設範囲を規定しており、第一号及び第二号で施設範囲を1構内だけ及び1構内専用(→解説110.1図)に限定している。地上電線路は、屋側電線路と同様、架空電線路や地中電線路に比べて本来好ましい電線路とはいい難いので、このような施設範囲が規定されている。
しかしながら、1構内だけ及び1構内専用の設備にとどまらないケースとして、H9解釈では、一般公衆が立ち入らないように措置した場所に施設する場合で、地中電線路から橋に施設する電線路及び電線路専用橋等に施設する電線路に接続された地上電線路に限り施設可能とした。
なお、地上電線路で使用期間が2カ月間の臨時的なもの(特別高圧については災害復旧用のもの)については、第133条第8項に規定する方法により施設すれば、本条の規定によらないことができる。

第2項

第2項は、低高圧の地上電線路の工事方法を規定したものであり、第三号は、低高圧の電線にケーブル(低圧のものにあっては第9条、高圧のものにあっては第10条の規定によること。)又は構造的に比較的丈夫な3種及び4種(高圧のものにあっては、3種)の耐候性、耐オゾン性等に優れた性能を有するクロロプレンキャブタイヤケーブル、クロロスルホン化ポリエチレンキャブタイヤケーブル又は耐燃性エチレンゴムキャブタイヤケーブル(低圧に限る。)()を使用することとしている。
第四号は、電線にケーブルを使用する場合の規定であり、他の地上電線路との離隔距離を地中電線路の場合と同様にとるほか、ケーブルを鉄筋コンクリート製の堅ろうな開きょ(通常、ダクト又はトレンチといわれる。)又はトラフに収め、開きょには一般公衆が容易に開けることができないような構造の鉄製又は鉄筋コンクリート製その他の堅ろうなふたを設けることを規定している。S57基準で、「その他の堅ろうなふた」を追加規定したが、これは強化プラスチック複合板等を用いたふたが開発されたので、従来の鉄製やコンクリート製のものに加え、これらと同等以上の堅ろうなふたであればよいこととしたものである。
第五号は、電線にキャブタイヤケーブルを使用し、電線を移動して使用する場合の規定である。特に、電線路の範ちゅうでこのような移動性のものを考えざるを得なくなったのは、最近、港湾のふ頭におけるガントリークレーン(→解説128.1図)などの移動して使用するものが大型化し、そのため高圧で電気を供給する必要が生じたこと、更にガントリークレーンのような電動機、照明器具、制御機器など多数の電気使用機械器具(→第142条第九号解説)の集合体となり、負荷容量の大きいものは一つの電気使用場所(→省令第1条第八号解説)の単位を形成するものとして考えざるを得なくなり、一つの移動電線路(→第171条)の形態をもつことになったためである。
規定内容には、移動することが明記されていないが、規定の趣旨は上記のとおりであり、特認による施設実績を参考としている。イは、電線の接続点は第12条の規定に従うにしても、移動して使用する場合の弱点となりやすいことから、電気機械器具との接続以外は中間で接続点を設けないこととしている。ロは、一般公衆が出入りできないようにさく等をめぐらした場所以外では、原則として地表上を転がしたり、引きずったりしないこととし、所定の開きょに収めることとしている。ハ及びニは、屋外高圧移動電線(→第171条解説)と同様である。

第3項

第3項は、特別高圧地上電線路に対する規定であり、地中電線路に比べて危険度が高いので、使用電圧又は施設条件に制限を設けている。本項は、工場構内等では、地下埋設物や地上の架台が錯そうし、本項の規定による電線路とした方がむしろ保守上便利なこともあるのでその施設を認めているものであり、あくまでも技術上やむを得ない場合に限られる。
この場合の工事方法は、固定して施設する場合に限定し、ケーブルを低高圧の地上電線路と同様、開きょ又はトラフに収めること、金属製部分にA種接地工事を施すこと及び地中弱電流電線や低高圧の地中電線と離隔距離を確保することを規定している。
なお、第38条の規定により構内に一般公衆が立ち入らないように施設した発電所、蓄電所、変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所の構内の地上に施設する電線は、本条の電線路と解しない。

第4項

第4項は、令和5年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査に基づき、第1項~第2項によらない施設範囲及び工事方法を規定したものである。地上に施設する高圧電線路に求められる保安レベルを満足することを確認した内容を民間規格にまとめており、当該規格で規定する特定の場所において、管路等に高圧ケーブルを収めて地上施設することを認めている。
解説128.1図
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公式資料該当頁: p.179–180

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

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