電気設備の技術基準の解釈の解説

第129条(橋に施設する電線路)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.180–181

〔解 説〕 橋に施設する電線路とは、いわゆる「橋りょう添架電線路」のことであって、本条では、鉄道橋あるいは道路橋等に添架する電線路について規定し、電線路専用橋その他これに類するもの(解説)に施設する電線路については、次条に規定している。また、橋に支持物を施設して架線するものは架空電線路と見なされ、本条の規定は適用されない。一般に常時人の通行する橋(道路橋)に電線路を施設する場合は、美観上から橋の上面や側面に施設されることはほとんどないが、私有の橋などの場合にはその可能性も考えられるので、本条では保安上支障のない範囲について定めている。
なお、鉄道又は軌道の専用の橋の電線路で国土交通省令の規制を受けるものは、第2条の規定により本条の規定の適用が除外されている。

第1項

第1項は、使用電圧が低圧の場合の施設方法を規定している。
第一号は、橋の上面に施設する場合の施設方法を規定しており、電線だけでなく電線路の工作物の路面からの高さを、5m以上とした。
イは、トラス橋等の上弦材を結ぶ支材等に腕金類を取り付け、がいし引き工事とする場合で、電線と造営材との離隔距離は0.3m以上としている。
ロは、トラス橋等の上弦材を結ぶ支材等にちょう架用線を取り付け、第67条の規定に準じて施設する場合で、ケーブルと造営材との離隔距離は0.15m以上としている。
ハは、二層橋(上段、下段に路面又は軌道を備える橋)等の上段の造営材下面に直接施設する場合で、第158条、第159条、第160条又は第164条(第3項を除く。)の規定に準じて施設し、弱電流電線等と接近又は交差する場合は、第167条の規定に準じて施設することを示している。
第二号は、橋の側面に施設する場合について、橋けた等の側面に槍出しを設けて、がいし引き工事若しくは架空ケーブル工事により施設する方法又は橋けた等の側面に直接合成樹脂管工事、金属管工事若しくはケーブル工事により施設する方法を規定している。アーチ橋、トラス橋等の腹材(橋けた)に槍出しを設けて施設する場合には、上面に施設する前号イ、ロと同じ条件になり、橋の内側へ突き出して施設するものは、路面上の高さの規制が必要となる。槍出しによって橋の外側に突き出して施設するものは、路面上の高さの規制を受けない。また、橋けた等の側面に直接施設するものでは施設形態が屋側電線路と類似するため第110条第2項及び第3項の規定を準用した。
第三号は、橋の下面に施設する場合の施設方法を規定している。造営材下面への施設は、第一号ハの場合と同じであるため、第一号ハの規定を準用した。橋の下を通過するボートなどから容易に手が届くようなものは、事故例もあるので堅ろうに施設することとしている。

第2項

第2項は、使用電圧が高圧の場合の施設方法を規定している。常時人の通行する橋(道路橋)に対する危険性を考慮し、原則として電線にケーブルを使用することとし、鉄道又は軌道の専用の橋においてのみ例外を認めた。
第一号は、橋の上面に施設する場合の施設方法を規定しており、電線だけでなく電線路の工作物の路面からの高さを、5m以上とした。
イは、トラス橋等の上弦材を結ぶ支材等にちょう架用線を取り付け、第67条の規定に準じて施設する場合で、ケーブルと造営材との離隔距離は0.3m以上としている。
ロは、二層橋等の上段の造営材下面に施設する場合で、高圧ケーブルを支持物以外の造営材に取り付ける場合の基本原則を網羅していることから第111条第3項から第5項の規定を準用した。H4基準で、二層橋の上段の下面などの連続する造営材が得られる場合の施設方法を追加した。なお、H20解釈で、JESC E2016(2017)「橋又は電線路専用橋等に施設する電線路の離隔要件」に従って、ケーブルを堅ろうな不燃性又は自消性のある難燃性の管又はトラフに収めた場合、他の工作物との離隔距離を緩和できることとした。
ハは、鉄道又は軌道の専用の橋に、直径4mmの硬銅線又は引張強さ5.26kN以上の電線を使用し、第66条に準じて施設する場合で、電線と造営材との離隔距離を0.6m以上として、造営材に取り付けた腕金類にがいしを用いて支持することとした。鉄道又は軌道の専用の橋の場合はイ、ロ、ハのいずれも選択できる。
第二号は、橋の側面に施設する場合の施設方法を規定している。アーチ橋、トラス橋等の腹材(橋けた)に槍出しを設けて施設する場合には、上面に施設する前号の場合と同じ条件となり、橋の内側へ突き出して施設するものは、路面上の高さの規制が必要となる。槍出しによって橋の外側に突き出して施設するものは、路面上の高さの規制を受けない。
また、橋けた等の側面に直接施設するものでは施設形態が屋側電線路と類似するため第111条の規定を準用した。なお、H20解釈で、JESC E2016(2006)「橋又は電線路専用橋等に施設する電線路の離隔要件」に従って、ケーブルを堅ろうな不燃性又は自消性のある難燃性の管又はトラフに収めた場合、他の工作物との離隔距離を緩和できることとした。
本号で「前号イ又はハ」と「前号ロ」の規定に準じて施設することを分けているのは、前号ロの準用において路面上の高さの規制を加えないためである。なお、第111条においては、ケーブルを堅ろうな管又はトラフに収めるか、人が触れるおそれがないように施設することを規定している。
第三号は、橋の下面に施設する場合の施設方法を規定している。造営材下面へのケーブルの施設は、第一号ロの場合と同じであることから、第一号ロの規定を準用した。

第3項

第3項は、使用電圧が特別高圧の場合の施設方法を規定している。高圧の場合と同様、電線にケーブルを使用することを原則とした。
第一号は、橋の上面に施設する場合の施設方法を規定している。電線だけでなく電線路の工作物の路面からの高さを、5m以上とした。
ロで、高圧の場合の前項第一号ロと同じ理由で、第111条第2項(第四号から第六号を除く。)から第5項を準用した。
なお、H20解釈で、JESC E2016(2017)「橋又は電線路専用橋等に施設する電線路の離隔要件」に従って、ケーブルを堅ろうな不燃性又は自消性のある難燃性の管又はトラフに収めた場合、他の工作物との離隔距離を緩和できることとした。
ハでは、ロで除いた第111条第2項第四号に代えて、ケーブルを堅ろうな管又はトラフに収めて施設することとした。
従来、特別高圧の電線路については橋の上面への施設を禁止してきたが、H4基準で、二層橋の上段の下面などの連続する造営材が得られる場合には、ケーブルを堅ろうな管又はトラフに収めることを条件に施設することを認めた。
第二号は、橋の側面又は下面に施設する場合の施設方法を規定している。橋けた等の側面に直接施設するもの又は造営材下面へケーブルを施設するもので、前項第二号、第三号と同様の理由により第111条第2項から第5項に準じて施設することとした。なお、H20解釈で、JESC E2016(2017)「橋又は電線路専用橋等に施設する電線路の離隔要件」に従って、ケーブルを堅ろうな不燃性又は自消性のある難燃性の管又はトラフに収めた場合、他の工作物との離隔距離を緩和できることとした。

公式資料該当頁: p.180–181

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

※ 本ページは公式資料そのものではありません。