電気設備の技術基準の解釈の解説
第91条(特別高圧架空電線路のがいし装置等)
経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.137–138
〔解 説〕 本条は、特別高圧架空電線路に使用するがいし装置及び腕金類や取付け金具に関する規定である。
第1項
第1項では、がいし装置(金具を含む。)の安全率は、2.5以上としている。これは、従来、長幹がいし、ピンがいし、250mm及び180mm懸垂がいしの強度について試験荷重値を定めていたが、S38工規でがいしの試験荷重に関する規定を削除し、安全率のみを規定することにしたものである。
第一号は、耐張がいし装置の場合であって、電線の想定最大張力に対して2.5倍の強度をもつこととしている。
第二号は、懸垂支持がいしの場合であって、電線の垂直荷重と水平横荷重との合成荷重に対して2.5倍の強度を持つこととしている。電線の垂直荷重は、電線及びがいし装置の重量並びに電線路に著しい垂直角度がある場合にはその垂直荷重の合計であり、水平横荷重は、電線及びがいし装置に加わる風圧荷重並びに水平角度荷重の合計であり、荷重は、張力としてがいしの軸方向に加わる。なお、第二号に規定する荷重は、第58条の規定に準じて計算するものである。
第三号は、ラインポストがいし等の支持がいしを使用する場合であり、荷重は、がいしの頂部に曲げ荷重として加わることになる。なお、がいしの強度は、JISにおいて解説91.1表のように定められている。
〔解説91.1表〕
なお、告示で定められていた特別高圧架空電線路の使用電圧の別による懸垂がいしの連結個数及びピンがいしの号数の標準については、S40基準において、本省令の立法趣旨から標準値は定めないことになったので削除した。参考として、告示で定められていた標準値を解説91.2表に示す。また、特別高圧架空電線路のがいしでは、塩じんの汚損によるがいしの絶縁低下による地絡事故を防止するため、懸垂がいしを増結する、塩じん害に比較的有効な長幹がいしを使用する又はがいし洗浄を頻繁に実施するなど、様々な方法がとられている。汚損の実情は送電線のルートによって千差万別であるので、この解釈ではこれを明確に示すことは避けたが、実情に即した方法によって汚損による絶縁低下を防ぎ得るように施設する必要がある。要は第15条に定める絶縁性能を常に保持しておくようにすべきである。
〔解説91.2表〕
第2項
第2項第一号は、腕金類には金属製のものを使用し、これにD種接地工事を施すこととしている。これは、がいしの損傷等によってリークした際に腕木等が焼損するのを防ぐとともに、鉄柱等にあっては電位上昇による危険防止や1線地絡事故の際に保安装置の動作の確実化を図るなどの点を考慮したものである。したがって、鉄柱の場合でも接地抵抗が100
Ωを超えるものは腕金に対する接地が必要となる。
第二号は、前号と同様に取付け金具の接地工事に関する規定であり、前号及び本号はともに、S47基準で、一般の特別高圧架空電線路に従来の第3種特別高圧保安工事と同等の保安レベルを課すこととしたために、ここで規定することになったものである。