電気設備の技術基準の解釈の解説

第56条(鉄筋コンクリート柱の構成等)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.90–91

〔解 説〕 本条は、架空電線路の支持物として使用する鉄筋コンクリート柱の性能と規格について示している。

第1項

第1項第一号は、架空電線路の支持物として使用される現場打ち鉄筋コンクリート柱を対象にしたもので、構成材にコンクリート、形鋼、平鋼、棒鋼又はボルトを使用する場合の各構造材の許容応力を示している。
なお、第一号の規定は、電気学会電気規格調査会標準規格 JEC-127-1979「送電用支持物設計標準」に基づくものである。
イは、鉄筋コンクリート柱を構成する材料に生じる応力が、56-1表から56-3表に示す許容応力の範囲内に収まるように設計することとしている。
ロは、現場打ち鉄筋コンクリート柱に使用する構造材の規格を示しており、これに準じればイに示す性能を満足するとしている。
第二号は、工場打ちの鉄筋コンクリート柱の性能について示したもので、工場打ち鉄筋コンクリート柱の規格として遠心力プレストレストコンクリートポールにあっては、日本産業規格 JIS A 5373(2016)「プレキャストプレストレストコンクリート製品」、遠心力鉄筋コンクリートポールにあっては、日本産業規格JIS A 5309(1971)「遠心力プレストレストコンクリートポールおよび遠心力鉄筋コンクリートポール」を引用している。これは、鉄筋コンクリートポールの種別を第1種と第2種に区分し、前者は主として送配電用のもの、後者は主として電気鉄道用のものを対象としているので、本条では第1種に係るものを採用している。
なお、第一号に示す鉄筋コンクリート柱と第二号で示す工場打ち鉄筋コンクリート柱との差異は、前者は鉄筋コンクリート柱に使用されるコンクリート及び鋼材についてそれぞれ許容応力を示し、支持物に加わる荷重により生じる応力がそれぞれの許容応力の範囲内に収まるように設計することを規定しているのに対し、後者は個々の部材についての許容応力を示さず、完成した柱体としての性能を規定していることである。
また、本条で引用しているJIS A 5309(1971)については、1981年に廃止されている。しかしながら、同規格に基づく製品が相当数あり使用されていることなど、実状を勘案して引用を継続している。
第三号では、複合鉄筋コンクリート柱の性能を示している。複合鉄筋コンクリート柱は解説56.1図 (a) のように鉄筋コンクリート柱と鋼管柱を合わせたようなもので、その構造の主体が鉄筋コンクリートで鋼管は腕金部分となっているものが一般的である。複合鉄筋コンクリート柱は、鋼板組立柱の利点を取り入れ、現場での組立てが可能であるとともに、地際、地上部分にコンクリート柱を採用することによる地際部分の腐食防止、自動車等の衝突など外部からの衝撃による破損防止、又はテーパの小さい鉄筋コンクリートを使用することによる建柱面積の縮小や美観上の環境調和を目的として使用されることが多い。ここで、解説56.1図 (b) のように鋼管柱の基礎が地表上に通常の場合以上に出るものは複合鉄筋コンクリート柱ではなく、コンクリート部分はあくまでも支持物基礎と考える。また、架空地線用の鋼管キャップをかぶったものは、鋼管キャップは腕金の一部と考え、複合鉄筋コンクリート柱とはみなさない。
解説56.1図
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第四号では、複合鉄筋コンクリート柱に使用する構造材の規格を示しており、これに準じれば第三号に示す性能を満足するとしている。
複合鉄筋コンクリート柱の規格は、鋼管柱の規格と工場打ち鉄筋コンクリート柱の規格とを合わせたようなもので、鋼管部分には鋼管柱として使用を認めているJISの鋼管と鋼板組立柱の鋼板を管状に溶接したものを、また、鉄筋コンクリート部分には工場打ち鉄筋コンクリート柱を使用すればよいことになる。ただし、鋼管の厚さは1mm以上とし、完成品の強度試験は鋼管柱の場合(→解説57.4図)に準じて行い、その場合の荷重は鋼管柱が設計荷重の3倍であるのに対し2倍としている。

公式資料該当頁: p.90–91

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

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