電気設備の技術基準の解釈の解説

第126条(トンネル内電線路の施設)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.175–176

〔解 説〕 トンネル内の電線路は、明示していないが一般の支持物を使用した架空電線路とは区別して考えている。
すなわち、トンネル内は空間が限定されているから、電線路を施設する場合には、人の通行、通過する列車又は自動車に対して障害とならないように、危険を及ぼすことのないように適当な設置箇所、使用電線及び工事方法を選定する必要がある。
ここで、本条と第179条との関係を説明しておくと、トンネル内を通過するだけのものが前者であり、後者は電気使用場所の工事であるから、自家用の構内におけるものと考えてよく、トンネル等も地下工場及びこれに類するもの(トンネルが貫通していない場合もある。)を主な対象としており、この構内においては、列車、人等も配線施設と同一責任者の監督を受けている特定の範囲のものとしている。したがって、工事に対する考え方について、後者は基本的に屋内工事に準ずるものであるのに対し、本条は電線路(→省令第1条第八号)として、低圧のがいし引き工事にあっては低圧架空引込線と同等の電線を使用することとし、高圧及び特別高圧にあっては屋側電線路と同様の工事を要求している。なお、トンネル内の電灯列は、街路照明の場合と異なり、使用場所の工事と考えられる。

第1項

第1項は、平時から人が通行するトンネル内、鉄道、軌道又は自動車道の専用のトンネル内電線路の規定で、第一号から第三号までに電線路の工事方法を示している。なお、トンネル内は、地下水の湿気やばい煙で感電しやすい状態にあるから、低高圧のがいし引き工事の電線は絶縁電線に限定し、裸電線の使用を禁止している。また、特別高圧の場合の電線は、トンネルの大きさと列車の大きさから考えて十分な離隔距離が得られないので、ケーブルのみに限定している。
第一号では、低圧にあっては低圧屋内配線工事のうち、がいし引き工事(電線には引張強さ2.30kN以上の絶縁電線又は直径2.6mm以上の絶縁電線を使用すること。)、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事又はケーブル工事により施設することとしている。金属可とう電線管工事は、電線路の一部に可とう電線管を使用する場合も考えられるので追加したが、トンネル内は乾燥していない所なので第160条により2種金属製可とう電線管を使用した金属可とう電線管工事に限定される。
第二号では、高圧にあっては高圧屋側電線路の規定に準じて施設することとしている。ただし書は、鉄道、軌道又は自動車道の専用のトンネル内においては、高圧屋内がいし引き工事(引張強さ5.26kN以上の高圧絶縁電線又は直径4mm以上の高圧絶縁電線若しくは特別高圧絶縁電線を使用すること。)により施設できることを示している。
第三号イは、H14解釈において、日本電気技術規格委員会規格 JESC E2011(2014)「35kV以下の特別高圧電線路の人が常時通行するトンネル内の施設」に規定する施設方法に適合すれば、35kV以下の特別高圧電線路についても人が平時から通行するトンネル内への施設を認めたものである。これは、22(33)kVケーブルの信頼性が、条文制定当時(昭和7年)に比べて格段に向上しており、特別高圧電線路の設備保安面での信頼性は、低高圧電線路と同等以上であるとともに、近年、公衆感電・電気火災事故事例のない22(33)kVケーブルを、鉄道、軌道又は自動車道の専用のトンネル内の特別高圧電線の規定に準じて施設した場合、公衆保安面で低高圧電線路と同等の安全性が確保できることから、鉄道、軌道又は自動車の専用トンネル内の特別高圧電線路と同等な条件で施設できるように規定したものである。ロは、鉄道等については、屋側電線路の規定に準じて施設することとしている。
特に規定していないが、がいしを使用するときは、トンネル内は湿気が多く腐食しやすいため、列車の振動で取り付け箇所が緩み、脱落するおそれがあるので、工事には十分注意を要する。また、支持点間の距離もあまり大きくならないように留意する必要がある。なお、本条は、国土交通省令の適用を受ける電気工作物については、第2条により適用除外とされている。しかし、電力会社の電線路がトンネル内に施設される場合は、本条が適用される。

第2項

第2項は、第1項に該当しないトンネル内の電線路について示したものであるが、具体的には、鉄道、軌道又は自動車道の専用トンネルなど交通専用のトンネル以外であって、かつ、一般公衆が常時通行する可能性のないトンネルであり、例えば用水路用トンネル及び交通専用トンネルに併設される避難抗などがある。これらのトンネルは、その形態等が種々あるので、工事方法としては、一番安全なケーブルを使用することとしている。
特別高圧電線路については、H17解釈において、日本電気技術規格委員会規格JESC E2014(2004)「特別高圧電線路のその他のトンネル内の施設」に規定する施設方法に適合する場合に、その施設を認めることとした。これは、第2項で規定するトンネルは、人が平時から通行する可能性がないものであり、また、第1項では、既に特別高圧電線路の施設が認められていることから、第2項のトンネルについても、第1項と同様の施設要件を満たすことにより特別高圧電線路を施設することができると判断したものである。
また、現在使用している特別高圧ケーブルについて検討した結果、設備の信頼性は、昭和40年代に比べて格段に向上しており、公衆の安全性についても、近年の特別高圧ケーブルに係わる公衆感電・電気火災事故事例が極めて少ない状況にあることから、第1項の特別高圧電線路の施設と同様の条件で施設しても問題ないことを確認した。

第3項、第4項

第3項及び第4項は、トンネル内電線路の電線と他の工作物との混触による危害を防止するための離隔距離を示している。第3項では、低圧については屋内配線と他の工作物との関係と、第4項では、高圧及び特高については屋側電線路と他の工作物との関係と同様にしている。したがって、トンネル内電線路の使用電圧が低圧の場合は、第167条の屋内配線を、高圧又は特別高圧の場合は、第111条第3項及び第5項の屋側配線をそれぞれトンネル内電線路の電線に置き換えればよい。トンネル内の他の低圧電線とは、他のトンネル内電線路の電線及びトンネル内の配線を指しており、管灯回路の配線は除かれているが、これは、管灯回路の配線とトンネル内電線路の低圧電線との関係については、第179条で示されているからである。

公式資料該当頁: p.175–176

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

※ 本ページは公式資料そのものではありません。