電気設備の技術基準の解釈の解説
第122条(地中電線路の加圧装置の施設)
経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.172–174
〔解 説〕 特別高圧用地中電線に使用されるOFケーブル又はガス圧ケーブルには、圧力を加えるための装置が必要である。これには、セル内部又は外部にガスを封じ込んだもの(→解説122.1図)、ガスボンベによるもの(→解説122.2図)及びガス圧縮機を使用して圧力を加えるもの(→解説122.3図)等がある。
解説122.1図
解説122.2図
解説122.3図
本条の対象となるのは、これらのいずれかによって圧力を加えられ、その圧縮ガスや油をためるタンク、圧縮ガスや圧油を通ずる管及び圧縮ガスを作る圧縮機である。窒素ガスや炭酸ガスを詰めてあるボンベなどは、高圧ガス保安法により取り締まられているので、除外されると解してよい。なお、本条の対象となるような圧縮ガス装置は、省令第34条の解説でも述べられているように、いずれも電気工作物であるので、高圧ガス保安法、労働安全衛生法に基づくボイラー及び圧力容器安全規則からは適用除外されている。したがって、ケーブル加圧装置については、省令第34条が適用される。
本条は、圧力型ケーブルにおける加圧装置について、その保安面及び機能の確保という面から規定している。
第一号は、圧力管、圧力タンク及び圧縮機の耐圧を定めているもので、最高使用圧力の1.5倍の水圧に耐えることとしている。なお、構造上水を満たすのに適しないものにあっては、これを気圧で行い、この場合の試験圧力は最高使用圧力の1.25倍でよいと定めている(日本産業規格 JIS B 8243(1969)「火なし圧力容器の構造」15 水圧試験を参照)。本号は、圧力管、圧力タンク及び圧縮機の有すべき強度について定めているものであって、必ず耐圧試験を現地で行わねばならないことを定めているものではない。実際の運用に当たっては、試験設備をはじめ他の機器との関連や構造物との関係等で実施できないケースが多いので、開閉器又は自動遮断器の操作に使用する圧縮空気装置と同様に考え、工場試験等で安全性が確認できれば、あえて現地で試験しなくてもよい。
第二号は、圧力タンク及び圧力管の内部に無理な残留応力が働いているような場合には、爆発の原因になり得るので、これを防止するための規定である。大型の圧力タンクや圧力管では溶接による残留応力を除去することは困難であるが、本号は溶接又はねじの締付けにより生じる残留応力が本体の性能に影響を及ぼさないよう十分安全な設計をすることを規定しているものと解釈すればよい。
第三号は、加圧装置には圧力計を施設することとしているが、圧力計は内部の圧力を監視するのに最も適した目盛を有するものであればよく、耐圧値まで計測できることを要求するものではない。
第四号は、使用する圧縮ガスが加圧装置を腐食し、機械的強度を損なうおそれのあるもの又は内部若しくは外部に漏れて爆発の原因となるものを避けるための規定である。圧力型ケーブルに使用されるガスとしては、空気、炭酸ガス、窒素ガス、六ふっ化硫黄、フレオンガス等が挙げられるが、いずれも可燃性及び腐食性のものではない。現在、一般的には、窒素ガスが用いられている。
第五号は、自動的に圧縮ガスを供給する加圧装置の圧力管及び圧力タンクの規格について示している。自動的に圧縮ガスを供給する加圧装置には、ガス圧縮機を有する圧縮ガス装置又はボンベから圧力を供給する圧縮ガス装置などがある(→解説122.2図)。ボンベから圧力を供給する装置の場合、減圧弁等で圧力を下げて供給するときは減圧弁が故障した際に著しく圧力が上昇するので、本号の対象となるが、減圧弁を使用せず、ボンベの圧力をそのままケーブルに加えるようにしてあるもの(減圧弁がないもの)は本条の対象から除かれる。
これらの圧力装置は、特に危険性が高いことから、イにおいて、材料と構造の規格を定めている。しかし、0.3MPa未満の圧力管には、鋼材のほかにゴム管、鉛管等も使用されるので、第一号の耐圧試験に耐えればよいこととしている。
ロは、圧力が異常に上昇した場合の危険を防止するためのもので、安全弁の施設を要求しているが、圧力が1MPa未満の場合は必ずしも安全弁でなくてもよく、その他異常な圧力の上昇を抑制できる装置であればよい。通常、安全弁は圧力が変化する段階ごとに、例えばガス圧縮機の冷却器の後、主ガスタンク、減圧弁の後などに設けられる。
圧力管及び圧力タンクの規格は、従来発電用火力設備に関する技術基準の細目を定める告示に準拠していたが、S47基準で、全般的に日本産業規格JIS B 8243(1969)「火なし圧力容器の構造」の規格に準拠することにした。これは、当該圧力容器は火炎が伴うものではなく、また、JISが整備されたことなどにより、これに準拠する方が実際的であったためである。なお、第40条第2項に規定する「開閉器及び遮断器に使用する圧縮空気装置」と技術的に同様であることから、同じ内容で規定することになった。内容については第40条の解説を参照されたい。