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3. 無人航空機に関する規則

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無人航空機の飛行の安全に関する教則(令和8年7月7日公布 第5版)

国土交通省の公表資料に基づく表示(非公式) · 学科試験適用 2026-07-14

国土交通省の一次資料を確認

花火が上がる市街地の夜景

写真: Pexels

3.1.1航空法に関する一般知識

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(1) 航空法における無人航空機の定義

航空法において、「無人航空機」とは、
① 航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、
② 遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるものであり、
③ 重量が100 グラム以上のものを対象としている。
①の「構造上人が乗ることができないもの」とは、単に人が乗ることができる座席の有無を意味するものではなく、当該機器の概括的な大きさや潜在的な能力を含めた構造、性能等により判断される。一方で、「航空機」とは、人が乗って航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船を対象としているため、人が乗り組まないで操縦できる機器であっても、航空機を改造したものなど、航空機に近い構造、性能等を有している場合には、無人航空機ではなく、航空機に分類される。このように操縦者が乗り組まないで飛行することができる装置を有する航空機を「無操縦者航空機」という。飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船のいずれにも該当しない気球やロケットなどは航空機や無人航空機には該当しない。
②は「遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの」としているため、例えば、紙飛行機など遠隔操作又は自動操縦により制御できないものは、無人航空機には該当しない。
③の「重量」とは、無人航空機本体の重量及びバッテリーの重量の合計を指しており、バッテリー以外の取り外し可能な付属品の重量は含まない。なお、100グラム未満のものは、無人航空機ではなく、「模型航空機」に分類される。重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律(平成28 年法律第9号。以下「小型無人機等飛行禁止法」という。)において規制対象となる「小型無人機」については大きさや重さにかかわらず対象となり、100グラム未満のものも含まれる。

(2) 無人航空機の飛行に関する規制概要

1) 無人航空機の登録

全ての無人航空機(重量が100グラム未満のものは除く。)は、国の登録を受けたものでなければ、原則として航空の用に供することができない。登録の有効期間は3年である。また、無人航空機を識別するための登録記号を表示し、一部の例外を除きリモートID 機能を備えなければならない。

2) 規制対象となる飛行の空域及び方法(特定飛行)

航空法において、無人航空機の飛行に当たって確保すべき安全は、
⚫ 航空機の航行の安全
⚫ 地上又は水上の人又は物件の安全
であり、これらに危害を及ぼすおそれがあるものとして、次に掲げる飛行の空域と方法を規制している。

a. 規制対象となる飛行の空域

<航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれのある空域>
(A) 空港等の周辺の上空の空域
(B) 消防、救助、警察業務その他の緊急用務を行うための航空機の飛行の安全を確保する必要がある空域(緊急用務空域)
(C) 地表又は水面から150メートル以上の高さの空域
<人又は家屋の密集している地域の上空>
(D) 国勢調査の結果を受け設定されている人口集中地区の上空(工業専用地域内の区域の上空を除く。)

b. 規制対象となる飛行の方法

① 夜間飛行(日没後から日出まで)
② 操縦者の目視外での飛行(目視外飛行)
③ 第三者又は第三者の物件との間の距離が30 メートル未満での飛行
④ 祭礼、縁日、展示会など多数の者の集合する催しが行われている場所の上空での飛行
⑤ 爆発物など危険物の輸送
⑥ 無人航空機からの物件の投下
上記a に掲げる空域における飛行又は上記b に掲げる方法による飛行のいずれかに該当する飛行を「特定飛行」といい、航空機の航行の安全への影響や地上及び水上の人及び物件への危害を及ぼすおそれがあることから原則として禁止されている。

3) 無人航空機の飛行形態の分類(カテゴリーⅠ~Ⅲ)

飛行の禁止空域及び飛行の方法に関する無人航空機の飛行形態については、そのリスクに応じて次に掲げるとおりに分類される。

a. カテゴリーⅠ飛行(レベル1(目視内での操縦飛行)、レベル2(目視内での自動・自律飛行))

特定飛行に該当しない飛行を「カテゴリーⅠ飛行」という。この場合には、航空法上は特段の手続きは不要で飛行可能である。

b. カテゴリーⅡ飛行(レベル3(無人地帯での目視外飛行))

特定飛行のうち、無人航空機の飛行経路下において無人航空機を飛行させる者及びこれを補助する者以外の者(以下「第三者」という。)の立入りを管理する措置(以下「立入管理措置」という。)を講じたうえで行うものを「カテゴリーⅡ飛行」という。
カテゴリーⅡ飛行のうち、特に、空港周辺、高度150m以上、催し場所上空、危険物輸送及び物件投下並びに最大離陸重量25kg以上の無人航空機の飛行は、リスクの高いものとして、「カテゴリーⅡA飛行」といい、その他のカテゴリーⅡ飛行を「カテゴリーⅡB飛行」という。

c. カテゴリーⅢ飛行(レベル4(有人地帯での目視外飛行))

特定飛行のうち立入管理措置を講じないで行うもの、すなわち第三者上空における特定飛行を「カテゴリーⅢ飛行」といい、最もリスクの高い飛行となることから、その安全を確保するために最も厳格な手続き等が必要となる。
なお、上記のカテゴリーによる分類とレベルによる分類は厳密には一致しない場合があるため注意が必要である。また、b.カテゴリーⅡ飛行(レベル3(無人地帯での目視外飛行))には、レベル3.5 が含まれるが、これについては3.1.2(2)4)c.レベル3.5 飛行で解説する。

4) 機体認証及び無人航空機操縦者技能証明

特定飛行については、航空機の航行の安全への影響や地上及び水上の人及び物件への危害を及ぼすおそれがあることから、①使用する機体、②操縦する者の技能及び③運航管理の方法の適格性を担保し、飛行の安全を確保する必要がある。
このうち、①使用する機体及び②操縦する者の技能について、国があらかじめ基準に適合していることを確認したことを証明する「機体認証」及び「技能証明」に関する制度が設けられている。
機体認証及び技能証明については、無人航空機の飛行形態のリスクに応じ、カテゴリーⅢ飛行に対応した第一種機体認証及び一等無人航空機操縦士、カテゴリーⅡ飛行に対応した第二種機体認証及び二等無人航空機操縦士に区分されている。
機体認証のための検査は、国又は国が登録した民間の検査機関(以下「登録検査機関」という。)が実施し、機体認証の有効期間は、第一種は1年、第二種は3年である。
技能証明のための試験は、国が指定した民間の試験機関(以下「指定試験機関」という。)が実施し、技能証明の有効期間は、一等及び二等ともに3年である。

5) 特定飛行を行う場合の航空法上の手続き等

特定飛行の安全を確保するためには、無人航空機の飛行形態のリスクに応じて、①使用する機体、
②操縦する者の技能及び③運航管理の方法の適格性を担保する必要があることから、飛行形態の分類に対応して次に掲げるとおりとなる。

a. カテゴリーⅡ飛行

カテゴリーⅡB 飛行に関しては、技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合には、特段の手続き等なく飛行可能である。この場合、国土交通省令で定める飛行の安全を確保するための措置(以下「安全確保措置」という。)として飛行マニュアルを作成し遵守しなければならない。
カテゴリーⅡA 飛行に関しては、カテゴリーⅡB 飛行に比べてリスクが高いことから、技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合であっても、あらかじめ③運航管理の方法について国土交通大臣の審査を受け、飛行の許可・承認を受けることにより可能となる。
なお、カテゴリーⅡA飛行及びカテゴリーⅡB飛行はともに、機体認証及び技能証明の両方又はいずれかを有していない場合であっても、あらかじめ①使用する機体、②操縦する者の技能及び③運航管理の方法について国土交通大臣の審査を受け、飛行の許可・承認を受けることによっても可能となる。

b. カテゴリーⅢ飛行

カテゴリーⅢ飛行に関しては、最もリスクの高い飛行となることから、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させることが求められることに加え、あらかじめ③運航管理の方法について国土交通大臣の審査を受け、飛行の許可・承認を受けることにより可能となる。

(3) 航空機の運航ルール等

1) 無人航空機の操縦者が航空機の運航ルールを理解する必要性

無人航空機は、航空機と同様、空中を飛行する機器であることから、万一の場合には、航空機の航行の安全に重大な影響を及ぼすおそれがある。
この観点から、①航空機の航行の安全は、人の生命や身体に直接かかわるものとして最大限優先すべきものであること、②航空機の速度や無人航空機の大きさから、航空機側から無人航空機の機体を視認し回避することが困難であること、③無人航空機は航空機と比較して一般的には機動性が高いと考えられることから、航空機と無人航空機間で飛行の進路が交差し、又は接近する場合には、航空機の航行の安全を確保するためにも、無人航空機側が回避することが妥当であり、航空機は、無人航空機に対して進路権を有するとされている。
無人航空機の操縦者は、(a)国が提供している「ドローン情報基盤システム(飛行計画通報機能)」などを通じて飛行情報を共有し、(b)飛行前に航行中の航空機を確認した場合には飛行させないなどして航空機と無人航空機の接近を事前に回避するとともに、(c)飛行中に航行中の航空機を確認した場合には無人航空機を地上に降下させることその他適当な方法を講じることが求められている。
我が国においても無人航空機と航空機の接近事案や無人航空機により空港が閉鎖される事案などが発生しており、ひとたび航空機に事故が発生した場合には甚大な被害が生じるおそれがあることから、航空機と同じ空を飛行させる無人航空機の操縦者も航空機の運航ルールを十分に理解することが極めて重要である。

2) 計器飛行方式及び有視界飛行方式

航空機が飛行する方式には、「計器飛行方式(IFR:Instrumental Flight Rules)」と「有視界飛行方式(VFR:Visual Flight Rules)」との2つがある。
計器飛行方式(IFR)は、航空交通管制機関が与える指示等に常時従って行う飛行の方式である。
高速で高高度を移動する旅客機は通常は計器飛行方式(IFR)で飛行する。その他の航空機も有視界飛行方式(VFR)ができない気象状態となった場合には計器飛行方式(IFR)で飛行する。
有視界飛行方式(VFR)は、計器飛行方式(IFR)以外の飛行の方式とされ、航空機の操縦者の判断に基づき飛行する方式である。小型機や回転翼航空機は有視界飛行方式(VFR)で飛行することが多い。空港及びその周辺においては、有視界飛行方式で飛行する航空機も航空交通管制機関が与える指示等に従う必要がある。

3) 航空機の飛行高度

150メートル以下での航空機の飛行は離着陸に引き続く場合が多いが、捜索又は救助を任務としている公的機関(警察・消防・防衛・海上保安庁)等又はこれらの者の依頼により捜索又は救助を行う航空機や救急医療用ヘリコプター(いわゆるドクターヘリ)及び低空での飛行の許可を受けた航空機(物資輸送・送電線巡視・薬剤散布)等もしくは人又は家屋のない地域及び広い水面の上空では離着陸にかかわらず150 メートル以下で飛行している場合がある。
無人航空機の操縦者は、航空機との接近及び衝突を避けるため、無人航空機の飛行経路及びその周辺の空域を注意深く監視し、飛行中に航空機を確認した場合には、無人航空機を地上に降下させるなどの適切な措置を取らなければならない。

4) 航空機の操縦者による見張り義務

航空機の操縦者は、航空機の航行中は、飛行方式にかかわらず、視界の悪い気象状態にある場合を除き、他の航空機その他の物件と衝突しないように見張りをすることが義務付けられているが、航空機の飛行速度や無人航空機の大きさを考慮すると、航空機側から無人航空機の機体を視認し回避することは困難である。
無人航空機の操縦者は、これを理解したうえで、無人航空機の飛行経路上及びその周辺の空域を注意深く監視し、飛行中の航空機を確認した場合には、無人航空機を地上に降下させるなどの適切な措置を取らなければならない。

5) 出発前の航空情報の確認

航空機の機長は、出発前に運航に必要な準備が整っていることを確認することが求められており、その一環として、国土交通大臣から提供される航空情報を確認することが義務付けられている。

6) 航空機の空域の概要

無人航空機は、高度150メートル以上又は空港周辺の空域の飛行は原則禁止されているが、これは航空機が主に飛行する空域との分離を図ることにより、安全を確保するためである。このため、無人航空機がこれらの禁止空域を飛行する場合には、当該空域を管轄する航空交通管制機関と調整し支障の有無を確認したうえで飛行の許可を受ける必要があるが、そのうえで、無人航空機の操縦者は、次に掲げる航空機の空域の特徴や注意点を十分に理解して慎重に飛行し、航空交通管制機関等の指示等を遵守する必要がある。

a. 航空機の管制区域

国は、航空交通の安全及び秩序を確保するため、航空交通管制業務を実施する区域(管制区域)を設定している(管制区域以外の空域を非管制区域という)。
航空交通管制区は、地表又は水面から200メートル以上の高さの空域のうち国が指定した空域であり、この空域を計器飛行方式により飛行する航空機は航空交通管制機関と常時連絡を取り、飛行の方法等についての指示に従って飛行を行わなければならない。また、航空交通管制圏は、航空機の離着陸が頻繁に実施される空港等及びその周辺の空域であり、この空域を飛行する全ての航空機は航空交通管制機関と連絡を取り、飛行の方法や離着陸の順序等の指示に従って飛行を行わなければならない。

b. 空港の制限表面の概要

航空機が安全に離着陸するためには、空港周辺の一定の空間を障害物が無い状態にしておく必要があるため、航空法において、次のような制限表面を設定している。
ア) 全ての空港に設定するもの
進入表面: 進入の最終段階及び離陸時における航空機の安全を確保するために必要な表面
水平表面: 空港周辺での旋回飛行等低空飛行の安全を確保するために必要な表面
転移表面: 進入をやり直す場合等の側面方向への飛行の安全を確保するために必要な表面
イ) 東京・成田・中部・関西国際空港及び政令空港において指定することができるもの
東京(羽田)・成田・中部・関西国際空港及び政令空港(釧路・函館・仙台・大阪国際・松山・福岡・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・那覇の各空港)においては、航空機が頻繁に離着陸することから、上記ア)の制限表面に加え、次の制限表面も設定されている。
円錐表面:大型化及び高速化により旋回半径が増大した航空機の空港周辺での旋回飛行等の安全を確保するために必要な表面
延長進入表面:精密進入方式による航空機の最終直線進入の安全を確保するために必要な表面
外側水平表面:航空機が最終直線進入を行うまでの経路の安全を確保するために必要な表面

7) 模型航空機に対する規制

重量100グラム未満のものを含む模型航空機についても、航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為は航空法により規制されている。
① 航空交通管制圏、航空交通情報圏、航空交通管制区内の特別管制空域等における模型航空機の飛行は禁止されている。また、国土交通省が災害等の発生時に後述の緊急用務空域を設定した場合には、当該空域における飛行も禁止される。
② ①の空域以外のうち、空港等の周辺、航空路内の空域(高度150メートル以上)、高度250メートル以上の空域において、模型航空機を飛行させる場合には、国土交通省への事前の届出が必要となる。

3.1.2.1無人航空機の登録

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(1) 無人航空機の登録

1) 無人航空機登録制度の背景・目的

無人航空機による不適切な飛行事案への対応の必要性や無人航空機の利活用の増加に伴い、無人航空機の登録制度が創設された。その目的は、①事故発生時などにおける所有者把握、②事故の原因究明など安全確保上必要な措置の実施、③安全上問題のある機体の登録を拒否し安全を確保することである。

2) 無人航空機登録制度の概要

全ての無人航空機(重量が100グラム未満の模型航空機は除く。)は、国の登録を受けたものでなければ、原則として航空の用に供することができない。登録の有効期間は3年である。登録記号を表示し、一部の例外を除きリモートID 機能を備えなければならない。

3) 登録を受けることができない無人航空機

① 製造者が機体の安全性に懸念があるとして回収(リコール)しているような機体や、事故が多発していることが明らかである機体など、あらかじめ国土交通大臣が登録できないものと指定したもの
② 表面に不要な突起物があるなど地上の人などに衝突した際に安全を著しく損なうおそれのある無人航空機
③ 遠隔操作又は自動操縦による飛行の制御が著しく困難である無人航空機

4) 登録の手続き及び登録記号の表示

無人航空機の登録の申請は、オンライン又は書類提出により行い、手数料の納付等全ての手続き完了後、登録記号が発行される。
登録記号は、無人航空機の容易に取り外しができない外部から確認しやすい箇所に耐久性のある方法で鮮明に表示しなければならない。登録記号の文字は機体の重量区分に応じて次の高さとし、表示する地色と鮮明に判別できる色で表示しなければならない。
⚫ 最大離陸重量25kg 以上の機体は25mm 以上
⚫ 最大離陸重量25kg 未満の機体は3mm 以上
所有者又は使用者の氏名や住所などに変更があった場合には、登録事項の変更の届出をしなければならない。3年の有効期間毎に更新を受けなければ、登録の効力を失う。

5) リモートID 機能の搭載の義務

機体への物理的な登録記号の表示に加え、識別情報を電波で遠隔発信するリモートID 機能を機体に備えなければならない。ただし、次に掲げる場合にあっては、リモートID 機能の搭載が免除される。
① 無人航空機の登録制度の施行前(2022年6月19日)までの事前登録期間中に登録手続きを行った無人航空機
② あらかじめ国に届け出た特定区域(リモートID 特定区域)の上空で行う飛行であって、無人航空機の飛行を監視するための補助者の配置、区域の範囲の明示などの必要な措置を講じた上で行う飛行
③ 十分な強度を有する紐(ひも)など(長さが30m以内のもの)により係留して行う飛行
④ 警察庁、都道府県警察又は海上保安庁が警備その他の特に秘匿を必要とする業務のために行う飛行

6) リモートID 機器の概要及び発信情報

リモートID 機能は、識別情報を電波で遠隔発信するためのものであり(内蔵型と外付型がある)、当該機器は技術規格書に準拠して開発・製造される。
リモートID 機能により発信される情報には、静的情報として無人航空機の製造番号及び登録記号、動的情報として位置、速度、高度、時刻などの情報が含まれており(所有者や使用者の情報は含まれない)、1秒に1回以上発信される。

3.1.2.2規制対象となる飛行の空域及び方法(特定飛行)の補足事項等

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(2) 規制対象となる飛行の空域及び方法(特定飛行)の補足事項等

1) 規制対象となる飛行の空域

a. 空港等の周辺の空域

航空法に基づき原則として無人航空機の飛行が禁止されている「空港等の周辺の空域」は、空港やヘリポート等の周辺に設定されている進入表面、転移表面若しくは水平表面又は延長進入表面、円錐表面若しくは外側水平表面の上空の空域、(進入表面等がない)飛行場周辺の、航空機の離陸及び着陸の安全を確保するために必要なものとして国土交通大臣が告示で定める空域である。
ただし、航空機の離着陸が頻繁に実施される新千歳空港・成田国際空港・東京国際空港・中部国際空港・関西国際空港・大阪国際空港・福岡空港・那覇空港では、進入表面等の上空の空域に加えて、進入表面若しくは転移表面の下の空域又は空港の敷地の上空の空域についても飛行禁止空域となっている。

b. 緊急用務空域

国土交通省、防衛省、警察庁、都道府県警察又は地方公共団体の消防機関その他の関係機関の使用する航空機のうち捜索、救助その他の緊急用務を行う航空機の飛行の安全を確保するため、国土交通省が緊急用務を行う航空機が飛行する空域(緊急用務空域)を指定し、この空域では、原則、無人航空機の飛行が禁止される(重量100グラム未満の模型航空機も飛行禁止の対象となる)。
災害等の規模に応じ、緊急用務を行う航空機の飛行が想定される場合には、国土交通省がその都度「緊急用務空域」を指定し、国土交通省のホームページ・X(旧Twitter)にて公示する。
無人航空機の操縦者は、飛行を開始する前に、当該空域が緊急用務空域に該当するか否かの別を確認することが義務付けられている。空港等の周辺の空域、地表若しくは水面から150m以上の高さの空域又は人口集中地区の上空の飛行許可があっても、緊急用務空域を飛行させることはできない。

c. 高度150メートル以上の空域

「高度150メートル以上の飛行禁止空域」とは、海抜高度ではなく、無人航空機が飛行している直下の地表又は水面からの高度差が150メートル以上の空域を指す。このため、山岳部などの起伏の激しい地形の上空で無人航空機を飛行させる場合には、意図せず150メートル以上の高度差になるおそれがあるので注意が必要である。

d. 人口集中地区

「人口集中地区(DID:Densely Inhabited District)」は、5年毎に実施される国勢調査の結果から一定の基準により設定される地域であり、現在は令和2年の国勢調査の結果に基づく人口集中地区が適用されている。ただし、都市計画法第8 条第1 項第1 号の工業専用地域内の区域において、無人航空機を飛行させる場合には、DID に係る許可手続き等が不要である。

2) 規制対象となる飛行の方法

a. 昼間(日中)における飛行

無人航空機の操縦者は、昼間(日中。日出から日没までの間)における飛行が原則とされ、それ以外の飛行の方法(夜間飛行)は、航空法に基づく規制の対象となる。
「昼間(日中)」とは、国立天文台が発表する日の出の時刻から日の入りの時刻までの間を指す。

b. 目視による常時監視

無人航空機の操縦者は、当該無人航空機及びその周囲の状況を目視により常時監視して飛行させることが原則とされ、それ以外の飛行の方法(目視外飛行)は、航空法に基づく規制の対象となる。
「目視により常時監視」とは、飛行させる者が自分の目で見ることを指し、双眼鏡やモニター(FPV(First Person View)を含む。)による監視や補助者による監視は含まない(眼鏡やコンタクトレンズの使用は「目視」に含まれる)。なお、安全な飛行を行うためにバッテリー残量を確認する目的等で無人
航空機から一時的に目を離し、モニターを確認する等は目視飛行の範囲内となる。

c. 人又は物件との距離

無人航空機の操縦者は、当該無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に30メートル以上の距離(無人航空機と人又は物件との間の直線距離)を保って飛行させることが原則とされ、それ以外の飛行の方法は、航空法に基づく規制の対象となる。
「人又は物件」とは、第三者又は第三者の物件を指し、無人航空機を飛行させる者及びその関係者並びにこれらの者が所有又は管理する物件は該当しない。
また、「物件」とは、(a)中に人が存在することが想定される機器、(b)建築物その他の相当の大きさを有する工作物等を指す。具体的な「物件」の例は次のとおり。
車両等:自動車、鉄道車両、軌道車両、船舶、航空機、建設機械、港湾のクレーン 等
工作物:ビル、住居、工場、倉庫、橋梁、高架、水門、変電所、鉄塔、電柱、電線、信号機、街灯 等
なお、土地や自然物(樹木、雑草等)などは、「物件」に該当しない。

d. 催し場所上空

無人航空機の操縦者は、多数の者の集合する催しが行われている場所の上空における飛行が原則禁止されている。
「多数の者の集合する催し」とは、特定の場所や日時に開催される多数の者が集まるものを指す。その該当の有無については、催し場所上空において無人航空機が落下することにより地上等の人に危害を及ぼすことを防止するという趣旨に照らし、集合する者の人数や規模だけでなく、特定の場所や日時に開催されるかどうかによって総合的に判断される。
なお、飛行許可・承認の取得の有無によらず、飛行予定経路下において想定していない「多数の者の集合する催し」が開催されることが明らかになり、飛行場所に第三者の立入り又はそのおそれのあることを確認したときは、直ちに当該無人航空機の飛行を停止し、飛行経路の変更、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがない場所への着陸その他の必要な措置を講じなければならない。
具体的には、次のとおり。
⚫ 該当する例祭礼、縁日、展示会のほか、プロスポーツの試合、スポーツ大会、運動会、屋外で開催されるコンサート等のイベント、ドローンショー(自社敷地内、無人の競技場内等、第三者の立入管理措置が行われていることが明白である場所での事前練習や企業向けの配信用撮影等を除く)、花火大会、盆踊り大会、マラソン、街頭パレード、選挙等における屋外演説会、デモ(示威行為) 等
⚫ 該当しない例
関係者のみが参加する催し場所上空の飛行
自然発生的なもの(信号待ちや混雑により生じる人混み 等)
また、多数の者の集合する催しが行われている場所の上空における飛行に際しては、風速 5m/s以上の場合は飛行を中止することや、機体が第三者及び物件に接触した場合の危害を軽減する構造を用意していることが必要である。

e. 危険物の輸送

無人航空機の操縦者は、当該無人航空機により危険物を輸送することが原則禁止されている。
「危険物」とは、火薬類、高圧ガス、引火性液体、可燃性物質、酸化性物質類、毒物類、放射性物質、腐食性物質などが該当する。
無人航空機の飛行のため当該無人航空機で輸送する物件は、「危険物」の対象とならない。例えば、無人航空機の飛行のために必要な燃料や電池、安全装置としてのパラシュートを開傘するために必要な火薬類や高圧ガス、業務用機器(カメラ等)に用いられる電池が該当する。

f. 物件の投下

無人航空機の操縦者は、当該無人航空機から物件を投下させることが原則禁止されている。
物件の投下には、水や農薬等の液体や霧状のものの散布も含まれる。無人航空機を使って対象物件を地表等に落下させることなく地上の人員に受け渡す行為や輸送した物件を地表に置く行為は、物件の投下には含まれない。

3) 規制対象となる飛行の空域及び方法の例外

a. 捜索又は救助のための特例

国や地方公共団体又はこれらから依頼を受けた者が、事故、災害等に際し、捜索又は救助を目的として無人航空機を飛行させる場合には、特例として飛行の空域及び方法の規制が適用されない。
ここで、「捜索又は救助」とは、事故や災害の発生等に際して人命や財産に急迫した危難のおそれがある場合において、人命の危機又は財産の損傷を回避するための措置を指しており、当該措置をとることについて緊急性がある飛行については、本特例が適用されることとなる。例えば、大規模災害発生時においては、多数の道路の寸断や集落の孤立が発生する可能性があることから、被災者の捜索又は救助に加え、被災地の孤立地域等への医薬品、衛生用品、食料品、飲料水等の生活必需品の輸送、危険を伴う箇所での調査・点検のほか、住民避難後の住宅やその地域の防犯対策のための無人航空機の飛行も含め、当該特例の対象となる。これらについては通達「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」や「航空法第132 条の92 の適用を受け無人航空機を飛行させる場合の運用ガイドライン」において規定されている。また、震災発生に伴う仮設住宅建設予定調査のための飛行や獣害を未然に防ぐための飛行など、この特例の具体的な適用事例が国土交通省ホームページに参考資料として示されている。
なお、災害時の対応であっても、国や地方公共団体にかかわらない独自の活動にあっては、特例の対象とはならず、国の飛行の許可・承認などの手続き等が必要となる。

b. 高度150メートル以上の空域の例外

地表又は水面から150メートル以上の高さの空域に関しては、航空機の空域と分離する観点から原則として飛行が禁止されているが、煙突や鉄塔などの高層の構造物の周辺は、航空機の飛行が想定されないことから、高度150メートル以上の空域であっても、当該構造物から30メートル以内の空域については、無人航空機の飛行禁止空域から除外されている。ただし、当該構造物の関係者による飛行を除き、第三者又は第三者の物件から30メートル以内の飛行に該当することから、当該飛行の方法に関する手続き等は必要となる。

c. 十分な強度を有する紐等で係留した場合の例外

十分な強度を有する紐(ひも)等(30メートル以下)で係留し、飛行可能な範囲内への第三者の立入管理等の措置を講じて無人航空機を飛行させる場合は、人口集中地区、夜間飛行、目視外飛行、第三者から30メートル以内の飛行及び物件投下に係る手続き等が不要である。
自動車、航空機等の移動する物件に紐等を固定して又は人が紐等を持って移動しながら無人航空機を飛行させる行為(えい航)は、係留には該当しない。

d. 航空法施行規則第236 条の82 第1項第2号の規定による農薬散布等の例外

無人航空機を飛行させて農薬等の空中散布などを行う場合であって、航空法施行規則第236 条の第1項第2号の規定で定める要件を満たす場合には、夜間飛行、目視外飛行、第三者から30メートル以内の飛行、危険物輸送及び物件投下に係る飛行の承認手続きが不要である。

4) その他の補足事項等

a. 第三者及び第三者上空の定義

(1) 「第三者」について

「第三者」とは、無人航空機の飛行に直接的又は間接的に関与していない者をいう。
次に掲げる者は無人航空機の飛行に直接的又は間接的に関与しており、「第三者」には該当しない。
(a)無人航空機の飛行に直接的に関与している者直接的に関与している者(以下「直接関与者」という。)とは、操縦者、現に操縦はしていないが操縦する可能性のある者、補助者等無人航空機の飛行の安全確保に必要な要員とする。
(b)無人航空機の飛行に間接的に関与している者間接的に関与している者(以下「間接関与者」という。)とは、飛行目的について操縦者と共通の認識を持ち、次のいずれにも該当する者とする。
a. 操縦者が、間接関与者について無人航空機の飛行の目的の全部又は一部に関与していると判断している。
b. 間接関与者が、操縦者から、無人航空機が計画外の挙動を示した場合に従うべき明確な指示と安全上の注意を受けている。なお、間接関与者は当該指示と安全上の注意に従うことが期待され、操縦者は、指示と安全上の注意が適切に理解されていることを確認する必要がある。
c. 間接関与者が、無人航空機の飛行目的の全部又は一部に関与するかどうかを自ら決定することができる。
例:映画の空撮における俳優やスタッフ、学校等での人文字の空撮における生徒 等

(2) 「第三者上空」について

「第三者上空」とは、(1)の「第三者」の上空をいい、当該第三者が乗り込んでいる移動中の車両等(自動車、鉄道車両、軌道車両、船舶、航空機、建設機械、港湾のクレーン等をいう。以下同じ。)の上空を含むものとする。この場合の「上空」とは、「第三者」の直上だけでなく、飛行させる無人航空機の落下距離(飛行範囲の外周から製造者等が保証した落下距離)を踏まえ、当該無人航空機が落下する可能性のある領域に第三者が存在する場合は、当該無人航空機は当該第三者の上空にあるものとみなす。また、無人航空機の飛行が終了するまでの間、無人航空機の飛行に関与しない者((1)の「第三者」)の態様(状況)及び飛行の形態が以下のいずれかに該当する場合は、無人航空機が第三者上空にあるとはみなさないこととなる。
①「第三者」が遮蔽物に覆われており、当該遮蔽物に無人航空機が衝突した際に当該第三者が保護される状況にある場合(当該第三者が屋内又は車両等(移動中のものを除く。)の内部にある場合等。)
②「第三者」が、移動中の車両等(無人航空機が当該車両等に衝突した際に当該第三者が保護される状況にある場合に限る。)の中にある場合であって、無人航空機が必要な要件を満たした上でc.レベル3.5 飛行に規定される飛行として一時的に当該移動中の車両等の上空を飛行するとき。
ただし、「第三者」が遮蔽物に覆われず、無人航空機の衝突から保護されていない状況になった場合には、無人航空機が「第三者上空」にあるとみなされる点に留意する必要がある。

b. 立入管理措置

特定飛行に関しては、無人航空機の飛行経路下において第三者の立入りを管理する措置(立入管理措置)を講ずるか否かにより、カテゴリーⅡ飛行とカテゴリーⅢ飛行に区分され、必要となる手続き等が異なる。
立入管理措置の内容は、第三者の立入りを制限する区画(立入管理区画)を設定し、当該区画の範囲を明示するために必要な標識の設置等としており、例えば、関係者以外の立入りを制限する旨の看板、コーン等による表示、補助者による監視及び口頭警告などが該当する。

c. レベル3.5 飛行

2023 年12 月に、デジタル技術の活用(機上カメラ)、無人航空機操縦者技能証明の保有及び保険への加入を条件として、レベル3 飛行で従来求められていた立入管理措置のうち、補助者の配置や看板の設置等を機上カメラによる確認に代替し、移動中の車両等の上空の一時的な横断を伴う飛行が可能となる「レベル3.5 飛行」が新設された。
以下、レベル3.5 飛行の概要を述べる。

(1) レベル3.5 飛行の位置づけ

レベル3.5 飛行は、山、海水域、河川・湖沼、森林、農用地等の人口密度が低い地域といった第三者が存在する可能性が低い場所(※夜間含む)で行うものであり、飛行経路下に歩行者等がいない無人地帯であることをデジタル技術の活用(機上カメラ)によって確認することで立入管理措置を代替し、経路を特定したうえで行う飛行であることから、カテゴリーⅡ飛行(レベル3 飛行)に該当する。
表帯 p26タップで拡大
そのため、レベル3.5 飛行は以下の点について注意する必要がある。
⚫ 一定の要件を満たすことにより、一時的な道路等の横断に限って移動中の車両等の上空を飛行することを可能とするものであり、カテゴリーⅢ(レベル4)飛行と同様に歩行者等の第三者の上空の飛行を認めるものではない。
⚫ 一定の要件を満たすことにより、従来求められていた立入管理措置のうち補助者の配置や看板の設置等を機上カメラでの確認に代替するものであり、立入管理措置そのものが不要となるわけではない。

(2) レベル3.5 飛行の実施に求められる安全確保体制等

レベル3.5 飛行の実施に当たっては、特に下記3 つの要件への適合が必要である。
⚫ 機上カメラと地上に設置するモニター等の設備により、進行方向の飛行経路の直下及びその周辺に第三者の立入りが無いことを確認できることを事前に確認していること
⚫ 操縦者が無人航空機操縦者技能証明(飛行させる無人航空機の種類、重量に対応したものであって、目視内飛行の限定解除を受けたもの)を保有していること
⚫ 移動中の車両等との接触や交通障害等の不測の事態に備え、十分な補償が可能な第三者賠償責任保険に加入していること
また、レベル3.5 飛行の実施に際し、レベル3飛行に必要な要件へ適合していることを示す以下の資料の作成が必要である。また、飛行の安全を確保するための運航条件等を事前に定める必要がある。
⚫ 飛行に際し想定されるリスクを十分に考慮の上、安全な飛行が可能となる運航条件等を設定した資料
⚫ 無人航空機の機能・性能及び飛行形態に応じた追加基準に関する基準適合状況を示せる資料
⚫ 操縦者にかかる飛行形態に応じた追加基準への適合性について、過去の飛行実績又は訓練実績等を記載した資料
⚫ 飛行範囲及びその外周から製造者等が保証した落下距離の範囲内を立入管理区画として地図上に示した資料
⚫ 想定される運用により、十分な飛行実績(機体の初期故障期間を超えたもの)を有することを示せる資料
なお、上記資料は基本的に申請時の提出は不要であるが、別途、国土交通省航空局から求めがあった場合には提出が必要となる。

3.1.2.3無人航空機の操縦者等の義務

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(3) 無人航空機の操縦者等の義務

1) 無人航空機の操縦者が遵守する必要がある運航ルール

a. アルコール又は薬物の影響下での飛行禁止

アルコール又は薬物の影響により当該無人航空機の正常な飛行ができないおそれがある間において飛行させないこと。
「アルコール」とはアルコール飲料やアルコールを含む食べ物を指し、「薬物」とは麻薬や覚せい剤等の規制薬物に限らず、医薬品も含まれる。
アルコールによる身体への影響は、個人の体質やその日の体調により異なるため、体内に保有するアルコールが微量であっても無人航空機の正常な飛行に影響を与えるおそれがあるため、体内に保有するアルコール濃度の程度にかかわらず体内にアルコールを保有する状態では無人航空機の飛行を行ってはならない。

b. 飛行前の確認

無人航空機が飛行に支障がないことその他飛行に必要な準備が整っていることを確認した後において飛行させること。
(a) 外部点検及び作動点検による無人航空機の状況の確認
各機器の取付状況(ネジ等の脱落やゆるみ等)、発動機・モーター等の異音の有無、機体(プロペラ、フレーム等)の損傷や歪みの有無、通信系統・推進系統・電源系統・自動制御系統等の作動状況などの確認が挙げられる。
(b) 無人航空機を飛行させる空域及びその周囲の状況の確認
飛行空域や周囲における航空機や他の無人航空機の飛行状況、飛行空域や周囲の地上又は水上の人(第三者の有無)又は物件(障害物等の有無)の状況、航空法その他の法令等の必要な手続き等の状況、緊急用務空域・飛行自粛要請空域の該当の有無、立入管理措置・安全確保措置等の準備状況などの確認が挙げられる。
(c) 飛行に必要な気象情報の確認
天候、風速、視程など当該無人航空機の飛行に適した天候にあるか否かを確認する。
(d) 燃料の搭載量又はバッテリーの残量の確認
(e) リモートID 機能の作動状況(リモートID 機能の搭載の例外となっている場合を除く。)

c. 航空機又は他の無人航空機との衝突防止

飛行前において、航行中の航空機を確認した場合には、飛行を行わないこと。また、飛行中の他の無人航空機を確認した場合には、飛行日時、飛行経路、飛行高度等について、他の無人航空機を飛行させる者と調整を行うこと。
飛行中において、航行中の航空機を確認した場合には、地上に降下させるなど、接近又は衝突を回避するための適切な措置を取ること。また、飛行中の他の無人航空機を確認した場合には、当該無人航空機との間に安全な間隔を確保して飛行させ、接近又は衝突のおそれがあると認められる場合には地上に降下させるなど適切な措置を取るとともに、飛行日時、飛行経路、飛行高度等について、他の無人航空機を飛行させる者と調整を行うこと。

d. 他人に迷惑を及ぼす方法での飛行禁止

飛行上の必要がないのに高調音を発し、又は急降下し、その他他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと。「他人に迷惑を及ぼすような方法」とは、人に向かって無人航空機を急接近させることなどを指す。

e. 使用者の整備及び改造の義務

登録を受けた無人航空機の使用者は、整備及び必要に応じて改造をし、当該無人航空機が安全上の問題から登録を受けることができない無人航空機とならないように維持しなければならない。登録記号の機体への表示も維持しなければならない。

f. 事故等の場合の措置

ア) 事故の場合の措置
無人航空機に関する事故が発生した場合には、当該無人航空機を飛行させる者は、直ちに当該無人航空機の飛行を中止するとともに、負傷者がいる場合にはその救護・通報、事故等の状況に応じた警察への通報、火災が発生している場合の消防への通報など、危険を防止するための必要な措置を講じなければならない。また、当該事故が発生した日時及び場所等の必要事項を国土交通大臣に報告しなければならない。なお、無人航空機の事故とは、次の事態をいう。

a. 無人航空機による人の死傷又は物件の損壊

人の死傷に関しては重傷以上を対象とする。物件の損壊に関しては第三者の所有物を対象とするが、その損傷の規模や損害額を問わず全ての損傷を対象とする。

b. 航空機との衝突又は接触

航空機又は無人航空機のいずれか又は両方に損傷が確認できるものを対象とする。
イ) 重大インシデントの報告上記事故が発生するおそれがあると認める事態(重大インシデント)が発生した場合にあっても、国土交通大臣への報告が義務付けられている。重大インシデントの対象としては、飛行中航空機との衝突又は接触のおそれがあったと認めた事態、重傷に至らない無人航空機による人の負傷、無人航空機の制御が不能となった事態及び無人航空機が発火した事態(飛行中に発生したものに限る。)が含まれる。

2) 特定飛行をする場合に遵守する必要がある運航ルール

a. 飛行計画の通報等

無人航空機を飛行させる者は、特定飛行を行う場合には、あらかじめ、次に掲げる事項等を記載した飛行計画を国土交通大臣に通報しなければならない(あらかじめ飛行計画を通報することが困難な場合には事後の通報でも可)。具体的には、国が提供している「ドローン情報基盤システム(飛行計画通報機能)」に入力することにより通報する。
a. 無人航空機の登録記号及び種類並びに型式(型式認証を受けたものに限る。)
b. 無人航空機を飛行させる者の氏名並びに技能証明書番号(技能証明を受けた者に限る。)及び飛行の許可・承認の番号(許可・承認を受けた場合に限る。)

c. 飛行の目的、高度及び速度

d. 飛行させる飛行禁止空域及び飛行の方法

e. 出発地、目的地、目的地に到着するまでの所要時間

f. 立入管理措置の有無及びその内容

g. 損害賠償のための保険契約の有無及びその内容

無人航空機を飛行させる者は、通報した飛行計画に従って特定飛行をしなければならない。国土交通大臣は、当該飛行計画の通報を受けた場合に安全の確保のために必要と認めるときは、特定飛行の日時又は経路の変更など必要な措置を講ずるよう指示する場合があり、当該指示を受けた場合にはその指示に従わなければならない。ただし、安全を確保するためにやむを得ない場合はこの限りではない。
なお、特定飛行に該当しない無人航空機の飛行を行う場合であっても、飛行計画を通報することが望ましい。

b. 飛行日誌の携行及び記載

無人航空機を飛行させる者は、特定飛行をする場合には、飛行日誌を携行(携帯)することが義務付けられる。飛行日誌は、紙又は電子データ(システム管理を含む。)の形態を問わないが、特定飛行を行う場合には、必要に応じ速やかに参照や提示できるようにする必要がある。
特定飛行を行う者は、無人航空機に関する情報(登録記号、種類、型式、製造者・製造番号等)に加え、次に掲げる事項等を遅滞なく飛行日誌に記載しなければならない。特定飛行に該当しない無人航空機の飛行を行う場合であっても、飛行日誌に記載することが望ましい。

a. 飛行記録

飛行の年月日、離着陸場所・時刻、飛行時間、飛行させた者の氏名、不具合及びその対応 等

b. 日常点検記録

日常点検の実施の年月日・場所、実施者の氏名、日常点検の結果 等

c. 点検整備記録

点検整備の実施の年月日・場所、実施者の氏名、点検・修理・改造・整備の内容・理由 等

3) 機体認証を受けた無人航空機を飛行させる者が遵守する必要がある運航ルール

a. 使用の条件の遵守

無人航空機の機体認証を行う場合は、無人航空機飛行規程に定めた無人航空機の安全性を確保するための限界事項等(最大離陸重量、飛行可能高度、飛行可能速度等)を「使用の条件」として指定し、使用条件等指定書として交付することとしている。機体認証を受けた無人航空機を飛行させる者は、当該使用の条件の範囲内で特定飛行しなければならない。

b. 必要な整備の義務

機体認証を受けた無人航空機の使用者は、必要な整備をすることにより、当該無人航空機を安全基準に適合するように維持しなければならない。具体的には、無人航空機の機体認証を行う場合に設定される無人航空機整備手順書(機体メーカーの取扱説明書等)に従って整備をすることが義務付けられる。

4) 罰則

航空法令の規定に違反した場合には、次の罰則の対象となる可能性がある(技能証明を有する者は、罰則に加えて、技能証明の取消し等の行政処分の対象にもなる可能性がある)。
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5) 行政処分等

技能証明を有する者が、「無人航空機操縦者技能証明に係る行政処分に関する基準」に定める処分事由に該当する行為を行った場合、処分事由に応じて技能証明の効力の取消や停止等の行政処分又は行政指導が行われる。
同基準では点数制を採用しており、技能証明に係る行政処分及び行政指導の内容は、「点数表」に掲げる処分事由に対応する点数を基本として、個別事情や過去に処分を受けているかの有無を勘案して点数の加重又は軽減を行い、当該処分事由についての点数を決定したうえで、「処分等区分表」によって決定される。
「点数表」、「処分等区分表」、「個別事情による加減表」、「過去に処分等を受けている場合の取扱表」を以下に示す。
「無人航空機操縦者技能証明に係る行政処分に関する基準」に定める「点数表」
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「無人航空機操縦者技能証明に係る行政処分に関する基準」に定める「処分等区分表」
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「無人航空機操縦者技能証明に係る行政処分に関する基準」に定める「個別事情による加減表」
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「無人航空機操縦者技能証明に係る行政処分に関する基準」に定める「過去に処分等を受けている場合の取扱表」
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3.1.2.4運航管理体制(安全確保措置・リスク管理等)

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(4) 運航管理体制(安全確保措置・リスク管理等)

1) 安全確保措置等

カテゴリーⅡ飛行のうち、カテゴリーⅡB 飛行については、技能証明を受けた操縦者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合には、特段の手続きなく飛行可能である。この場合には、安全確保措置として次に掲げる事項等を記載した飛行マニュアルを作成し遵守しなければならない。

a. 無人航空機の定期的な点検及び整備に関する事項

b. 無人航空機を飛行させる者の技能の維持に関する事項

c. 当該無人航空機の飛行前の確認に関する事項

d. 無人航空機の飛行に係る安全管理体制に関する事項

e. 事故等が発生した場合における連絡体制の整備等に関する事項

カテゴリーⅡ飛行のうち、カテゴリーⅡA飛行については、技能証明を受けた操縦者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合であっても、あらかじめ「運航管理の方法」について国土交通大臣の審査を受け、飛行の許可・承認を受ける必要がある。

2) カテゴリーⅢ飛行を行う場合の運航管理体制[一等]

カテゴリーⅢ飛行を行う場合には、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた操縦者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させることが求められることに加え、あらかじめ「運航管理の方法」について国土交通大臣の審査を受け、飛行の許可・承認を受ける必要がある。
具体的には、無人航空機を飛行させる者は、第三者上空飛行に当たり想定されるリスクの分析と評価を実施し、非常時の対処方針や緊急着陸場所の設定などの必要なリスク軽減策を講じることとし、これらのリスク評価結果に基づき作成された飛行マニュアルを含めて、運航の管理が適切に行われることを審査される。また、飛行の許可・承認の審査において、無人航空機を飛行させる者が適切な保険に加入するなど賠償能力を有することの確認を行うこととしている。なお、リスク評価については、「安全確保措置検討のための無人航空機の運航リスク評価ガイドライン」(公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構 福島ロボットテストフィールド発行)を活用することが推奨されている。

3.1.2.5無人航空機操縦者技能証明制度

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(5) 無人航空機操縦者技能証明制度

1) 制度概要

無人航空機操縦者技能証明(技能証明)制度は、無人航空機を飛行させるのに必要な技能(知識及び能力)を有することを国が証明する資格制度である。国が指定した民間試験機関(指定試験機関)による学科試験、実地試験及び身体検査により知識及び能力を判定し、これらの試験等に合格した場合には、国が技能証明を行う。
技能証明は、カテゴリーⅢ飛行に必要な技能に係る一等無人航空機操縦士とカテゴリーⅡ飛行に必要な技能に係る二等無人航空機操縦士の2つの資格に区分され、それぞれの資格において、無人航空機の種類(6種類)及び飛行の方法(3種類)について限定をすることとしている。
パワードリフト機(Powered-lift)の飛行にあたっては、回転翼航空機(マルチローター)及び飛行機の両方の種類の限定に係る資格が必要となる。
図帯 p34タップで拡大

2) 技能証明の資格要件

次に掲げる項目のいずれかに該当する場合には、技能証明の申請をすることができない。

a. 16歳に満たない者

b. 航空法の規定に基づき技能証明を拒否された日から1年以内の者又は技能証明を保留されている者(航空法等に違反する行為をした場合や無人航空機の飛行に当たり非行又は重大な過失があった場合に係るものに限る。)
c. 航空法の規定に基づき技能証明を取り消された日から2年以内の者又は技能証明の効力を停止されている者(航空法等に違反する行為をした場合や無人航空機の飛行に当たり非行又は重大な過失があった場合に係るものに限る。)
次に掲げる項目のいずれかに該当する場合には、技能証明試験に合格した者であっても技能証明を拒否又は保留することができる。

a. てんかんや認知症等の無人航空機の飛行に支障を及ぼすおそれがある病気にかかっている者

b. アルコールや大麻、覚せい剤等の中毒者

c. 航空法等に違反する行為をした者

d. 無人航空機の飛行に当たり非行又は重大な過失があった者

3) 技能証明の交付手続き

技能証明を受けようとする者は、「指定試験機関」が実施する学科試験、実地試験及び身体検査に合格したうえで、国土交通大臣に技能証明書の交付の申請手続きを行う必要がある。この場合において、学科試験に合格しなければ、実地試験を受けることができない。
無人航空機の民間講習機関のうち国の登録を受けた「登録講習機関」の無人航空機講習(学科講習・実地講習)を修了した者にあっては、技能証明試験のうち実地試験を免除することができる。
技能証明試験に関して不正の行為が認められた場合には、当該不正行為と関係のある者について、その試験を停止し、又はその合格を無効にすることができる。この場合において、当該者に対し一定期間試験を拒否することができる。
これらの手続きについては、技能証明の新規交付に係る場合のほか、技能証明を有する者がその限
定を変更しようとする場合も同様である。
また、技能証明の有効期間は3年であり、その更新を申請する者は、「登録更新講習機関」が実施する無人航空機更新講習を有効期間の更新の申請をする日以前3月以内に修了したうえで、有効期間が満了する日の6月前から1月前までの間に国土交通大臣に対し技能証明の更新を申請しなければならない。

4) 技能証明を受けた者の義務

技能証明を受けた者は、その限定をされた種類の無人航空機又は飛行の方法でなければ特定飛行を行ってはならない(飛行の許可・承認を受けて特定飛行を行う場合を除く。)。
技能証明を行うにあたって、国土交通大臣は技能証明に係る身体状態に応じ、無人航空機を飛行させる際の必要な条件(眼鏡・コンタクトレンズや補聴器の着用等)を付すことができることとしており、当該条件が付された技能証明を受けた者は、その条件の範囲内でなければ特定飛行を行ってはならない(飛行の許可・承認を受けて特定飛行を行う場合を除く。)。
技能証明を受けた者は、特定飛行を行う場合には、技能証明書を携帯しなければならない。

5) 技能証明の取消し等

技能証明を受けた者が次に掲げる項目のいずれかに該当する場合には、技能証明の取消し又は1年以内の技能証明の効力の停止を受けることがある。
a. てんかんや認知症等の無人航空機の飛行に支障を及ぼすおそれがある病気にかかっている又は身体の障害であることが判明したとき

b. アルコールや大麻、覚せい剤等の中毒者であることが判明したとき

c. 航空法等に違反する行為をしたとき

d. 無人航空機の飛行に当たり非行又は重大な過失があったとき

3.2.1小型無人機等飛行禁止法

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(1) 制度概要

小型無人機等飛行禁止法は、国会議事堂などの重要施設に対する危険を未然に防止し、もって国政の中枢機能等、良好な国際関係、我が国を防衛するための基盤並びに国民生活及び経済活動の基盤の維持並びに公共の安全の確保に資するため、これら重要施設及びその周囲おおむね1000m の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行を禁止するものである。

(2) 飛行禁止の対象となる小型無人機等

小型無人機等飛行禁止法により重要施設及びその周辺地域の上空の飛行が禁止される対象は、小型無人機及び特定航空用機器であり、具体的には次のとおりである。

1) 小型無人機

飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他の航空の用に供することができる機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるものと定義されている。航空法の「無人航空機」と異なり、「小型無人機」は大きさや重さにかかわらず対象となり、100グラム未満のものも含まれる。

2) 特定航空用機器

航空機以外の航空の用に供することができる機器であって、当該機器を用いて人が飛行することができるものと定義されており、気球、ハンググライダー及びパラグライダー等が該当する。

(3) 飛行禁止の対象となる重要施設

小型無人機等飛行禁止法により、重要施設の敷地・区域の上空(レッド・ゾーン)及びその周囲おおむね1000m の上空(イエロー・ゾーン)においては小型無人機等を飛行させることはできない。その対象となる重要施設は以下のとおり。このほかにも、外国要人の来日等に伴い、一時的に対象施設が追加されることがある。詳細については、警察庁ホームページなどを参照すること。
① 国の重要な施設等
⚫ 国会議事堂、内閣総理大臣官邸、最高裁判所、皇居等
⚫ 危機管理行政機関の庁舎
⚫ 対象政党事務所
⚫ 天皇又は内閣総理大臣の所在する施設であって、国内要人が出席する行事会場等
② 外国公館等(外務大臣指定)
⚫ 外国公館、国際機関の事務所等
⚫ 外国要人が参加する国際会議の準備又は運営のために使用される会議場施設等
③ 防衛関係施設(防衛大臣指定)
⚫ 自衛隊施設
⚫ 在日米軍施設
④空港(国土交通大臣指定)
⚫ 新千歳空港、成田国際空港、東京国際空港、中部国際空港、大阪国際空港、関西国際空港、福岡空港、那覇空港
⑤原子力事業所(国家公安委員会指定)

(4) 飛行禁止の例外及びその手続き

小型無人機等の飛行禁止の例外は、次に掲げる場合に限られており、航空法に基づく飛行の許可・承認や機体認証・技能証明を取得した場合であっても小型無人機等を飛行させることはできない。
(a) 対象施設の管理者又はその同意を得た者による飛行
(b) 土地の所有者等又はその同意を得た者が当該土地の上空において行う飛行
(c) 国又は地方公共団体の業務を実施するために行う飛行
ただし、対象防衛関係施設及び対象空港の敷地又は区域の上空(レッドゾーン)においては、上記(b)又は(c)であっても対象施設の管理者の同意が必要となる((a)の飛行のみ可)。
飛行禁止の例外にあたる場合であっても、対象施設及びその周囲おおむね1000m の周辺地域の上空で小型無人機等を飛行させる場合、都道府県公安委員会等へ通報しなければならない。

(5) 違反に対する措置等

警察官等は、小型無人機等飛行禁止法の規定に違反して小型無人機等の飛行を行う者に対し、機器の退去その他の必要な措置をとることを命ずることができる。また、やむを得ない限度において、小型無人機等の飛行の妨害、破損その他の必要な措置をとることができる。
対象施設の敷地・区域の上空(レッド・ゾーン)で小型無人機等の飛行を行った者及び警察官等の命令に違反した者は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処せられる。また、対象施設の敷地の周囲おおむね1000m の上空(イエロー・ゾーン)で小型無人機等の飛行を行った者は、6月以下の拘禁刑又は50 万円以下の罰金に処せられる。

3.2.2電波法

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(1) 制度概要及び無人航空機に用いられる無線設備

無人航空機においては、その操縦や画像伝送のために電波を発射する無線設備が利用されている。
これらの無線設備を日本国内で使用する場合には、電波法令に基づき、国内の技術基準に合致した無線設備を使用し、原則、総務大臣の免許や登録を受け、無線局を開設する必要がある(微弱な無線局や一部の小電力の無線局は除く)。本制度の詳細については、総務省電波利用ホームページ等で確認すること。
国内で無人航空機での使用が想定される主な無線通信システムは以下のとおり。
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(2) 免許又は登録を要しない無線局

発射する電波が極めて微弱な無線局や、一定の技術的条件に適合する無線設備を使用する小電力の無線局については、無線局の免許又は登録が不要である。無人航空機には、ラジコン用の微弱無線局や小電力データ通信システム(無線LAN 等)の一部が主として用いられている。
① 微弱無線局(ラジコン用)
ラジコン等に用いられる微弱無線局は、無線設備から500 メートルの距離での電界強度(電波の強さ)が200μV/m以下のものとして、周波数などが総務省告示で定められている。無線局免許や無線従事者資格が不要であり、主に、産業用の農薬散布ラジコンヘリ等で用いられている。
② 一部の小電力の無線局
空中線電力が1W 以下で、特定の用途に使用される一定の技術基準が定められた無線局については、免許又は登録が不要である。例えば、Wi-Fi やBluetooth 等の小電力データ通信システムの無線局等が該当する。
これらの小電力の無線局は、無線局免許や無線従事者資格が不要だが、技術基準適合証明等(技術基準適合証明又は工事設計認証)を受けた適合表示無線設備でなければならない。具体的には、以下の技術基準適合証明等を受けた旨の表示(技適マーク)等により確認すること。
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(3) アマチュア無線局

上記の無線局のほか、無人航空機にアマチュア無線が用いられることがある。この場合は、アマチュア無線技士の資格及びアマチュア無線局免許が必要である。なお、アマチュア無線とは、金銭上の利益のためでなく、専ら個人的な興味により行う自己訓練、通信及び技術研究のための無線通信である。そのため、アマチュア無線を使用した無人航空機を、利益を目的とした仕事などの業務に利用することはできない。
また、無人航空機においてFPV(First Person View)といった画像伝送が用いられることがある。
アマチュア無線によるFPV 無人航空機については、現在、無人航空機の操縦に2.4GHz 帯の免許不要局を使用し、無人航空機からの画像伝送に5GHz 帯のアマチュア無線局を使用する場合が多いが、5GHz 帯のアマチュア無線は、周波数割当計画上、二次業務に割り当てられている。このため、同一帯域を使用する他の一次業務の無線局の運用に妨害を与えないように運用しなければならない。特に、5.7GHz 帯では無人移動体画像伝送システムが用いられているほか、5.8GHz 帯は、DSRC システムに割り当てられており、主として高速道路のETC システムや駐車場管理等に用いられているので、それら付近での使用は避ける等、運用の際には配慮が必要である。

(4) 携帯電話

携帯電話等の移動通信システムは、地上での利用を前提に設計されていることから、上空で利用した場合、通信品質の安定性や地上の携帯電話等の利用への影響が懸念される。こうした状況を踏まえ、一定の条件下で利用することで、既設の無線局の運用等に支障を与えずに上空で利用できるよう、制度整備がなされている。
携帯電話を無人航空機に搭載して利用する場合(無人航空機にSIM カードを挿入して利用する場合を含む)には、携帯電話事業者が提供する条件に対応した上空用プラン等の利用手続を行うことが必要である。詳細は総務省電波利用ホームページを確認すること。

3.2.3その他の法令等

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上記の法令に加え、その他の法令等又は地方公共団体が定める条例に基づき、無人航空機の利用方法が制限されたり、都市公園や施設の上空など特定の場所において、無人航空機の飛行が制限されたりする場合がある。
こうした法令等や条例については、国土交通省ホームページに一覧等が掲載されている(条例の最新の情報については地方公共団体に確認すること)。

3.2.4飛行自粛要請空域

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法令等に基づく規制ではないが、警備上の観点等から警察などの関係省庁等の要請に基づき、国土交通省が無人航空機の飛行自粛を要請することがある。飛行自粛要請空域が設定される場合には国土交通省のホームページ・X(旧Twitter)にて公示するため、無人航空機の操縦者は、飛行を開始する前に、当該空域が飛行自粛要請空域に該当するか否かの別を確認し、その要請内容に基づき適切に対応すること。

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