無人航空機の飛行の安全に関する教則
3.2.2(電波法)
(1) 制度概要及び無人航空機に用いられる無線設備
無人航空機においては、その操縦や画像伝送のために電波を発射する無線設備が利用されている。
これらの無線設備を日本国内で使用する場合には、電波法令に基づき、国内の技術基準に合致した無線設備を使用し、原則、総務大臣の免許や登録を受け、無線局を開設する必要がある(微弱な無線局や一部の小電力の無線局は除く)。本制度の詳細については、総務省電波利用ホームページ等で確認すること。
国内で無人航空機での使用が想定される主な無線通信システムは以下のとおり。
(2) 免許又は登録を要しない無線局
発射する電波が極めて微弱な無線局や、一定の技術的条件に適合する無線設備を使用する小電力の無線局については、無線局の免許又は登録が不要である。無人航空機には、ラジコン用の微弱無線局や小電力データ通信システム(無線LAN 等)の一部が主として用いられている。
① 微弱無線局(ラジコン用)
ラジコン等に用いられる微弱無線局は、無線設備から500 メートルの距離での電界強度(電波の強さ)が200μV/m以下のものとして、周波数などが総務省告示で定められている。無線局免許や無線従事者資格が不要であり、主に、産業用の農薬散布ラジコンヘリ等で用いられている。
② 一部の小電力の無線局
空中線電力が1W 以下で、特定の用途に使用される一定の技術基準が定められた無線局については、免許又は登録が不要である。例えば、Wi-Fi やBluetooth 等の小電力データ通信システムの無線局等が該当する。
これらの小電力の無線局は、無線局免許や無線従事者資格が不要だが、技術基準適合証明等(技術基準適合証明又は工事設計認証)を受けた適合表示無線設備でなければならない。具体的には、以下の技術基準適合証明等を受けた旨の表示(技適マーク)等により確認すること。
(3) アマチュア無線局
上記の無線局のほか、無人航空機にアマチュア無線が用いられることがある。この場合は、アマチュア無線技士の資格及びアマチュア無線局免許が必要である。なお、アマチュア無線とは、金銭上の利益のためでなく、専ら個人的な興味により行う自己訓練、通信及び技術研究のための無線通信である。そのため、アマチュア無線を使用した無人航空機を、利益を目的とした仕事などの業務に利用することはできない。
また、無人航空機においてFPV(First Person View)といった画像伝送が用いられることがある。
アマチュア無線によるFPV 無人航空機については、現在、無人航空機の操縦に2.4GHz 帯の免許不要局を使用し、無人航空機からの画像伝送に5GHz 帯のアマチュア無線局を使用する場合が多いが、5GHz 帯のアマチュア無線は、周波数割当計画上、二次業務に割り当てられている。このため、同一帯域を使用する他の一次業務の無線局の運用に妨害を与えないように運用しなければならない。特に、5.7GHz 帯では無人移動体画像伝送システムが用いられているほか、5.8GHz 帯は、DSRC システムに割り当てられており、主として高速道路のETC システムや駐車場管理等に用いられているので、それら付近での使用は避ける等、運用の際には配慮が必要である。
(4) 携帯電話
携帯電話等の移動通信システムは、地上での利用を前提に設計されていることから、上空で利用した場合、通信品質の安定性や地上の携帯電話等の利用への影響が懸念される。こうした状況を踏まえ、一定の条件下で利用することで、既設の無線局の運用等に支障を与えずに上空で利用できるよう、制度整備がなされている。
携帯電話を無人航空機に搭載して利用する場合(無人航空機にSIM カードを挿入して利用する場合を含む)には、携帯電話事業者が提供する条件に対応した上空用プラン等の利用手続を行うことが必要である。詳細は総務省電波利用ホームページを確認すること。