電気設備に関する技術基準を定める省令の解説
第15条の2(サイバーセキュリティの確保)
経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.5–6
〔解 説〕 経済産業省が平成25年度に実施した「次世代電力システムに関する電力保安調査」では、これまで電力の安定供給に影響を与えたサイバーセキュリティインシデントは発生しておらず、現状の対策は一定の評価ができるものの、今後は事業環境変化を踏まえたサイバーセキュリティ対策の検討が必要とされた。また、産業構造審議会保安分科会電力安全小委員会電気設備自然災害等対策ワーキング中間報告書(平成26年6月)では、サイバーセキュリティガイドラインの策定が提言された。更に、平成27年6月の産業構造審議会保安分科会電力安全小委員会(第10回)において、今後更なるITの高度化や電力システム改革の進展により、外部通信ネットワークとの相互接続機会の増加が見込まれるところ、これにより、セキュリティリスクの蓋然性は高まることが見込まれる等の指摘があった。その上で、サイバー攻撃等による電気設備の事故等の未然防止対策が重要な課題であり、サイバー攻撃等を新たな外生的脅威(リスク)と捉え、電気事業法体系下の保安規制に組み入れて制度的に担保されるべきことが確認された。これを受け、本条文を追加し、電気工作物におけるサイバーセキュリティ対策を求めることとした。
令和4年4月の改正では、電気工作物におけるサイバーセキュリティの確保義務について、配電事業の用に供する電気工作物にも求めることとした。これは、配電事業者は、一般送配電事業者に倣った法的義務を負うこととされていることから、令和3年6月の産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会電力安全小委員会電気保安制度WG(第6回)において、配電事業者に対しても、最低限課すべき保安要求事項は事業形態によらず同一とすべきであり、配電設備の保有形態(保有や貸与)によらず、事業用電気工作物の技術基準への適合維持義務、保安規程の制定及び遵守義務、主任技術者選任義務、一般用電気工作物調査の義務などの一般送配電事業者相応の保安上の義務を課すべきであるとされたためである。
令和4年6月の改正では、サイバーセキュリティの確保義務の対象を自家用電気工作物を含む事業用電気工作物にも拡大した。これは、近年、諸外国において製鉄所等の産業施設へのサイバー攻撃も発生し、大規模な被害が生じており、また、中小企業も含む今後の電気保安分野におけるスマート化の進展も踏まえ、より幅広い事業主体に対策を求めることが必要であると考えられることから、令和3年11月及び令和4年1月の産業構造審議会保安・消費生活用製品安全分科会電力安全小委員会電気保安制度WG(第8回及び第9回)において、自家用電気工作物についてもサイバーセキュリティの確保が重要とされたためである。
令和4年12月の改正では、従来からサイバーセキュリティを求めていない小規模事業用電気工作物を事業用電気工作物から除いた。
[H28改正点] 新規に追加した。
[R4改正点] 対象となる電気工作物に配電事業の用に供する電気工作物を追加した。また、省令全体で供給支障の防止の対象に配電事業を追加することとした。
[R4改正点] 対象となる電気工作物を自家用電気工作物を含む事業用電気工作物に拡大した(令和4年10月1日付けで施行)。
[R4改正点] 小規模事業用電気工作物の新設に伴い、対象から除外。
【関連解釈】 第37条の2