電気設備の技術基準の解釈の解説

第43条(特別高圧の変圧器及び調相設備の保護装置)

経済産業省の一次資料を確認(新しいタブで開く)該当頁の目安 p.64–65

〔解 説〕 本条は、特別高圧の変圧器又は調相設備に事故が生じた場合に、これらを自動的に電路から遮断する装置又は警報装置を施設することを規定している。

第1項

第1項は、バンク容量が5,000kVA以上の変圧器について、内部に入っている油の量が多く、変圧器に内部事故を発生した場合に速やかな応急措置を講じないと大きな災害を招くおそれがあり、また電気事業用のものにあっては、変圧器を大きく損傷することは事故後の電気の供給に支障をきたすことにもなるので、43-1表のような保護装置を施設すべきこととしている。
ただし書は、変圧器の内部故障時に、発電所において2次側電路を遮断し、かつ、発電機を無負荷無励磁にする、又は2次側に電源を有しない配電用変電所などにおいて1次側電路のみを遮断する場合には、変圧器が無電圧かつ無負荷になり、保安上電路から遮断したことと同等と考えられることから危険がないものとして扱われる。
一般に自動遮断装置の施設場所は、機器の保護、保守点検の容易さ及び電力供給の確保等の観点から決定される。
第一号は、変圧器内部故障に対する保護装置を規定している。内部故障に対する保護リレーとしては、差動リレー、ブッフホルツリレー、圧力リレーなどが考えられ、規定上はこれらのうちいずれかが施設してあればよい。しかし、ブッフホルツリレーのみでは誤動作する場合があるので、一般には差動リレーとともに用い、ブッフホルツリレーは警報扱いとすることが多い。
保護装置の施設を変圧器ごとにではなく、バンク容量により示したのは、特別高圧用変圧器は通常三相結線で使用されるので、三相結線したものを一つの単位としたものであるが、V結線の場合は、2台の合計容量の86.6%をもってバンク容量とすべきであり、単相結線で使用されるものは1台の容量をもってバンク容量とする。なお、2バンクの変圧器群を1次側、2次側とも並列して使用し、遮断器を共用するもの等のように、常に1単位として使用されるものでは、1バンクとして解釈する。
第二号は、他冷式変圧器の著しい温度上昇に対する保護措置として、冷却装置の故障(送風機等の電源電圧の喪失を含む。)又は変圧器温度の著しい上昇のいずれかの場合に警報する装置を施設することとしている。なお、自冷式変圧器については、温度上昇の原因が変圧器内部の異常による場合が多いことから、本条では温度上昇に関する措置を規定していないが、常時監視をしない変電所においては、措置が必要となる場合もある。
H4基準で、ガス絶縁変圧器などの新方式の変圧器が採用されるのに対応するため、具体的冷却方式、具体的故障で規定するのをやめ、他冷式、冷却装置の故障で包括的に規定した。また、「他冷式」を「変圧器の巻線及び鉄心を直接冷却するため封入した冷媒を強制循環させる冷却方式」と定義した。

第2項

第2項において保護装置を容量により区別したのは、実情と経済性を考慮したもので、過電流保護装置には電力ヒューズも含まれる。
内部故障については、前項の場合と同様である。内部故障の保護装置としては、ブッフホルツリレー、圧力リレー、差動リレー等があり、それらのうち主要なものの一つを自動遮断の対象としていれば、他のものは警報とすることができる。
調相機の容量を15,000kVA以上に限定したのは、15,000kVA未満の調相機を設けることが少なくなったことを考慮したためと、発電機等とのバランスを図ったためである。

公式資料該当頁: p.64–65

令和7年11月20日改正

出典: 「電気設備の技術基準の解釈の解説」(経済産業省)を加工して作成

※ 本ページは公式資料そのものではありません。