
住宅の対地電圧は150V以下。2kW以上の150V超はコンセント接続不可
この記事でわかること
- 住宅の屋内電路の対地電圧は、原則 150V 以下
- 2kW 以上で対地電圧 150V 超なら第一号イからトまで。コンセント接続は不可
- 使用電圧 200V と対地電圧は別。第36条第1項の省略は、このただし書の電路には使わない
こんな人におすすめ
- 第二種の筆記で、対地電圧 150V と 2kW・コンセントを確認したい
- 単相3線式 200V と三相 200V の対地電圧を分けたい
- 200V の固定機器を、コンセントで施設してよいか確認したい
はじめに
住宅の屋内電路では、対地電圧を原則 150V 以下にします。人が日常で触れる場所なので、電線と大地の間の電圧を抑えます。
原則が 150V 以下なのは、100V 用より 200V 用のほうが感電の死傷事故の確率が高いからです。第1項が制限しているのは対地電圧で、使用電圧ではありません。
定格消費電力が 2kW 以上の電気機械器具を、第一号イからトまでにより施設するときは、対地電圧を 300V 以下とできます。
その例外(対地電圧 150V 超)を使うときは、器具を屋内配線と直接接続して施設します。コンセントによる接続では、この例外は使えません。
第二種電気工事士の筆記でも、同じ条件が 150V・2kW・コンセント で並びます。三相 200V のルームエアコンが出るのは、対地電圧が 200V になるからです。
この記事では、電技解釈第143条のうち、第1項の住宅の屋内電路と第一号だけを扱います。第143条を開く前でも、施工で電圧を確認するときでも、条件だけ先に見られます。
住宅は150V以下
想定シーン: 住宅の屋内電路に、対地電圧 200V の機器を施設してよいかを決める
起点は住宅の屋内電路です。電技解釈第143条第1項は、住宅の屋内電路(電気機械器具内の電路を除く。)の対地電圧を 150V 以下とします。
電技解釈の解説では、住宅とは一般家庭において日常生活する場所をいうのであって、アパート、寮等の私室も含まれる、としています。100V 用電気設備における感電事故と 200V 用電気設備における感電事故とを比較した場合、後者がはるかに死傷事故の確率が高い、として、対地電圧 150V 以下とすべき旨が規定されている、としています。
| 条件 | 対地電圧 |
|---|---|
| 住宅の屋内電路(原則) | 150V 以下 |
| 2kW 以上を第一号イからトまでにより施設するとき | 300V 以下 |
2kW 以上の例外の中身は、次の表です。
2kW以上なら、イからトまで
150V を超えて施設できるのは、定格消費電力 2kW 以上の電気機械器具に、次のイからトまでをすべて満たすときです。どれか一つ欠けても、原則の 150V 以下に戻ります。
| 号 | 施設条件 |
|---|---|
| イ | 屋内配線は、当該電気機械器具のみに電気を供給するものであること |
| ロ | 電気機械器具の使用電圧及び屋内配線の対地電圧は、300V 以下であること |
| ハ | 屋内配線には、簡易接触防護措置を施すこと |
| ニ | 電気機械器具には、簡易接触防護措置を施すこと(絶縁性の材料で堅ろうに作られた部分、乾燥した木製の床の上でのみ取り扱う場合などのただし書あり) |
| ホ | 電気機械器具は、屋内配線と直接接続して施設すること |
| ヘ | 専用の開閉器及び過電流遮断器を施設すること(過電流遮断器が開閉機能を有するときは、過電流遮断器のみとすることができる) |
| ト | 電路に地絡が生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること(絶縁変圧器等のただし書あり) |
※ホは直接接続です。解説では、コンセントによる接続を禁止している、としています。移動させることが事故の間接的な原因になっている場合が多いこと、誤って 100V の電気機械器具を接続するおそれもあるため、としています。住宅で使用される対地電圧 200V の電気機械器具は、造営材に固定して、又は据え置いて設置されるものに限定される、としています。
この施設は認められるか
想定シーン: 店舗付き住宅の居住部分の屋内に、三相 200V(対地電圧 200V)の定格消費電力 2.5kW のルームエアコンを施設する。当該器具のみに供給する屋内配線で、配線と器具に簡易接触防護措置を施し、専用の配線用遮断器と漏電遮断器を施設し、器具は配線と直接接続する。この対地電圧は認められるでしょうか?
この計算で使う記号
- 場所
- 店舗付き住宅の居住部分です。原則の対地電圧は 150V 以下です。
- 電圧
- 使用電圧 200V、対地電圧 200V。150V を超えるので、原則には入りません。
- 器具
- 定格消費電力 2.5kW。2kW 以上なので、第一号の対象になり得ます。
まず、住宅の屋内電路かを確認する
居住部分の屋内なので第1項です。解説では、店舗付住宅の店舗部分は住宅と考えなくてよい、としています。対地電圧 200V は、原則の 150V 以下には入りません。
使用電圧と対地電圧を分ける
この問題は使用電圧 200V、対地電圧も 200V です。単相3線式 100/200V なら対地は 100V で原則内ですが、三相なので 150V 超です。第一号を見ます。
2kW以上なら、第一号イからトまでを当てはめる
2.5kW は 2kW 以上です。問題文の施設方法を、イからトまで1対1で当てはめます。
問題文と第一号の対応 問題文 号 当該器具のみに供給する屋内配線 イ 使用電圧 200V・対地電圧 200V ロ(300V 以下) 配線に簡易接触防護措置 ハ 器具に簡易接触防護措置 ニ 器具は配線と直接接続 ホ 専用の配線用遮断器 ヘ(開閉機能のある過電流遮断器) 漏電遮断器 ト コンセント接続でないことを確認する
直接接続なので、ホは満たします。
住宅の屋内電路の対地電圧(第一号に適合するとき)= 300V 以下
この 200V は 認められる(第一号イからトまでを満たすとき)
| 条件 | 対地電圧 200V |
|---|---|
| 原則(住宅の屋内電路) | 認められない(150V 超) |
| 2.5kW・第一号イからトまで適合 | 認められる(300V 以下) |
| 2.5kW でもコンセント接続 | 認められない(ホを満たさない) |
| 1.5kW のルームエアコン | 認められない(2kW 未満) |
よくある勘違い
次の4つは筆記試験でも現場施工でもよく間違えてしまう注意ポイントです。
使用電圧 200V を、対地電圧 200V としない
対地電圧は、接地された電路では電線と大地の間の電圧です。第1項が制限しているのは対地電圧です。
使用電圧 200V でも、対地電圧は方式で変わる 方式 使用電圧 対地電圧 第143条第1項本文 単相3線式 100/200V(中性線接地) 200V 100V 原則の 150V 以下に入る 三相3線式 200V 200V 200V 150V 超。第一号を見る 住宅の単相3線式 200V(IH やエアコン)は対地電圧 100V なので原則内です。コンセントで施設できます。禁止されるのは、対地電圧 150V 超で第一号の例外を使うときです。
2kW 以上でも、コンセントでつながない
例外を使うときにコンセントで接続するなら、ホを満たしません。理由は、上のイからトまでの表の注です。
開閉器のみで足りると思わない
ヘは、専用の開閉器及び過電流遮断器です。過電流遮断器が開閉機能を有するときは過電流遮断器のみとできます。開閉器のみでは足りません。トは「専用」と書いていません。
第36条の省略を、このただし書の電路に使わない
2kW の例外で施設する電路の地絡遮断は第143条第1項第一号トです。第36条第1項ただし書は使いません。
2kW例外の地絡遮断は第143条ト
金属製外箱を有する使用電圧が 60V を超える低圧の機械器具に接続する電路の地絡遮断は、電技解釈第36条第1項です。第2項第二号は、第143条第1項ただし書により施設する対地電圧 150V 超の住宅の屋内電路には、第1項の規定によらず、当該電路に適用される規定による、としています。
2kW の例外で施設する電路では、第143条第1項第一号トの地絡遮断装置(ただし書の絶縁変圧器等を含む。)を見ます。乾燥した場所だから第36条第1項ただし書で省略する、ではありません。
| 内容 | 該当条 | 筆記試験内容 |
|---|---|---|
| 住宅の屋内電路の対地電圧 | 第143条第1項 | 150V 以下。2kW 以上ならイからトまでで 300V 以下 |
| コンセントによる接続 | 第143条第1項第一号ホ | 直接接続。コンセントは不可 |
| 2kW例外の地絡遮断 | 第143条第1項第一号ト | 第36条第1項の省略は使わない |
よくある質問
Q住宅の屋内電路の対地電圧は何Vまで?
電技解釈第143条第1項では、原則 150V 以下です。2kW 以上を第一号イからトまでにより施設するときは、300V 以下とできます。
Q2kW 以上なら、コンセントで 200V 機器をつないでよいか?
対地電圧 150V 超で例外を使うときはできません。ホは直接接続です。単相3線式 200V で対地電圧 100V なら原則内なので、コンセントで施設できます。
Q単相3線式200Vと三相200Vで、対地電圧は同じか?
同じではありません。単相3線式 100/200V で中性線が接地されていれば対地電圧は 100V で原則内、三相 200V で対地電圧 200V なら第一号を見ます。
Q1.5kWでは、対地電圧200Vにできないか?
できません。第一号の対象は定格消費電力 2kW 以上です。2kW 未満は単相3線式の対地電圧 100V で対応する、と解説しています。
Q店舗付き住宅の店舗部分は、住宅か?
解説では、店舗に相当する部分は住宅と考えなくてよい、としています。居住する部分は第1項の住宅です。
Q開閉器だけあればよいか。漏電遮断器は専用か?
ヘは専用の開閉器及び過電流遮断器です。開閉機能がある過電流遮断器のみは可、開閉器のみは不可です。トは「専用」と書いていません。
Q乾燥した場所なら、漏電遮断器を省略できるか?
第36条第1項ただし書では省略できる場合があります。第143条第1項ただし書の電路は第36条第2項第二号により第1項によらず、地絡遮断は第一号トです。
おわりに
まずは、問題文が住宅か、対地電圧が 150V 超か、2kW 以上か、直接接続かを見て、150V と 300V のどちらに該当するか、当てはめると理解が深まります。
NeuroQuest では、第二種電気工事士の記事と過去問を、電技解釈を根拠にしてお届けします。幹線の太さも、あわせてご覧ください。

