安全施工技術指針

第14章第3節(鋼橋架設作業)

土木工事安全施工技術指針

掲載版 令和8年3月このページ 

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第3節 鋼橋架設作業
1. 架設作業
根拠: 安衛則517の6,517の7
各作業は施工計画に基づいて実施し,計画が変更となる場合は,変更施工計画を作成した後にそれに基づいて作業を行うこと。
2. 架設時の安全対策(基本方針)
(1)架設時に道路利用者に被害が及ばないよう通行規制を行うこと。
(2)横取り,降下作業時の桁下の道路利用者等への安全対策を行うこと。
3. 作業手順書
(1)作業手順書は実際の架設方法・手順を反映すること。
(2)各作業ステップの作業手順や管理項目が作業員の中で共有され,遵守されるようにすること。
根拠: 国道1号清水立体事業の鋼橋架設工事における事故を踏まえた再発防止策(R5.9.22)
根拠: 国道1号清水立体事業の鋼橋架設工事における事故を踏まえた再発防止策(R5.9.22)
4. 指揮・命令系統等の明確化
根拠: 安衛則517の8,517の9
(1)各作業に対しては,指揮・命令系統・作業手順・作業者の役割及び人員配置を明確にすること。
(2)近接した場所において他の作業が行われる場合には,各作業間で連絡・調整を十分に行い,作業をすること。
5. 架設機械の設置・点検
(1)クレーン・移動式クレーン・送り出し装置などの架設機械は,施工計画に基づき設置すること。
(2)ベント・ケーブルクレーン設備・送り出し設備などの架設設備は,載荷前に異常の有無を点検すること。
6. クレーン作業
(1)移動式クレーンの機体は,水平に設置すること。アウトリガーを設置する箇所の地盤を点検するとともに,必要に応じて鉄板を敷くなど,地盤沈下を防止する措置を講じること。
根拠: クレーン則70の3
(2)クレーン作業において,橋部材などの巻き上げ・巻きおろし中は,吊り荷の下に作業員を立入らせないこと。
(3)ケーブルクレーン作業においては,巻上,横引用ワイヤロープの内角側に入らないよう見やすい箇所に表示するなどの方法で禁止すること。
根拠: クレーン則28
7. 橋部材の仮置き
部材は指定された場所に,組立作業順序を考慮して,堅固な敷木上に正しく置くこと。
8. 地組立作業
(1)地組立は整理された場所で行い,堅固な支持材を設けて部材の横転を防ぐこと。
(2)地組中の組立部材が不安定な場合は,転倒防止用設備を設けること。
9. 橋部材の組立作業
(1)橋部材は地切りした状態で,玉掛けロープ・天秤・アウトリガー位置などに異常のないことを確認した後に作業を進めること。
(2)地組みされた橋部材のブロックを吊るときは,あらかじめ定められた吊点を吊ること。
(3)重量物及び長尺物を吊り上げる時は,介錯ロープを用いること。
(4)箱桁等幅のある橋部材を吊り上げる場合は,予めクレーンのブームが橋部材に接触するおそれがないか十分チェックするとともに,作業中においても十分注意すること。
(5)桁を吊り上げた状態で,ブロックの取付状態及びワイヤロープの力の方向が正常であるか否か等を確認してから作業を進めること。
(6)仮締めボルト及びドリフトピンは,空孔のボルトが締め終わるまで抜かないこと。
(7)曲線桁または重心の高い橋桁を取扱う場合には,横転を防ぐための転倒防止措置を講じること。
(8)桁の横取り作業やジャッキによる降下作業を行うときは,控えのワイヤロープを設置する等,桁の転倒等を防止する措置を講じること。
10. 溶接・塗装等作業
根拠: 有機則5,9
根拠: 粉じん則27
(1)箱桁・鋼橋脚等の内部で溶接・塗装等の作業を行うときは,十分な換気を行い,かつ作業員に呼吸用保護具を使用させること。
(2)箱桁・鋼橋脚等の内部に限らず,塗膜の剥離など剥離剤の取扱い作業では,ばく露防止措置を確実に実施するとともに,通風が不十分な場合に排気装置を設けるなど有害物の濃度を低減させる対策を実施すること。
根拠: 厚生労働省通達基安化発0518第1号(R4.5.18)
11. 上下作業の回避
トラス・アーチ桁等の架設においては,できる限り上下同時作業がないように工程を調整すること。
12. 受架台等の支持・転倒・滑動に対する安全性の照査
鋼橋架設工事の事故防止対策(追補版)等
(1)受架台等の基礎形式は,地盤に関する調査結果に応じて,敷き鉄板,コンクリート基礎,地盤改良,杭基礎等,適切な工法を選定し,基礎部分の予期せぬ沈下や受架台等傾斜・捻れ等を防止すること。
(2)載荷時の安定計算は橋軸直角方向に加え橋軸方向についても,照査水平荷重を用いて実施すること。なお転倒等により第三者被害に及ぶ恐れのある場合には,フェールセーフのための措置を検討すること。
(3)橋桁の支持位置(載荷位置)は,受架台等の重心位置から偏心させないよう設計・施工することを基本とし,転倒に対する安全性照査を行うこと。現地施工条件により,偏心が回避出来ない場合には,偏心によるモーメントを考慮し転倒に対する安全性照査を行うこと。
(4)下フランジの勾配など,受架台等の支持位置における個別要因による橋軸方向の水平荷重を適切に考慮し安全性照査を行うこと。その際には,橋桁の支持架台(サンドル等)の高さも考慮すること。
13. 受架台の設置
(1)受架台は各架設段階において,受架台に作用する鉛直荷重,架設時の転倒に対する安全を検討するのに必要な水平荷重,各支点間の相対変位によって生ずる不均等荷重等の荷重に対して必要な耐力を有する部材を使用すること。
(2)受架台にサンドル材を使用する場合は,井げた状に組んで使用し,相互にボルトで固定すること。
14. 降下作業に関する安全対策
(1)降下作業時の架台の安全対策は以下の通りとする。
① 偏心や傾斜による荷重が作用することも想定し,堅固かつ安定となるように必要な対策を行うこと。
② 橋桁製作に先立ち,架設中の資機材設置位置・方法や作業工程を検討し,必要に応じて橋桁製作に反映すること。
(2)既設桁と橋桁の位置合わせ等のために鉛直方向と水平方向を調整する装置を用いる場合の安全対策は以下の通りとする。
① 支点位置での変位量や反力を管理し,不安定な状態にしないように,鉛直,水平反力の不均等や傾斜を考慮した調整方法や監視方法とすること。
② 複数の調整装置を同時に用いる場合は,橋桁や架台が不安定にならないように適切な連携が図られるようにすること。
15. セッティングビーム使用時の安全対策
(1)接合方法の設計にあたっては,吊り材の様に工事の安全上重要な部位の場合,道路橋示方書の規定に従うなど,耐荷力機構が明らかで信頼性の明らかな接合方法を用いることを基本とすること。
(2)橋桁と圧縮点架台並びにセッティングビームと圧縮点架台は相互に固定するなど,荷重の不均等や偏心が生じたとしても圧縮点架台が容易に外れないように固定すること。
16. 計測管理
(1)架設中は,作業の進捗ごとに反力の状態が変化するため,作業ごとに橋桁,セッティングビーム,サンドルなどの位置,形状や,ジャッキ反力などの管理値を設定すること。また,計画どおりの架設となっているか,計画の前提・仮定のとおりの挙動になっているかを,適切な計測・監視・管理を行い,記録を残すこと。なお,記録の保全は,工事完了までを基本とする。
根拠: 国道1号清水立体事業の鋼橋架設工事における事故を踏まえた再発防止策(R5.9.22)
根拠: 国道1号清水立体事業の鋼橋架設工事における事故を踏まえた再発防止策(R5.9.22)
根拠: 国道1号清水立体事業の鋼橋架設工事における事故を踏まえた再発防止策(R5.9.22)
(2)記録方法は事前に設定するとともに,計測結果が管理値を超えた場合の対策方法についてもあらかじめ設定すること。
17. ジャッキの設置及び降下作業
(1)ジャッキは,各架設段階においてジャッキに作用する鉛直荷重,水平荷重,不均等荷重等の荷重に対して必要な能力(容量・タイプ)を有するものを使用すること。また,ジャッキ架台(サンドル)の設置については,前項受架台の設置に準ずるものとする。桁のジャッキ取付位置については,あらかじめ架設時の応力度を算定し,安全を確認すること。
(2)単純桁の設置でジャッキは,橋部材に局部座屈が生じないよう,適切な位置に据付けること。
(3)ジャッキを使用するときは,桁両端を同時におろさないこと。
(4)多橋脚上で橋桁の降下作業を行うときは,一橋脚ごとにジャッキ操作を行い,他の橋脚は,受架台で支持した状態にしておくこと。
(5)一橋脚上で複数のジャッキを用いて降下作業を行うときは,降下速度を同一にすること。
18. 軌条梁の据付け
軌条梁は,通り・高さ・軌条梁間の平行度等に注意して,正確に据付けること。
19. 橋桁の移動作業
(1)橋桁を台車等により水平方向に移動させる場合は,おしみワイヤ等の逸走防止装置を設置すること。
根拠: 安衛則204
(2)橋桁を移動させるときは,移動量・移動速度・方向性を確認しながら作業すること。
(3)部材運搬台車を止めておくときは,台車を固定しておくこと。
20. 仮締め状態時の載荷制限
(1)張出し架設の場合,仮締め状態のままで架設機械等の重量物を載荷しないこと。
(2)仮締め状態で長期間放置しないこと。
21. 橋桁上のクレーン設置
既に架設した橋桁上に移動式クレーン等を設置するときは,クレーン重量・据付け位置及びその使用状態を確認すること。
22. 河川内に設置した仮設物の防護
河川内にベント・作業構台・昇降設備等の仮設物を設置する場合は,異常出水・船舶航行等に備えて,仮設物の防護を行うこと。
23. 係留設備
作業船又は台船などの係留設備には,十分安全なものを用いること。
24. 水上作業中の監視
(1)航行船舶に対する監視を行うこと。
(2)水深・流速・潮の干満及び作業船・台船の吃水を監視すること。

このページを整えている人

第3種電気主任技術者 · 第1種電気工事士 · 第2種電気工事士 他

電力設備の保全・施工管理・建設DX/AIの経験を活かして、安全施工技術指針のデータベースを整えています。 経歴はこちら

公式資料該当頁: p.98–103

出典: 「土木工事安全施工技術指針」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000052.html )を加工して作成

※ 本ページは公式資料そのものではありません。