安全施工技術指針

第4章第5節(移動式クレーン作業)

土木工事安全施工技術指針

掲載版 令和8年3月このページ 

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第5節 移動式クレーン作業
1. 作業計画・移動式クレーンの選定
根拠: クレーン則66の2
(1)移動式クレーンの選定については,その性能,機種を十分把握しておくこと。
(2)移動式クレーンの選定の際は,作業半径,吊り上げ荷重・フック重量を設定し,性能曲線図で能力を確認し,十分な能力をもった機種を選定すること。
(3)作業内容をよく理解し,作業環境等をよく考慮して作業計画をたてること。
(4)送配電線の近くでの作業は,絶縁用防護措置がされていることを確認してから行うこと。
(5)絶縁用防護措置のされていない送配電線の近くでの作業時は,安全離隔距離を厳守して行うこと。
根拠: 第2節2・⑷
2. 配置・据付
(1)移動式クレーンの作業範囲内に障害物がないことを確認すること。障害物がある場合は,あらかじめ作業方法をよく検討しておくこと。
(2)移動式クレーンを設置する地盤の状態を確認すること。地盤の支持力が不足する場合は,移動式クレーンが転倒しないよう地盤の改良,鉄板等により吊り荷重に相当する地盤反力が確保できるまで補強した後でなければ移動式クレーンの操作は行わないこと。
根拠: クレーン則70の3,70の4
(3)移動式クレーンの機体は水平に設置し,アウトリガーは作業荷重に応じて,完全に張り出すこと。
根拠: クレーン則70の5
(4)荷重表で吊上げ能力を確認し,吊り上げ荷重や旋回範囲の制限を厳守すること。
根拠: クレーン則69
(5)作業前には必ず点検を行い,無負荷で安全装置・警報装置・ブレーキ等の機能の状態を確認すること。
根拠: クレーン則78
(6)運転開始からしばらくの時間が経ったところで,アウトリガーの状態を点検し,異常があれば矯正すること。
3. 移動式クレーンの誘導・合図
(1)合図者は1 人とし,打合せをした合図で明確に行うこと。
(2)合図者は,吊り荷がよく見え,オペレーターからもよく見える位置で,かつ,作業範囲外に位置して合図を行うこと。やむを得ずオペレーターから見えない位置で合図する場合には,無線等で確実に合図が伝わる方法をとること。
(3)荷を吊る際は,介錯ロープを吊り荷の端部に取り付け,合図者が安全な位置で誘導すること。
4. 移動式クレーンの運転
(1)運転は,吊り上げ荷重により,以下の資格を有するものが行うこと。
根拠: クレーン則67,68
① 吊り上げ荷重が1t未満の移動式クレーン
② 特別教育,技能講習の修了者,免許取得者
③ 吊り上げ荷重が1t以上5t未満の移動式クレーン
④ 技能講習の修了者,免許取得者
⑤ 吊り上げ荷重が5t以上の移動式クレーン
⑥ 免許取得者
(2)移動式クレーンに装備されている安全装置(モーメントリミッター)は,ブームの作業状態とアウトリガーの設置状態を正確にセットして作動させること。
(3)作業中に機械の各部に異常音,発熱,臭気,異常動作等が認められた場合は,直ちに作業を中止し,原因を調べ,必要な措置を講じてから作業を再開すること。
(4)吊り荷,フック,玉掛け用具等吊り具を含む全体重量が定格吊り上げ荷重以内であることを確認すること。
根拠: クレーン則69
5. 移動式クレーンの作業
(1)荷を吊り上げる場合は,必ず地面からわずかに荷が浮いた状態で停止し,機体の安定,吊り荷の重心,玉掛けの状態を確認すること。
(2)荷を吊り上げる場合は,必ずフックが吊り荷の重心の真上にくるようにすること。
(3)移動式クレーンで荷を吊り上げた際,ブーム等のたわみにより,吊り荷が外周方向に移動するためフックの位置はたわみを考慮して作業半径の少し内側で作業をすること。
(4)旋回を行う場合は,旋回範囲内に人や障害物のないことを確認すること。また,クレーンの上部旋回体と接触することにより危険が生ずるおそれのある箇所に立ち入ることについて,禁止する旨を見やすい箇所に表示するなどの方法により立入を禁止すること。
根拠: クレーン則74
(5)吊り荷は安全な高さまで巻き上げた後,静かに旋回すること。
(6)オペレーターは合図者の指示に従って運転し,常にブームの先端の動きや吊り荷の状態に注意すること。
(7)荷卸しは一気に着床させず,着床直前に一旦停止し,着床場所の状態や荷の位置を確認した後,静かに卸すこと。
(8)オペレーターは,荷を吊り上げたままで運転席を離れないこと。
根拠: クレーン則75
6. 作業終了後の措置
(1)作業終了後は,フックを安全な位置に巻き上げる等必要な措置を講じること。なお,走行姿勢にセットした場合は,各部の固定ピン等を確実に挿入すること。
根拠: クレーン則221,222
(2)走行時には,旋回ブレーキロック,ウインチドラムロックを行うこと。
根拠: クレーン則215,220
(3)操作関係のスイッチは全て“切”にしておくこと。
7. 玉掛作業
(1)玉掛作業は,吊り上げ荷重が1t以上の移動式クレーンの場合には,技能講習を終了した者が,1t未満の移動式クレーンの場合は特別教育を修了した者がそれぞれ行うこと。
(2)吊り荷に見合った玉掛け用具をあらかじめ用意点検し,ワイヤロープにうねり・くせ・ねじりがあるものは,取り替えるか又は直してから使用すること。
(3)玉掛け用具は,雨や粉じん等が防げる定められた保管場所へ整理して保管することとし,腐食するおそれのある時(海岸・海上作業等)は,給油を行うこと。
(4)移動式クレーンのフックは吊り荷の重心に誘導し,吊り角度と水平面とのなす角度は90°以内とすること。
根拠: 厚労省通達基発第96号(H12.2.24)
根拠: 「玉掛け作業の安全に係るガイドライン
(5)ロープが滑らない吊り角度・あて物・玉掛位置等,荷を吊ったときの安全を事前に確認すること。
(6)重心の片寄った物等,特殊な吊り方をする場合には,事前にそれぞれのロープにかかる荷重を計算して,安全を確認すること。
(7)荷の巻き掛けつりの方法として2 本4 点半掛けつりは,つり荷の安定が悪いため,玉掛け用ワイヤがずれないような適切な措置を講ずること。
(8)パイプ類などの滑りやすいものを吊るときは,あだ巻,目通し吊り又ははかま等を使用し,脱落防止の措置を講じること。また,寸法の長いものと短いものとはそれぞれ仕分けし,混在させて吊らないこと。
(9)わく組足場材等は,種類及び寸法ごとに仕分けし,玉掛用ワイヤロープ以外のもので緊結する等,抜け落ち防止の措置を行うこと。
(10)単管用クランプ等の小物は,吊り箱等を用いて作業を行うこと。
根拠: クレーン則74の2
8. 立入禁止場所の指定,標識類の設置
(1)移動式クレーン作業中は,吊り荷の直下のほか,吊り荷の移動範囲内で,吊り荷の落下による危険のある場所への人の立入りを禁止すること。
(2)立入りを禁止した場所には,看板,標識等を設置し,作業員等に周知させること。

このページを整えている人

第3種電気主任技術者 · 第1種電気工事士 · 第2種電気工事士 他

電力設備の保全・施工管理・建設DX/AIの経験を活かして、安全施工技術指針のデータベースを整えています。 経歴はこちら

公式資料該当頁: p.35–38

出典: 「土木工事安全施工技術指針」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000052.html )を加工して作成

※ 本ページは公式資料そのものではありません。